61. 星野の運転免許 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
その夜、部屋に戻ると、三階の廊下はようやく静かになっていた。
静けさは、長くは続かなかった。
しばらくして、隣の部屋のドアが開いてまた閉まる音がした。さらに少し経つと、もう少し遠くから足音が聞こえ、誰かが声を低めながらも笑いをまったく抑えられていない会話が漏れてきた。
私はベッドに横になり、天井を見上げながら、初めてはっきりと実感した。
――私たちは本当に、一緒に住み始めたのだ。
グループじゃない。
会議でもない。
紙の上の部屋割りでもない。
壁一枚を隔てて、浴室を共有して、冷蔵庫に自分の牛乳も他人のプリンも入っていて、地下室が明日にでも戦術ホログラムテーブルを生やしそうな、そういう意味での、本当の同居だ。
うるさい。
ごちゃごちゃしている。
健全とは言えない。
でも、なぜだろう。本当に目を閉じたとき、心の中にそれほど強い拒絶感はなかった。
……最悪だ。
---
二日目の朝、私を起こしたのは階下の音だった。
目覚ましじゃない。
真紀のドアノックでもない。
「三人以上がすでに同じ建物の中で動き始めている」という種類の複合的な生活音だった――水音、足音、食器がぶつかる音、遠くから聞こえてくる「それ、お前のコップじゃないだろ」という声、それにキッチンから漂ってくる何かを焼いているらしい匂い。
目を開けて、端末の時刻を確認した。
〇五四七。
その場で端末を投げ飛ばしたくなった。
クソが。これは早起きじゃない。
軍事侵攻だ。
二秒ほど横になったまま、今日という日を存在しないことにできないか考えていたら、ドアの外からごく軽いノックが聞こえた。
「シモ」
彼女だ。
当然、彼女だ。
「……何?」
「このまま起きないと、後でお湯がなくなるよ」
私は身を起こした。髪の毛は、局所的な空爆でも受けたかのような惨状だった。
「今、何時だ?」
ドアの外が一秒、静まった。
「もうすぐ六時」
「なんで六時に、もう誰かが風呂に入ってるんだ?」
真紀はドアの外から、天気予報を読み上げるような口調で答えた。
「Dが五時二十分に起きたから」
私は固まった。
「何のために起きたんだ?」
「家の中を一回りして、朝のトレーニング」
……上出来だ。
私たちの中にはもう、校外合宿の初日を警戒任務基地の一日として過ごしている人間がいる。
私は体を引きずってドアを開けた。真紀はすでに着替えを済ませており、手に資料を二枚持っていた。
「まだ洗ってないの?」
「まだ」彼女は私をちらりと見た。「シモが起きるのを待ってた」
「なんで私を待つんだ?」
「また寝直すといけないから」
この女、最近こういうことを言うのに、どんどん遠慮がなくなっている。
だが、さらに困ったことに、彼女は正しい。
あのまま誰にも起こされなければ、私はたぶん本当に寝直していた。昨日の三つの小戦争を戦い終えて、私の魂はまだ半分、地下室の入り口に置いてきたままだった。
洗面を済ませて階下に降りると、共用エリアはすでに稼働状態に入っていた。
Dは案の定、一番早く起きていた。
長テーブルの端に座り、端末と、人格を溶かせそうなほど黒いコーヒーを一杯の前に置いて、全身が清潔で、覚醒していて、まっすぐで、朝の六時から服役を開始している規律の具現体みたいだった。
二番目に起きたのは、おそらくロイだろう。
理由は単純で、テーブルの端にはすでに更新版の生活用品リストが追加されていて、誰かが昨夜みんなが寝ている間にこっそり行政会議を開いたかのように、条項が整然と並んでいたからだ。
アッシュは三番目に降りてきた。あくびをしながら朝刊をめくっていて、姿勢は緩いのに、それでも「今しがた目覚めたばかりでも艦橋に立っているような」という、腹立たしいほど落ち着いた佇まいを崩さなかった。
浴室を占拠していたのが誰かといえば――
答えは、ジェスではなかった。
エヴリンだった。
しかも、きわめてエヴリンらしい理由によって。
私が席に着くと同時に、三階のほうからジェスの悲鳴が聞こえてきた。
「エヴリン! もう二十五分も入ってるじゃない!」
上の階から、平然とした一声が返ってきた。
「水圧の安定性を測定している」
全館が二秒間、沈黙した。
それからハーヴィーが吹き出した。
「本気で言ってるのか?」
私は片手で額を押さえながら、もう片方の手で真紀が差し出してきた温かい飲み物を受け取った。
「本気じゃなかったら、むしろ怖い」
真紀はカップを私の手元に置き、ごく自然に言った。
「先に飲んで」
「……最近、お前って私の保護者みたいになってきてないか?」
「シモが自分から朝食を覚えてくれるなら、引退を検討してもいい」
「無理ね」ジェスの声が階段のほうから聞こえてきた。本人はまだ来ていないのに、不満のオーラだけが先に到着していた。「あいつ、昨日、靴下をどこに入れたかも危うく忘れるところだったし」
「なんで人の靴下を見てるんだ?」
