81. 本当の気持ち 4
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
三日目の夜の八人部屋は、最初の二日より「住んでいる」感じがした。
行李と軍校の制服と仮の寝床を詰め込んだだけの空間ではなく、それぞれのリズムが生まれ始めていた。装備を先に拭く人、先に風呂に入ってから食べる人、寝る前に必ず明日の荷物を並べ直す人、ベッド脇のロッカーの中に自分だけの小さな領土を築き始めた人。
そして今夜の私は、目立たない人間でいるつもりだった。
昨日の同床事件と今日の昼間の一連の口撃を経た後、八人部屋のどんな余計な動きも、ジェスに長期娯楽として使われかねないとわかっていたからだ。
夕食後に部屋へ戻り、動作は模範生並みに大人しくした。
余計なことを言わない。目を合わせすぎない。素材を提供しない。
事実は、雪風が過度な楽観的期待を育てないことを、あらためて証明した。
端末をロッカーに入れた瞬間、真紀が私のベッドの横に立っていた。
今回は、いつもの「ちゃんと片付けて」や「邪魔」ではなかった。ただ、はっきりと言った。
「星野、ちょっと出て」
八人部屋全体が、半拍だけ静まり返った。
完全に無音ではない。ただ、「みんな自分のことをしているが、注意が明らかに一斉にこちらへ向いた」という静けさだった。
背中がぞわりとした。
ジェスはベッドの縁に座ったまま、目が即座に輝いた。Dが上段の柵から顔を出し、表情全体に「おお」と書いてあった。蘭は本を閉じることもなく、ただ目を上げた。アカリは動作を止めなかったが、耳は絶対にこちらを向いていると断言できる。ロイとハーヴィーはそこまで露骨ではないが、やはり見ていた。
……いい。
こういうとき、八人部屋が集団監視システムではないと言う人がいたら、私が真っ先に反論する。
少し固まってから、できるだけ自然に訊いた。
「今?」
「今」真紀は言った。
「何のために?」
彼女は私を見て、半秒止まった。
「単独で話したいことがある」
この一言の破壊力は大きかった。
大きすぎて、ジェスがその場で非常に意図的な息を呑んだ。
私はその場で窒息しかけた。
「その言い方、誤解を招きすぎる!」声を落とした。
真紀は顔色一つ変えなかった。
「それはあの人たちの問題」
……違う。
それは半分あなたの問題でもある。
でも今ここで彼女と言い合えば、八人部屋の全員に無料の連続ドラマを提供するだけだとわかっていた。だから私は、背後の灼熱の視線を一身に浴びながら、腹をくくって彼女と一緒に出て行った。
ドアが閉まって、ようやく息を吐き出した。
「さっき、わざとでしょ?」
「どの部分?」
「『単独で話したいことがある』ってやつ!」
彼女は前を歩き、振り向きもしなかった。
「本当にそういう意味だから」
「でも、部屋全員が一斉に想像逞しくしない言い方、できなかったの?」
「できない」
……そうか。これが九島真紀だ。
人を崖から押し落とすとき、それを「押した」とさえ思わない人間だ。
私たちは生活区の後方にある、比較的静かな小さな角まで歩いた。
艦内の小型観測窓が一つ、厚い金属壁に嵌め込まれていた。艦橋のような一面の星海ではなく、長方形の強化ガラスの外に、船団のうち二艘の補給艦が遠く側後方に見えた。二つの静かな白い光点のようだった。脇には固定式のベンチと給湯機があり、普段から人通りは少なく、この時間はなおさらだった。
真紀が止まり、振り返って私を見た。
私も止まった。
しばらく、どちらも先に口を開かなかった。
昼間の喧騒とも、昨夜の艦橋の角の当直明けの静けさとも違う。もっと普通の場所だった。でも普通だからこそ、かえってはっきりわかった——今、本当に他に誰もいない。
最後に私が先に言った。
「それで、何?」
真紀はすぐには答えなかった。
どこから話し始めるか、考えているようだった。この種の迷いが彼女に出るのは非常に珍しく、珍しすぎて、私はまだ残っていた少しの警戒心をすぐに引っ込めた。
彼女がようやく口を開いたとき、声はいつもより低かった。
「ジェスが今日、あなたに話しかけてたわね」
少し固まった。
「……なんで知ってるの?」
「見かけたから」
「盗み聞きしてた?」
「してない」彼女はきっぱり言った。「あなたたちが通路で何を話してたか、興味はない」
