06. 転属命令 5
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
連邦軍艦の正式な艦橋に入るのは、これが初めてだった。
なんというか。
帝国軍のあの「壁一枚一枚を貴族の墓所みたいに仕上げてやる」という内装哲学に比べれば、連邦はずいぶん控えめだ。
余分な金属細工なし。派手な照明列なし。「ディスプレイ一台で他家の家宝より値が張る」みたいな成金感もなし。
全体の雰囲気は、非常に連邦らしい。
実用的。冷たい。清潔。そして「ネジ一本の予算にも会議が二回ある」という気配がどこかに漂っている。
私は入り口に立ち、肩にはまだ医療修復膜を貼ったまま、気分は「昼寝に戻りたい」と「早く終わらせて立ち去りたい」の中間あたりを漂っていた。
勤務兵が報告する。
「報告、一等兵星野霜、艦橋入ります。」
前方の指揮席がゆっくりと回転した。
やはり。
昨日のあの白髪の老人が艦長だった。
……まあ、昨日の段階で予想はしていた。あんな眼で戦術記録を眺められる人間は、艦長か、あるいは艦全体を将棋盤として扱う類の恐ろしい老人かのどちらかだ。今となっては、その両方だったことが分かった。
「来たか。」
彼は私を一瞥した。
私は直立した。少なくとも、表面上は。
「はい。」
老艦長は一枚の資料を机に置いた。
「お前のことは、昨日すでに上に報告した。」
私は黙って立ち、続きを待つ。
「上は喜んでいる。」
私は表情を変えない。
だが頭の中では、すでに慣れた手つきで結論を出していた。
ちくしょう。そりゃそうだろ。
空から突然、船をぶつけ、艦橋を奪い、自分でえげつない戦術を考え出す優秀な駒が降ってきたんだ。誰だって喜ぶ。
制度が一番好きなのは天才じゃない。安くて使い勝手のいい天才だ。
そして今の私は、どうやら「将来性のある素材」に見えているらしい。
艦長は私の頭の中で連邦制度に向けて展開されている非友好的な感想を一切気にせず、一枚の紙を押し出してきた。
「新兵営に戻ったら、ここへ報告しろ。」
私は受け取って、目を落とした。
そこに書かれていたのは:
片道乗車券 プリス星 → ドゥナン星
裏返す。
日付。時刻。場所。
統合作戦司令部
私はその文字を二秒見つめた。
統合作戦司令部。
なるほど。
追加訓練じゃない。補充部隊じゃない。通常の再編成でもない。
もっと上へ、直接送られる。
頭の中で、その光景が浮かぶ。きれいに制服を着込み、私よりよく眠り、私より高いコーヒーを飲んでいる人間たちが部屋に座り、私の戦闘記録を眺めながら同じ結論を出している——
この小僧、もっと危険なことに使える。
なんとも、大事にされている気分だ。
私は票を表に返した。
「以上ですか?」
艦長は私を見た。
「以上だ。」
少し間を置いて、もう一言付け足す。
「別れを告げたい相手がいるなら、早めにしておけ。」
私は顔を上げた。
彼は笑っていない。声も平坦だ。
でも、その一言の意味はもう十分に明確だった。
これは昇進通知じゃない。
人生の転換点通知だ。しかも、ブレーキが必要かどうかを聞かれる前に、すでに曲がり終わっているタイプの。
私はその票をしまった。
「了解です。」
「それと。」
艦長は椅子の背もたれに身を預け、視線を私の肩の修復膜に落とした。
「あまり早まって死ぬな。」
私は彼を見た。
半秒置いてから、一言返した。
「なるべくそうします。」
彼は短く鼻を鳴らし、手を振った。
「行け。」
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




