63. バイク 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
その夜、自分の部屋に閉じこもった後も、私はなかなかベッドに入る気になれなかった。
二十二番地の三階の夜は、実はそれほど静かではない。
廊下からはごく軽い足音が聞こえ、少し離れたところから時折ドアの閉まる音がし、浴室の配管からは夜の余韻のような水音が響く。一階ではたぶんまだ誰かが片付けをしていて、地下室ではハーヴィーが配線の一本を恨めしそうに睨みつけているかもしれない。
こういう時は、世界が昼間と同じように乱雑で、賑やかで、余計なことを考える暇などないのだと自分に言い聞かせるのに都合がいい。
だが、その夜の私には無理だった。
私は正式通知をもう一度取り出し、机の上に置いた。
その隣には、一緒に送られてきたあの制服がある。
正確に言えば、これを着てそのまま乗艦できる完全な正式乗員服ではなく、予備配給用の基礎パーツとサイズ確認用の資料だ。濃い色の布地は平らに折りたたまれ、金属の留め具がデスクライトの下で冷たい光を反射している。袖口や肩のラインには、ひどく清潔で、ひどく非情な、制式特有の空気が漂っていた。
私はベッドの端に座り、それをずっと見つめていた。
そして、一つのことに気づいた。
これは学校の制服ではない。
学校の制服は、どれほど嫌いでも、骨の髄まで「学生のもの」だ。
シワになってもいいし、ダサいと文句を言ってもいいし、試験の点数が悪かったときに八つ当たりの対象にしてもいいし、寮の椅子の背に無造作に放り投げてもいい。
だが、艦の制服は違う。
それは教室で見せるためのものではない。
先輩や、教師や、成績表や、あるいは自分自身の見栄のために着るものでもない。
それは命令のために着るものだ。
ポジションのために着るものだ。
自分が「そこに立つ資格がある」と見なされているかどうかを示すために着るものだ。
そして今日、亜紀先輩はすでにはっきりと言い渡した。
――これは配られたからといって、それで確定するわけではない。
――誰かに認められなければならない。
――一隻の船の艦長が頷いて初めて、お前はそれを着ることができる。
私は手を伸ばし、その布地に少しだけ触れた。
冷たかった。
文字通り長く放置されて冷たくなったわけではなく、艦橋の照明、甲板の風切り音、金属の手すり、見知らぬ人間の視線を一瞬で連想させるような、システム的な冷たさだった。
通知の紙には集合時間が書かれている。
停泊位置が書かれている。
艦番号が書かれている。
出頭のフローが書かれている。
どの行も極めてシンプルで、感情的な反応を差し挟む余地をわざと与えないかのようだった。
私はうつむき、もう一度それを読み返した。
そして初めて、はっきりと認めた。
これは学生の実習ではない。
少なくとも、それだけではない。
ただの学生の実習なら、わざわざ正式な乗員制服を送ってきたりはしない。艦長の承認が必要だなどと強調しない。下に入る新兵の多くが徴集兵だと事前に忠告したりもしない。ましてや、第144班のような編制を乗艦前から校外に住まわせ、小規模な運用単位として自立させたりはしない。
この一連のプロセスは、最初から「見学者」を育てるためのものではない。
どちらかといえば、ふるいにかけているのだ。
学生の顔をしながら、いざという時には学生がやるべきではない任務に引き出せる人間が、この中に何人いるかを。
そこに座ったまま、私はふと、ここ数日の二十二番地での音を思い出した。
キッチンで悪態をつくジェス。
早朝、一番に起き出すD。
私の隣に立ち、無表情で朝食を食べろと言う真紀。
地下室で発狂するハーヴィー。
あの大きなテーブルで、明日乗るかのような平然とした口調で艦橋について語るアッシュ。
そして今日、リビングに立ち、ひどく無造作なやり方で「徴集兵」という言葉を投げ落とした亜紀先輩。
私たちが一つの単位のようになったのは、二十二番地に住み始めてからではない。
もっとずっと前から、誰かがそういう目で私たちを見ていたのだ。
今日になってようやく、私がそれに気づいただけだ。
私はうつむき、その制服を少しだけ広げてみた。
濃い色。
まっすぐなライン。
無駄な線は一本もない。
誰が着ても、本来の自分より静かで、従順で、システムに投入可能な部品のように見えるべきだと言わんばかりに。
急に少し笑いたくなった。
おかしいからではない。
あまりにも荒唐無稽だからだ。
数日前まで、私はこの二十二番地で、バイク、冷蔵庫、浴室の順番、地下室の配線に頭を悩ませていた。
それが今、同じ部屋の中で、まだ着る資格すらない艦の制服を前にして、雪風号にはどれだけの「自ら望んで乗ったわけではない人間」が立っているのだろうかと考えている。
この落差は、私が気づかないうちに、誰かに人生を二章分ほど先へ早送りされたみたいだ。
窓の外の風は軽かった。
私は通知をもう一度丁寧に折りたたみ、封筒に戻した。動作は普段よりずっと慎重だった。
大切にしているからではない。
急に、それをシワにしたくなくなったからだ。
……嫌だな。
こういう時、自分でも自分が滑稽に思える。
私はその布地を箱に戻し、蓋を閉め、しばらくその上に手を置いたままにして、ゆっくりと息を吐き出した。
雪風号。
もともとは遠い場所のように聞こえていた。
それが今では、日付のように感じられる。
座標のように。
誰かが埋めてくれるのを待っている服のように。
そして私が一番腹立たしいのは、私がすでに信じ始めていることだ。
――その日は、本当に来る。
「もし」ではない。
「いつ」来るかの問題だ。
ベッドに戻ったとき、私はすぐには電気を消さなかった。
部屋の中は静かで、自分の呼吸の音が聞こえるほどだった。隣の真紀の部屋か、あるいはフリースペースのあたりから、ごく軽い物音がした。誰かが歩き、また立ち止まったような音。
天井を見上げながら、私はふと思った。二十二番地というこの家は、とても優しい幻影みたいだと。
テーブルがあり、浴室があり、自分の部屋があり、笑い、喧嘩できる日常がある。
だがそれはすべて、本当に硬い現実がまだ正式に乗り込んできていないからに過ぎない。
今日のあの通知は、その最初の扉だ。
そして私は、すでにそれを開けてしまった。
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