80. 二人を狭める寝台、重なる体温 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
次に目が覚めたとき、最初に感じたのは光ではなかった。
視線だった。
たくさんの視線だった。
眉をひそめながら目を開け、まだ眠りの底から完全に浮かび上がっていないうちに、ベッドの縁に並んだいくつかの顔が見えた。
ジェスが一番前に立ち、口元の笑みが耳の後ろまで裂けそうだった。
Dが隣に立ち、「おお、これは記録に値する」という顔の悪い興奮を浮かべていた。
蘭は腕を組み、いつも通り冷たかったが、その冷たさの中に明らかに「やっぱりね」という意味が混じっていた。
アカリは一番姿勢よく立ち、現場観察報告でも書くような顔をしていた。
ロイは後ろに立って、そこまで露骨には笑っていなかったが、表情を抑えようとしているその様子が、かえって怪しかった。
私はまだベッドに横になっていた。
さらに悪いことに、横を向くと、真紀もまだ隣にいた。もう目は覚めていたが、この一斉に悪い笑みで取り囲まれた現場に、やはり眠りから引き剥がされたばかりのようだった。
八人部屋が二秒、静まり返った。
それから、ジェスが先に口を開いた。
「あら、起きた?」
その声はあまりにも優しかった。
殺し屋が被害者に「よく眠れましたか?」と訊くときの優しさだった。
身体を起こし、髪はまだ乱れていて、頭もまだ完全に戻っていなかった。とりあえず返した。
「……おはよう?」
「おはよう?」ジェスが片眉を上げた。「今、おはよう一言で全部流せると思ってる?」
Dがすかさず補足した。
「いや、今の星野は『先に白痴のふりをしたら、朝食にたどり着けるかどうか』を試してるんだと思う」
「その推論を支持する」蘭が冷たく言った。
振り向くと、真紀も起きていた。
彼女は私より、はるかに落ち着いていた。
「何でもないふりをしている」のではなく、本当の意味で落ち着いていた。起き上がり、少し乱れた髪を耳の後ろへ払い、ベッドの縁に並んでいる野次馬たちを一通り見渡した。その表情は、今が八人部屋の朝の審判現場ではなく、普通に起きて点呼の準備をしているかのように安定していた。
ジェスはその、死んでも顔色を変えない真紀の平静ぶりを見て、かえって火がついた。
「じゃあ、誰かが説明してくれる?」両手を広げ、裁判官のような姿勢で言った。「なんで私が朝の引き継ぎを終えて戻ってきたら、二人が同じベッドで寝てたの?」
「しかも星野のベッドで」Dが補足した。
「しかもカーテン引いてた」アカリが補足した。
「しかも二人とも、よく眠れてたみたいで」ロイが控えめに補足した。
「ロイ、あんたまでそういうこと言うの」毛布を抱えながら、恨めしく彼を見た。「この世界に人情はないの?」
「あるよ」ロイは正直に言った。「だから俺、今かなり控えめに言ってる」
……くそ、これも完全に反論できない。
ジェスが視線を切り替え、真紀に向けた。
「九島、あなたから話して」
真紀は毛布を横へ整えながら、腹立たしいほど平静に言った。
「何が?」
「何が、って?!」ジェスの声が半音上がった。「あなた、大の朝に星野のベッドから起き上がって、何があるの、って言える? もう話すことがあるどころじゃない、完全な報告書が提出できるでしょ!」
Dが笑い転げそうになった。
「完全な報告書、艦橋当直の前後因果分析つき」
蘭が冷たく刺した。
「タイムライン付きで」
私は力いっぱい顔を擦った。
「お願いだから、みんな、そういうことじゃないから」
ジェスはすぐに私を向いた。
「じゃあ、どういうこと?」
「えっと……」私は一瞬詰まった。
問題はここだった。本当のことを言えば、確かに何もなかった。
でも「何もなかった」というこの三文字は、悪い笑みを浮かべた一群の前では、たいてい「言い訳が追いついていない」に聞こえてしまう。
私がまだ言葉を探しているうちに、真紀が先に口を開いた。
「当直明けで倒れそうだったから」
場が二秒、静まり返った。
真紀は続けた。声の調子は変わらなかった。
「通路で寝落ちされても困るし、戻ってきてベッドに登る途中で落ちられても面倒だから、中に入れた」
ジェスが目を細めた。
「……それだけ?」
「それだけ」
「あなたが先に星野のベッドで待ってたわけ?」
「あの人、まだぼうっとしてたから」真紀は無表情で言った。「私が先に入っておかなかったら、たぶんその場で人生について十分くらい考え込んでた」