「その台詞、あまり信用できない」
彼女は私を一瞥して、答えなかった。
ふいに、わかった。
「つまり今来たのは……ジェスが私に何を言ったか聞きに来たの?」
「違う」
「じゃあ何?」
真紀は一秒黙ってから言った。
「あなたがどう答えたか、聞きに来た」
その一言で、心臓がみっともなく一度乱れた。
彼女が問い詰めてきたからではない。
むしろ逆で、あまりにも静かに訊いてきたから、それがかえって重かった。
審問でも、言質を取ろうとしているわけでもない。ただ、もう少し先送りにしたかった問いを、真正面から私の前に置いてきた。
少し乾いた唇を舐めて、昼間ジェスに追い詰められたときより緊張していると気づいた。
ジェスに対しては、半分言って半分隠すこともできたし、追い詰められて仕方なく話した体を作ることもできた。
真紀には、それができない。
彼女が自分で来て訊いているのに、まだ逃げたら、それはみっともなすぎる。
息を吸い込み、正直になった。
「ジェスに……本気じゃないわけじゃないって言った」
真紀は動かなかった。目も変わらなかった。
だから続けるしかなかった。
「あなたは、試しに付き合ってみてダメだったら終わり、みたいな相手じゃないってことも言った」声が震えないように努めた。「それと……ずっと見てしまうって。いないと無意識に探す。少しでも優しくされると、ずっと覚えてる」
そこまで言って、もう彼女を見られなかった。
視線を横の観測窓へ移し、外の遠い二つの白い光点を見つめた。見ていれば、少なくとも彼女の顔を見ずに最後まで言えるかもしれないと思った。
「大体そんなところ」
言い終えて、静かになった。
通路は静かだった。艦内空調の低い音は安定していた。どこか下の階で器材車が通る音がして、薄く伝わってきて、すぐに散った。
数秒して、真紀が口を開いた。
「あなたが本当にそういうことを言える人だとは思わなかった」
振り向いて彼女を見た。
「……それ、傷つく言い方だけど」
彼女の口元がわずかに動いた。
「そういう意味じゃない」
「じゃあどういう意味?」
彼女はすぐには答えなかった。
またあの吊るされる感じの話し方かと思ったら、彼女はゆっくりと一歩前に出た。
一歩だけ。
でも距離は一気に縮まった。
「普段のあなたは」彼女は私を見て、声を低くした。「こんなに認めるように見えないから」
心拍がさらに乱れた。
「普段はあなたこうやってここに立って訊いてこないから」
彼女は二秒ほど私を見て、ふいに視線を横へ逸らした。
その動作は非常に細かかった。でも見えた。
彼女も、落ち着かなかった。
私だけじゃない。
その認識が、少しだけ勇気をくれた。
「じゃあ、あなたは?」私は訊いた。
真紀が見返した。
「何が私は?」
「わざわざ来て訊いたんだから、口供を集めたかっただけじゃないでしょ」
彼女は黙った。
本当に黙った。
言い返そうとしている沈黙ではなく、どこまで話すか、決めている沈黙だった。
私は手を握り、ここで先に引かないようにした。
やがて、彼女は低く言った。
「他人にずっと見られるのは好きじゃない」
「……それは知ってる」
「勝手に近づいてくるのも好きじゃない」
「それも知ってる」
「私のことをあちこちで話されるのも好きじゃない」
「ジェスが今日、半分くらいやってた」
真紀が少し眉をひそめた。
「だから、余計な人を増やしたくなかった」
少し固まった。
「それって……」
彼女は素早く遮った。
「でも、あなたは違う」
私はその場で完全に静止した。
これほど直接に言うとは思っていなかった。
しかもそれを言い終えた後、彼女自身の耳の先が先に少し赤くなっていた。
ごくわずかだった。でもこの距離では、はっきり見えた。
彼女もそれに気づいたのか、語気がすぐに半段階硬くなった。
「つまり、あなたは少なくとも、見た瞬間に追い払いたくなるタイプじゃない」
笑いそうになった。
「こういうときでも、そういう修飾にするの?」
「他にどうしろって言うの?」彼女が言い返した。
「もう少し褒め言葉っぽい一言があるかと思ってた」
「それは嘘くさい」
……そうか。
それもまた、真紀らしかった。
でも胸の中の熱さは、彼女の「あなたは違う」という一言で、もう全部浮かび上がってきていた。
彼女を見て、ふいに怖くなくなった。
「じゃあ今日ここに来たのは」私はゆっくり言った。「私に遠ざかれって警告するためじゃないってこと?」
