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臨界の星穹  作者: Mr.佐藤焫焵
士官学校編
101/117

27. ついうっかり、見てしまいました 2

この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。

本当に安全な場所はこんなに静かじゃない。本当に安全な場所には、咳をする人間がいて、お湯が足りないと文句を言う人間がいて、廊下をだらだら歩く足音がある。管理が行き届きすぎた場所だけが、夜の色まで拭き取られたみたいに、吐き気がするほど清潔になる。


後校舎の外壁に背を当て、今日買ったばかりの旧式レコーダーをいじった。ハーヴィーがこういう古い機械はいいと言っていた。構造が鈍く、頭が空で、撮ったものを校内システムに勝手に送信しない。急に素直なバージョンにアップデートされることもない。つまりこの機械の唯一の美徳は、黙っていることだ。


黙っているものが好きだ。


レコーダーの外殻は少し摩耗していて、角の塗装が剥げていて、起動時に息絶えそうな低い音を一声出した。人のいない場所で試し撮りをしながら、収納モジュールの接点が緩んでいないか確認するつもりだった。宿舎は明るすぎ、廊下は騒がしすぎ、洗濯室は蒸気と不満だらけで、うろうろしているうちに上院の後校舎あたりまで来ていた。


もう少し先に、植物温室があった。


昼間に誰かが話しているのを聞いた。旧地球時代の温帯気候を模した施設で、上院が好む植物を育てているらしい。花、研究サンプル、それから見るからに高価で実際にも高価そうなコケ類。少なくとも下院が靴下を干すための場所じゃない。


振り返ろうとした時、温室の方から光が漏れた。


通常の照明じゃない。通常の照明はもっと白く、硬い。教官の口調みたいに。漏れてきたのは冷たい青で、砕けた月光を粉にして薄くガラスの中に撒いたみたいだった。ドーム型のガラス越しに、光は夜に押さえつけられて低く、温室内部のぼんやりした輪郭を照らすだけだった。水に沈んだ標本館みたいに。


それから声が聞こえた。


大きくない。かなり低く抑えられていた。ここにいるべきじゃないことを互いにわかっている二人が、何とかして互いの存在を正当化しようとしているみたいな声だった。


特に興味はなかった。軍校で一番不足しないのは他人の秘密と、秘密が最終的に育てる死体だ。でも一歩前に出て、片方の人影が見えた瞬間、足が勝手に止まった。


リンデだった。


総務長、リンデ・ホフマン。いつも申請窓口の後ろに立ち、眼鏡は冷たく、口調は冷たく、書類を突き返す手つきまで冷たい。この人間が書類の整理と申請の却下以外のことをするところを想像するのは難しかった。


今日は眼鏡をかけていなかった。


正確には、眼鏡を手に持っていた。細い金属フレームが指の間に垂れ、あの冷青色の光を反射していた。光が顔に落ちて、いつも公文書みたいに温度のないあの顔に、あってはならない柔らかさを切り出していた。


彼の前に立っている人間を見て、見間違いかと思った。


二階堂・フレイヤ。


風紀委員長。


リンデが歩く申請書なら、二階堂は息をする独房だ。普段は襟のボタンまで首に溶接されているみたいに留め、軍帽を低く被り、視線は刃みたいに薄く、掃られると反射的に自分がまた何か校則に触れたか確認したくなる。


でも今、彼女は軍帽を手に持っていた。


帽のつばと規則に一緒に押さえつけられていた白金色の長い髪が、肩から落ちて、軍服の上着の上に静かに垂れていた。月光が温室のドームを抜けて横顔に落ち、彼女を蒼白いほぼ透明なものに見せていた。氷みたいに。病みたいに。ガラスケースに収められて、ラベルに「危険、触れるな」と書かれているみたいに。


最初の反応は驚きじゃなく、笑いたいという気持ちだった。


風紀委員長も人間だったらしい。この発見は、彼女が帽子を脱いでいたことより珍しかった。


リンデが一歩前に出た。動作は非常にゆっくりで、何かを驚かせないようにしているみたいだった。手を伸ばして彼女の腕に触れた。二階堂は避けなかった。肩さえ強張らなかった。この距離が彼女にとって初めてじゃないみたいに。


陰の中にさらに体を押しつけ、レコーダーを持ち上げて一枚撮った。


通知音なし。結構。古い機械はたまに古い機械の節度を持っている。


温室の循環装置が低く動いていた。遠くの潮が地面を這うみたいな音だった。植物の影がガラスの上で揺れ、気が散った。焦点を調整して再び中を見ると、二階堂がもう一歩前に出て、額をリンデの胸にそっと当てていた。