Dが横で、ごく小さく、ごく性格の悪い「おー」を漏らした。
私は即座に睨んだ。
「その『おー』、いらないから」
「いや」Dは胸に手を当て、やけに学術的な顔をした。「今の九島の発言のポイントは『一緒に寝た』じゃなくて、『発想停止の時間まで計算に入れてた』ってことだと思う。この観察、深いぞ」
「黙れ」私は言った。
「私も黙りたいんだけど」ジェスが言った。「今はちょっと難しい」
彼女は私を見つめ、目がだんだん輝いてきた。
「で、昨夜は本当に、毛布かぶってただ話してただけ?」
一瞬、言葉が詰まった。
だって、本当にそうだったから。
問題は、こういう台詞を当事者本人の口から言えば言うほど、逆に怪しく見えるということだった。
咳払いを一つして、できるだけ無実に見えるよう努めた。
「……そう」
ジェスはすぐさまDを向いた。
「記録して」
「記録済み」Dは真顔で頷いた。「重要証言、『毛布かぶってただ話してただけ』」
蘭がベッドフレームにもたれ、冷たい声を飛ばした。
「公式っぽく言えば言うほど、怪しいわね」
ロイは今度こそ堪えきれず、俯いて小さく笑った。
アカリだけが、一番冷静だった。
私を見て、真紀を見て、何かの結論を出すような顔をした。
「リスク管理の観点から言えば、夜間当直後に単独で意識を失うのを避けるのは、確かに合理的」
私は目を輝かせた。
「ほら、アカリはわかってくれる——」
「ただし、集団の見え方という点では」彼女は容赦なく後半を続けた。「非常に危険」
……うん、ありがとう。まったく助けになっていない。
ジェスの笑顔が、さらに悪くなった。
「聞いた? 集団の見え方、非常に危険だって」
私は枕を抱えながら、ここで自分を窒息させて生まれ変われないかと本気で考え始めた。
そこへ、最も致命的な一刀が飛んできた。
アイダだった。
ちょうど外から戻ってきたところで、端末と交代ボードを手に持っていた。部屋に入ると、まずベッドの周りの野次馬たちを一巡見回し、それから私と真紀のベッドの状況を一瞥した。眉一つ動かさず、ただ淡々と訊いた。
「で、開廷したの?」
ジェスがすかさず振り向いた。
「先輩、ちょうどいいところに」
「よくない」アイダはボードをテーブルに置き、軍用携行食を切り分けるような口調で言った。「これ以上十分もここでぐだぐだやってたら、朝食の時間が潰れる」
この一言は、どんな理性的説得よりも効いた。
八人部屋の全員が、雪風の朝食を逃すのは天罰に等しいと知っていたからだ。
ジェスは名残惜しそうな顔をした。
「でも、まだ訊きたいことがたくさんあるのに」
「朝食のときに続き」アイダが言った。
「もしあの二人が逃げたら?」
「食べながら尋問すればいい」Dがすかさず提案した。
「この提案、優秀ね」ジェスが真面目に頷いた。
ベッドから転がり落ちて、まずDを一人潰しておこうか本気で考えた。
みんなが散ろうとしたそのとき、真紀がふいに一言付け加えた。
「昨夜、入れたのは私」
全員の足が止まった。
彼女はベッドの縁に腰掛け、声の調子は変わらないまま、まっすぐな目だけを向けた。
「文句があるなら、私に言いなさい」
その一瞬、八人部屋が本当に静まり返った。
この一言の破壊力は、「一緒に寝ただけ」という弁解とは、まるで次元が違っていた。
横を向いて、真紀を見た。心臓が一拍、みっともなく変な跳ね方をした。
……いや、九島真紀。
あなた、こういう場面でこういうことを言うと、事態がどうなるかわかってる?
ジェスは口を開きかけたが、最初に出てきたのは追撃ではなく、間延びした一音だった。
「お〜」
その「お〜」は、とても長く、とても意地が悪く、そして殴りたくなるほど楽しそうだった。
Dはついに顔をそらした。もう人間らしい表情を保てていなかった。
結局この朝の審判は、アイダの「五分以内に部屋を出なかったら、今日の食器洗い当番に私が直接登録する」という一言で、かろうじて一時休廷となった。
終わったわけではない。
ただの休憩だ。
わかっていた。
この面子が、私を見逃すはずがない。
とりわけ、私と真紀が同じベッドから起きてきたという事実を、見逃すはずがなかった。
そして事実は、私の人間観察が、心底嫌になるほど正確だったことを証明した。
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