41. 信号弾 3
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
外の火風暴が、すぐに私たちを灰にしなかった。その事実だけで、連邦の教育制度に対して、少しだけ歪んだ敬意が湧いてくる。
最初の十分が一番きつかった。
熱だけじゃない——まあ、熱も十分に命取りだが。断熱布の外では、太陽を一枚板にして往復させているみたいな熱が続いていて、土壁が一層ずつ熱を内側に滲み込ませてくる。空気は、誰かに一度嚙まれて吐き戻されたみたいに淀んでいる。本当にきついのは、音だ。絶え間なく続く嘯きと衝撃。まるで雨林全体が見えない巨獣に押さえつけられて、ゆっくり削られているみたいだ。幹が爆ぜ、蔓が打ちつけ、ときどき短い金属の軋みが混じる。たいていは、どこかの運の悪い班の装備フレームか、もっと運の悪い空降倉の残骸だ。
私は洞壁に寄りかかって、HUDの外部温度が一行ずつ上がっていくのを睨んでいた。喉は砂を詰めたみたいに乾いている。
【外部温度:138.4°C】
【風圧、上昇継続】
【掩蔽構造完全性:61%】
六十一パーセント。なかなかいい数字だ。教官が私たちの人生を採点するときにつけそうな点数に似ている——即死刑にはならないが、いい結末とはほど遠い。
「フロスト04、時間」口を開く。熱で声が少しかすれている。
九島は私の左前でちぢこまっていた。手首の計時器が一瞬光る。
「主熱波接触から十三分。換気スリットは現時点で安定していますが、湿度の上昇が速すぎます。あと十五分で最初の調整が必要です」
「飲水は?」ハーヴィーが訊く。
「現在の体感温度と脱水速度から、一人一回十五ミリリットルが上限です」九島は報告書を読むみたいに答える。「それ以上飲むと、後半に水が尽きます」
ジェスが暗がりの中で冷たく笑った。
「十五ミリリットル?ずいぶん太っ腹ね。瓶の口を嗅ぐだけで乾きを癒せって言われると思ってた」
「もし嗅ぐだけで解決できるなら、特殊用途装備として登録できます」九島の声は平らなまま。刃はちゃんと骨の隙間に入っている。
笑いそうになったが、喉が先に痛んで、その笑いを飲み込むしかなかった。
これはいい兆候だ。まだ互いに刺し合う余力があるなら、まだ底まで腐っていない。
外の風圧がまた一発ぶつかってきて、隠れ場所全体が一瞬沈んだ。頭上からさらさらと細かい灰が落ちてきて、ハーヴィーが手を伸ばして支持点を半寸押し上げて固定する。
「右上角が緩んだ」と言う。
「補強するか?」と訊く。
「今は大物を動かすな」ハーヴィーの声は冷たいが、いつもより短い。「フロスト02、足元の土袋を押してくれ。ゆっくり」
ジェスは言い返さなかった。本当にゆっくり、土袋を押し込んだ。普段は人を苛立たせることで生きているみたいな口の悪さなのに、今は余計な動作を一つも足さない。ハーヴィーが受け取り、右上角の熱が滲む隙間を塞ぐ。九島がすぐに湿泥と断熱シートを重ねた。
誰も掛け声を出さない。「お疲れ様」も言わない。誰かが手を伸ばして、誰かが受け取り、誰かが補う。それだけだ。鬱陶しいが、よく機能する。
私はHUDから視線を外し、低く命じた。
「交代に入る。フロスト03が構造を監視、フロスト04が時間と換気を管理、フロスト02が外の音を聞く。四十分ごとに交代。もし限界が来ても、根性を見せようとするな。すぐに言え。ここで競うのは気合いじゃない。誰が一番遅く熟れるかだ」
「その比喩、ひどい」ジェスが言う。
「的確だけど」と返す。
「参った。フロスト01の文学的センスは、今日も安定してひどい」
「無駄口をやめて、外を聞け」
ジェスは断熱布のほうに頭を傾けて、静かになった。さっきまで林の中で焚風に押し潰されていた死んだ静けさとは違う。猟犬が耳を伏せて、冗談を引っ込めたあとの静けさだ。普段は刃の背で人を叩くみたいにうるさい彼女が、本当に動き始めると、驚くほど薄く、小さくなれる。