真紀は私を見た。
「警告するなら、昨日言ってる」
この一言が、たくさんのものを一気に繋いだ。
昨夜の艦橋の角の静けさ。当直明けに彼女が私を自分のベッドに入れてくれたこと。今日の昼間、ジェスが私に話しかけるのを見ていたのに、夜になって問い詰めるでも怒るでもなく、わざわざここへ連れてきて、自分で言わせたこと。
胸の中が急に満ちた。
満ちすぎて少し痛いくらいだったが、苦しい種類ではなかった。
霧の中にあった何かが、ようやく一歩前に出てきたような感じだった。
何か言おうとしたとき、真紀が先に口を開いた。
「もう一つ」
「何?」
彼女は私を見て、今度はさっきより少し低い声で言った。
「昨朝、あなたが倒れそうだったからだけじゃない。入れたのは」
頭が半秒、空白になった。
「……え?」
彼女も自分の言葉が少し直接すぎたと気づいたのか、すぐに視線を外し、声を無理やり平らに押した。
「……一人で戻りたくなかったから」
その瞬間、誰かに胸の奥をごく軽く、でも正確に打たれたような感覚があった。
告白ではない。約束でもない。曖昧と言えばそうとも言えるくらいの言葉だった。
でも、軽くて、本当で、普段の彼女が気軽に口にする類のものではない、そういう言葉が、一番刺さる。
私はその場に立ったまま、彼女を見て、次に何を言えばいいか、まったくわからなくなった。
最終的に、ひどく間抜けにこう言った。
「……あ」
真紀がすぐに眉をひそめた。
「それだけ?」
「違う、待って」額に手を当てた。「そんな突然言われたら、頭が再起動に時間がかかる」
彼女は私を見て、本気かどうか測ろうとしているようだった。
私が本当に混乱しているように見えたのか、彼女はごく軽くため息をついた。
「もういい」
向きを変えて歩き出した。
私は無意識に手を伸ばし、彼女の手首を掴んだ。
掴んだ瞬間、自分が先に固まった。
彼女も止まった。
雪風の金属の通路は冷たく、観測窓の外の遠い灯りも冷たかったが、彼女の手首のその一点の温度は、はっきりしていた。
私はすぐには手を放さなかった。
彼女もすぐには振り払わなかった。
そのまま一秒、止まった。
それから私はごく低く言った。
「ごまかしてるわけじゃない」
彼女は振り向かなかった。
だから続けた。
「嬉しすぎて、最初に何を言えばいいかわからなかっただけ」
その言葉を言い終えた後、耳の根がまた赤くなった。
今度は完全に手遅れな種類の赤さだった。
真紀は背を向けたまま、肩がごく軽く動いた。何かをこらえているようだった。二秒ほどして、ゆっくり振り返った。
「本当に面倒ね」
「わかってる」
「頭痛の種でもある」
「それも知ってる」
「でも今あなたが私を放さないでいるのは」彼女は私の手を一瞥した。「また間抜けなことをしようとしてるみたい」
そこでようやく我に返り、すぐに手を放した。
「ごめん」
彼女は私を見た。その瞳は、通路の薄暗い灯りの下で、静かすぎるほど静かだった。
それから、ごく軽く言った。
「次は、また掴んで」
私はその場で完全に固まった。
……待って。
「次はまた掴んで」って、どういうこと?
これ、安全な範囲を超えてない?
言い終えた後、彼女も自分が言ったことに気づいたのか、耳の先にまだ残っていた赤みが少し濃くなった。でも言い直さなかった。ただ横に一歩ずれて、ぶつかりそうだった距離を少し開けた。
「戻るわよ」彼女は言った。
私はまだ立っていた。
「……うん」
彼女は私を一瞥し、口元がごく淡く上がった。
「星野」
「うん?」
「今のあなた、昨日、艦長席に座ってたときより間抜けよ」
ようやく我に返り、笑いそうになった。
「こういうときでも一刺し入れないと気が済まないの?」
「じゃないと、あなたが図に乗るから」
私は彼女が前を歩いていく背中を見て、心臓はまだ乱れていたが、口元はもう勝手に上がっていた。
それから、ついていった。
彼女に呼ばれたからではない。八人部屋のみんながまだ見物を待ち構えているからでもない。
ただ、今回はわかっていた——
彼女は私を突き放したのではない。
一つ、場所を空けてくれた。
三日目の夜は、この瞬間から、本当に少し違うものになった。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




