111. 託された絶望、わたしが艦長!? 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
艦長席に座り、メインディスプレイを見つめていると、ひどく悪い判決を待っているような気分になった。
運は悪くなかった。
もう少し正確に言えば、脳震盪を起こしていた雪風のナビゲーションシステムが、しばらく経ってようやく、自分の本来の用途をゆっくりと思い出してくれた。
先ほどは、奇点跳躍前後の連続した暴力的な振動の影響で、コンピュータ全体が極めて無責任な放心状態に陥っていたらしい。今、ジャイロスコープが徐々に正位置へ戻り、ナビゲーション計器が一つずつ再点灯し、星図の枠を狂犬のように全画面で明滅させていた赤い警告も、文明社会が使うような方向性のあるエラー表示へと落ち着きつつあった。
数値が一つずつ安定していくのを見つめながら、気持ちは少しも軽くならなかった。むしろ、さらに沈んだ。
なぜなら、曖昧なうちはまだ自分を騙せるが、一度はっきりしてしまえば、誤魔化す余地すらなくなるからだ。
「測位完了」
AIの、腹立たしいほど平静な声が響いた。
星図を拡大する。
一瞥する。
そして、心の中に巨石を投げ込まれたように、一気に沈み込んだ。
ずれている。
少しのずれじゃない。
「あら、隣の通りへ買い物に行こうとしたら、ナビが別の行政区へ案内しちゃった」というレベルのずれじゃない。
宇宙に徹底的かつ完璧に、容赦なく平手打ちを食らって、本来いるべき場所から地図の端の端まで叩き飛ばされたような、そういうずれだ。
私たちは本来、オリオン座アルファのパイク星域内にいた。
つまり、戦術図上でいつも文明社会の保護圏内に見える、あのエリアだ。
分かりやすく言えば、自宅の庭先に立って、やってきた泥棒をナイフで一突きし、相手が完全に我に返る前に、壁を越えて別の遮蔽物に隠れようとした、という状況だった。
それが今——
壁を越え損ねたどころか、庭そのものが消え、権利書がどこへ飛んでいったのかも分からない状態になっていた。
星図をもう一段階拡大する。
深黒の背景の上で、連邦の版図、辺境の交易路、既知の哨戒線、旧航標のリンクが、層を成して後退していく。ある位置を見た時、指先が一瞬止まった。自分の目がまだ狂っていないことを、認めたくなかったのだ。
雪風が叩き出された場所は——
うしかい座ボイドの複合繊維状外縁、Void Wall。
その文字を見つめていると、うなじにゆっくりと冷や汗が滲んできた。
頭がこんがらがらないように説明するなら、ここは旧地球時代の開拓期におけるアメリカ西部のような場所だ。ただし、もっと悪い。
辺境の小さな町でも、鉄道の終点でも、「ここから先は危険ですよ」といったロマンチックな国境でもない。地図を描くのも面倒になるような場所。文明が手を伸ばすのも億劫になり、郵便配達員と神父でさえ、どちらが先に行くか譲り合うような場所だ。
朗報は、うしかい座ボイドの本体に直接放り込まれなかったことだ。
狂気じみたほど広く、光子さえ通り抜けるのを嫌がるような、三億光年級の虚無の中に落ちなかったことだ。
もしあそこに直接落ちていたら、指揮権だの、補給だの、医療だの、士気だのといった高度な問題に悩む必要はなかっただろう。「全艦で静かに餓死するまで、あと何日かかるか」という、より実践的な生存哲学の研究に没頭できたはずだから。
悪報は——
ここから連邦の最外縁の前哨星域まで、最も近くても四億から五億光年は離れているということだ。
四億から五億。
叫んで威勢がつくような数字じゃない。
人間の脳に残った最後の僥倖を、容赦なく踏み砕く数字だ。
素早く見積もりを始めた。
神風エンジンが壊れておらず、六式がまだ正常にポイント・ツー・ポイントの超空間跳躍を行えたとしても。道中すべてが順調で、追手もなく、故障もなく、補給の問題もなく、宇宙にもう一度骰子として投げられることがなかったとしても——ほぼ無補給のまま三ヶ月航行して、ようやく味方の姿を拝める可能性があるかどうか、という距離だ。
三ヶ月。
戦闘を終えたばかりで、跳躍に失敗し、艦長は重傷、副長は昏睡、エンジンは半壊した戦艦が。
こんな鬼のような場所で、三ヶ月持ちこたえなければならない。
星図を閉じた。
動きは速かった。誰かに見られるのを恐れるように。
なぜなら、この知らせは今、口にしてはならないと分かっていたからだ。
少なくとも、今は。
真紀はまだ目を覚ましていない。アッシュも引き継げる状態にない。ジェスはついさっき人生を紙くずのように丸められたように泣きじゃくっていたし、ロイはあの三つのボタンを思い出すだけで退役するまで悪夢を見そうだし、蘭とアイダは「意識は機能しているが、今は感情に触れない方がいい」状態にある。こんな時に私が立ち上がり、咳払いをして、こう宣言したらどうなるか。
「皆に朗報だ。私たちは味方から四、五億光年離れた宇宙の端っこに迷い込んだ」
それは情報公開じゃない。
艦内士気の銃殺刑だ。
だから、この件は当分、腹の中に腐らせておくことに決めた。
どうせ今の私の胃の中には腐ったものが十分に詰まっている。もう一つ増えたところで大差ない。
星図を閉じて間もなく、艦長席の脇にあるあの専用の小型電話が突然鳴った。
こんな時に鳴るその音は特別耳障りで、霊安室でインターホンを鳴らされたような気分だった。
二秒ほど見つめてから、手を伸ばして受話器を取った。
画面が点灯し、案の定、ヴィクトルのあの大きな顎髭の顔が飛び出してきた。