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どれくらい経ったか、外の嘯きがてっぺんから下がり始めた。消えたわけじゃない。鼓膜を削るような鋭さから、粗い低い唸りに変わっていく。温度はまだ高いが、さっきみたいに際限なく跳ね上がるのは止まっていた。
【外部温度:611.2°C】
【外部温度:584.9°C】
【熱波主峰通過。余炎期、継続中】
その一行を見て、連邦の機械は本当に言葉の選び方がうまいと思った。
「余炎期」。なんかロマンチックな夕焼けみたいな響きだ。平たく言えば、おめでとう、今すぐ蒸発はしなかった。これから四時間、余熱でじっくり焼かれ続けてください、ということだ。
最初の交代のとき、ハーヴィーに二十分の休息を命じた。こいつは自分から疲れたとは言わないタイプだ。おそらく、壊れてから初めて「疲れていた」と分かる。だから、こちらから先に命令する。
「フロスト03、目を閉じろ」
ハーヴィーが眉をひそめた。「まだ——」
「分かってる、まだできる。死体もたいてい、もうしばらく横になれる」声を落とす。「命令だ。二十分、目を閉じろ。支持点は私が見る。フロスト04が構造監視を引き継ぐ」
ハーヴィーは二秒ほど私を見て、最後に短く吐き出した。
「……了解」
それでいい。従えるなら十分だ。今の時代、忠誠心より価値があるのは、いつ無理をやめるべきかを知っていることだ。
九島が彼の位置に移ってきた。前に詰めるとき、手の甲が私の膝に一度だけ触れた。
軽い。一瞬だけ。私がまだ実体であって幻覚じゃないことを確かめるみたいな触れ方だ。
「隊長も交代休息が必要です」彼女は低く言う。
「後で」
「提案じゃありません。必要なことです」小さな塩水パックを私の手に押し込んで、声はいつも通り平らなのに、いつもより一段低い。「今、声が割れ始めてます」
罵りたかった。彼女が正しいから。
もっと腹が立つのは、彼女が正しいときの顔が、いつも整った定規で自分を修正されている気分にさせることだ。
難喝の塩水を受け取って、一口含む。舌が海水と金属に同時に殴られたみたいになった。
「まずい」と言う。
「使えます」と九島が言う。
「その評価、連邦の軍用食品のパッケージにそのまま刷れる」
暗がりの中で、ジェスが短く笑った。「いいね、私が買う」
その笑いは長続きしなかった。数秒後、彼女が急に声を落とす。
「左外側。何かいる」
洞の中が一瞬で締まった。
すぐに前に体を傾ける。「どっちの方向?」
「大きくない。たくさん。這ってる、歩いてない」ジェスがもう一度耳を澄ませて、声が微かに沈む。「半熟の虫が殻を引きずってるみたいな音」
九島がすぐに照明を一段落とし、ハーヴィーも目を開けて、手はもう工具の柄に触れていた。
私は断熱布の縁のほぼ見えない換気スリットを睨んだ。心臓が一拍ずつ重くなっていく。この場所で一番気持ち悪いのは、何かが人を食うと分かっていることじゃない。そいつらが、たいてい辛抱強いことだ。
外から細かいこすれる音が伝わってきた。
衝突でも、飛びかかりでもない。何かが高熱に追われて逃げながら、私たちの隠れ場所の上と横を、群れをなしてかすめていく音だ。遠くなったり近くなったりしながら、一分近く続いた。
それから、消えた。
ジェスが息を吐いて、わざと軽い口調で付け足す。「朗報、こっち狙いじゃない。悲報、この場所は避難民の行列まで人間じゃない」
「記録しろ」と言う。「焚風中、生物の移動がある。隠れ場所の外縁に食べ物、甘い匂い、血の匂いを残すな。フロスト04、後続ルールに追加」
「記録済み」九島が返す。
うなずいて、壁に背をもたせかけた。
いつの間にか、一言ずつ分解して指示しなくても、三人が後半を拾ってくれるようになっていた。奇妙な感覚だ。手元にある三本のバラバラなメーカーの壊れかけた刃が、実際に振り下ろしてみたら、ちょうど一セットに組み合わさった、みたいな。
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