「見てたんじゃない。公共の動線の上に落ちてたのよ」
そう言いながら彼女はどかっと腰を下ろした。髪の毛はまだ半乾きで、明らかにエヴリンの水圧試験の合間に生存空間をもぎ取ってきたばかりの顔をしていた。
「誰が朝食を先に食べたか」という件も、すぐに明らかになった。
蘭がキッチンから出てきて、フライ返しを手に持ち、眉をきっちりと寄せていたからだ。
「誰がベーコンを二枚、先に食べた?」
テーブルが一秒、静まり返った。
アカリは隅に座り、のんびりとトーストを齧りながら、視線をまったく動かさなかった。
Dはコーヒーを飲んでいる。
ロイはリストを見ている。
アッシュは新聞をめくっている。
私は起きたばかりで、犯行能力を構成しない。
真紀はフルーツを切っている。
ジェスはエヴリンが残した浴室の戦後処理に追われていた。
全員の視線は、ごく自然に、地下室の方向から現れたハーヴィーへと向かった。
ハーヴィーの手には、どこから持ってきたのか分からないパンが半分残っていた。
「……なんで全員、俺を見るんだ?」
「口の端にベーコンの油がついてる」とアカリ。
「ああ」彼は実に正直に拭った。「たぶん俺だな」
「たぶん?」蘭の顔に表情はない。
「分かった、俺だ」
「なんで?」
「四時半に下に降りたとき、腹が減ってた」
私は彼を凝視した。
「四時半に何しに降りたんだ?」
「地下室が夜の間に湿気を持ってないか確認しに」
「頭おかしいだろ」
「技術屋のたしなみだ」
「違う」ロイがついに顔を上げた。「それを病気と言う」
朝食は「同居二日目にして早くも冷蔵庫の盗み食い犯が出現した」という、なんとも言えない荒唐無稽な空気の中で始まった。
私は長テーブルの端に座り、この連中がすさまじい速度でそれぞれの位置と習慣を形成していくのを眺めながら、ふと奇妙な感覚を覚えた。
Dは一番早く起きる。
ロイはリストを作る。
蘭はキッチンの秩序を守る。
エヴリンは浴室を占拠するが、必ず合理的な技術的理由を添えてくる。
ハーヴィーは深夜に盗み食いをして、百通りの荒唐無稽な言い訳を用意している。
ジェスは騒音を生産する。
アカリは怠惰な魚のようにごろごろしながら、すべてを見透かす。
アッシュは一番まともに見えるが、それはたぶん今だけだ。
アイダはまだ入居後の生活上の癖を完全には見せていない。私は彼女に対して高度な警戒を維持している。
真紀は――
私は真紀をちらりと見た。
彼女は切り終えたフルーツを私のほうへ押しやりながら、二枚のプリントをさらりと私の前に置いた。
「食べ終わったらこれを見て」
……そうだ。
真紀が引っ越してきてから唯一強化されたことがあるとすれば、それは彼女の私に対する管理欲だ。
しかも、非常に巧みにラッピングされた、どこにも文句のつけようがない種類の管理欲だ。
私はトーストをひと口かじりながら、ふとこう思った。雪風号の前線よりも、鉑橋街二十二番地の日常のほうが、先に人間を追い詰めるかもしれない、と。
---
引っ越した後の主な課題は、生活の慣らし運転、期末試験の準備、そして地下室がいつハーヴィーによって違法性不明の戦術空間に改造されるか、の三つになるものだと私は思っていた。
だが実際に第144班が最初に全員一致で推進したプロジェクトは――
星野霜に、バイクの免許を取らせることだった。
事の発端は、ある朝の食後、私がまだ最後の一口の卵を咀嚼している最中に、真紀が透明なクリアファイルを私の前に置いたことだった。
「これは何だ?」
「シモのバイク免許取得フローだ」
私は危うく卵で喉を詰まらせかけた。
「何が『シモの取得フロー』だ?」
「そのままの意味だよ」真紀は私の向かいに座り、表情はきわめて平静だった。「学科は私がまとめておいた。シミュレーション練習は午後から。明日、試験を受けに行く」
私はそのクリアファイルを見た。中には試験会場の地図、システムインターフェースの略図、そして手書きの重要ポイントのまとめまで挟まれていた。
その瞬間、ひどく荒唐無稽な感覚に襲われた。
これは免許取得じゃない。
どちらかといえば、小規模な軍事作戦だ。
ジェスが横から顔を覗かせ、一目見て笑った。
「わあ、真紀、これ指導じゃなくて護送でしょ」
「自分でやらせたら引き延ばすから」真紀は言った。
「私のことを信用してないみたいな言い方だな」
テーブル全員が同時に顔を上げた。
その沈黙が、すべてを語っていた。
私は歯を食いしばった。
「……お前らのその阿吽の呼吸、本当に腹立つ」
「でも効果的だ」とアイダ。
彼女は長テーブルの反対側に座りながら、厚かましくもこう付け加えた。
「それに、どうせ校外で行動するなら、免許があったほうが実際に便利だ」
「お前は第144班の味方なのか、連邦の基礎交通機動力の人口調査でもしてるのか」
「どちらも成り立つ」
私はその言い回しが嫌いだ。
だが最近、それが出てくる頻度がどんどん上がっている。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