この男の存在自体が、違法改造したまま強引に公道を走っている古い貨物船に似ている——見た目はまったく信用できないが、いざ事が起きると、そう簡単にはバラバラにならない。
「お嬢ちゃん」ヴィクトルが口を開いた。相変わらず、深夜に酔いから覚めて世界がうるさいと文句を言っているような口調だった。「ずいぶん困っている顔だな」
その顔を見ていると、ふと、礼儀を演じることすら億劫になった。
「ええ」私は言った。「たった今、一生ここに閉じ込められるかもしれないと知ったところです。困らないわけがないでしょう」
ヴィクトルはそれを聞いて、「なんだと? そんなに深刻なのか?」というような、まともな人間の反応を一切見せなかった。
彼はただ、鼻でふんと笑った。
「そんなの大したことない、俺が若い頃はもっと酷かった」と言わんばかりの、老いぼれ特有の嫌な笑い方だった。
それから、彼は言った。
「お嬢ちゃん、いいものをくれてやる」
言い終わるや否や、一通のメールが目の前の艦橋内部メールボックスに直接投げ込まれた。
「俺の隠し場所だ」ヴィクトルは言った。「他の奴には内緒だぞ」
私が眉をひそめかけた瞬間、彼は一方的に通信を切った。
……上出来だ。
実にヴィクトルらしい。
話は半分、態度は腹立たしい。毎回助け舟を出すたびに、ついでに殴りたくなる余地を残しておかないと、彼の人生の価値は完全にはならないらしい。
そのメールを開いた。
そして、沈黙した。
それは一枚の星図だった。
だが、軍の制式図でもなければ、連邦民間航空が提供するようなまともなナビゲーションマップでもない。
そのスタイルは、極めて疑わしかった。
違法燃料と安いアルコール、それに闇市パーツの匂いが漂ってきそうなほど疑わしい。航路の表示は連邦標準の凡例ではなく、横には手書きの追記がいくつもあり、特定の場所は、公式の人間が絶対に使わないような略語と矢印で囲まれていた。これは航海図ではない。
どちらかといえば——
海賊の私的なサバイバルノートだ。
その図を数秒間見つめ、口角がゆっくりと引きつった。
「クソ」低く罵った。「ヴィクトルの奴、やっぱり元海賊だったんじゃないか、チクショウ」
その言葉が口から出た瞬間、かえって気分が不思議と落ち着いた。
なぜかは分からない。
事態が一定の酷さに達した時、身近なあの酔いどれ機関長にやはり非合法で辺境の匂いに満ちた過去があったと知ることで、逆に「ああ、この宇宙の少なくとも一部は、私の理解できる荒唐無稽な論理で動いている」という安心感が生まれたのかもしれない。
星図には、一つの位置がマークされていた。
座標はひどく偏っている。正規の補給マニュアルに載っているような場所ではない。
横に、手書きで名称が添えられていた。
ローレンス修理工場。
その点を拡大する。
さらに拡大する。
それはVoid Wallの縁、毛細血管のような灰色の航路の脇に隠れていた。汚く、隠蔽され、見栄えの悪い場所。だがそれゆえに、本当に人間が生き延びられそうな場所に見えた。
そして、その下にもう一行、赤いペンで追加の注記があるのを見つけた。
文字は大きい。
誇らしげな筆致だ。
内容は、正式な軍事報告書に書く価値が微塵もないものだった。
「巨乳ストリップバー最高」
私は無表情でその一行を見つめた。三秒間。
それから顔を両手で覆い、深く息を吐き出した。
「……クソ」
この瞬間、非常に具体的な現実を突きつけられた。
私たちが今持っている唯一のまともな活路は、宇宙の辺境のゴミの隙間に隠された、元海賊の機関長がメールに隠し持っていた非合法の修理ドックである可能性が高いということ。
そして、そのナビゲーションデータに最も目立つように書かれた補足説明は、燃料の品質でも、武装の状態でも、補給のレートでもなく。
ストリップバーだということ。
この宇宙は、本当に人間に体裁よく死なせてくれる気がないらしい。
もう一度星図を引き伸ばし、「ローレンス修理工場」という小さな点を見つめた。
艦橋はまだ混乱している。
真紀はまだ目を覚まさない。
飛田は医務室に横たわっている。
神風エンジンは死んだ。
一番近い味方から四、五億光年離れている。
そして今、私の手にある唯一のまともな道は、海賊のサバイバルマップの疑いがある一枚の図と、そこに書かれた極めて不真面目な赤字の注記だけだ。
本来なら絶望すべきだ。
だが奇妙なことに、その点を見つめていると、心の中にゆっくりと別の感情が浮かび上がってきた。
安心ではない。
希望でもない。
どちらかといえば——
まあいい、少なくとも今は、完全に行く当てがないわけじゃない。
この局面において、「行く当てがある」というだけで、すでに奇跡に近い。
その図をプライベートレイヤーに縮小し、艦橋のメインスクリーンには公開しなかった。
少なくとも今はまだ駄目だ。
真紀が目を覚ます前に、アッシュが床から完全な人間の形に復帰する前に、そして「私たちは今、宇宙に流刑されたも同然の文明社会から遠く離れた場所にいる」という事実を、全艦が崩壊しないような言い方でどう伝えるか、考えがまとまる前に——
この図は、私だけが知っていればいい。
艦長席に背を預け、メインディスプレイで点滅を続ける未知空域の図を見上げた。
そして、ごく軽く、低く、独り言を呟いた。
「ローレンス修理工場か……」
名前からして、経費で落とせそうな場所じゃない。
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