その瞬間、学院全体のために拍手したくなった。


昼間に夜間外出を取り締まる人間が、夜に温室でこれだけ規則を破っているとは。このレベルの対比は、総務部と風紀委員会が長年私に施してきた教育への礼儀として、記録しないわけにはいかない。


もう一枚撮った。


今度は角度がより鮮明だった。リンデの手が彼女の腰の脇に添えられ、二階堂の軍帽が体の脇に垂れ、帽のつばが彼の袖口をほぼかすっていた。二人の距離は「公務の打ち合わせ」では説明できなかった。連邦が書類の審査を口移しで行うようになったのでなければ。


「……最近、目立ちすぎだ。」リンデの声は非常に低く、ガラスと機械の唸りを隔てて、半分しか聞こえなかった。


二階堂はすぐに返事をしなかった。


二秒後、ようやく彼女の声が聞こえた。冷たいが、普段ほど硬くなかった。


「あなたのやり方が下手すぎる。」


一瞬、固まった。


やり方? 何のやり方だ? 名簿? 卒業式? それとも別の何か? 全部は聞こえなかったが、この一言で十分だった。深夜の温室の逢瀬が、単純な密会から、誰かを穴に落とすかもしれない証拠に格上げされるには十分だった。


リンデが低く何かを言った。聞き取れたのは「卒業」という二文字だけだ。二階堂が顔を上げて彼を見た。表情はなかった。でも突き放しもしなかった。二人の間の静けさは、始まったばかりの探り合いじゃなく、すでに深く入りすぎて、どちらが先に一歩引いても足元が消える、そういう静けさだった。


それから彼女が彼に口づけした。


非常に短く、錯覚みたいに短かった。でもリンデの全身が明らかに固まった。彼女に添えていた手さえ、一瞬締まった。あの普段死人みたいな顔が今どれだけ可笑しく割れているか、ほぼ想像できた。


もう一枚撮った。


これが一番価値がある。二階堂が横顔を向け、白金色の長い髪が肩の後ろに落ち、リンデの手が彼女の腰に当たり、二人の影が冷青色の微光の中に重なっていた。傍観者の私でさえわかった——あれはいかなる校則でも白くできない距離だ。


次の瞬間、足元の砂利が一粒転がった。


大きな音じゃない。でもあの静けさの中では、十分に致命的だった。


二階堂が素早く振り返った。


「誰かいる?」


声が一瞬で戻ってきた。冷たく、真っ直ぐで、刃を持っていた。さっきの数分間は私が頭でも打って見た幻覚だったみたいに。


壁に張りつき、息まで止めた。レコーダーを逆手に持って袖の中に押し込んだ。角が手首に食い込んで痛かった。リンデが反対側に二歩踏み出した。温室の入口を回り込もうとしているらしい。その隙に後退し、校舎の陰に沿って滑り出た。靴底はほぼ音を立てなかった。


角まで退いてから、ようやく止まった。


心臓が朝のランニング八周目に負重を追加された後みたいに速く打っていた。手のひらは汗だらけで、レコーダーだけはしっかり握っていた。火の中から挟み出したばかりで、それでも捨てられない鉄みたいに。


止汗シートをもう一袋買っておくべきだった。


リンデが反対側から顔を出す隙に、壁際を一歩ずつ後退した。靴底をできるだけ地面に平らに当て、呼吸を最小限に抑えた。レコーダーの角が手のひらに食い込み、冷水から引き上げたばかりの金属みたいに冷たかった。


「外に誰かいる?」リンデの声が低く落ちてきた。


「わからない。」二階堂の方が早かった。「風かもしれない。」


この一言は非常に教育的だ。風紀委員長が自ら風の身代わりになるとは、連邦気象局から勲章を授与されてもいいレベルだ。


角まで退いてから初めて本当に息を吐き、それでも止まらず後校舎の外壁沿いに歩き続けた。両側の夜間灯が地面に淡い白い四角を切り出していた。制度が人のために事前に用意した棺桶の区画みたいに。一区画跨ぐたびに、非常に高価で非常に存在してはいけない事故現場から命を一つ拾い上げてきた気がした。


寮区の方まで戻ると、遠くから洗濯室で衣類の割り当てを巡って言い合っている声と、上の階で誰かが空き缶を蹴り飛ばした金属音が聞こえてきた。ようやく普通の世界に戻ってきたと感じた。みんながどこかで死にたがっているが、それでも先に靴下を洗う順番を待っている、あの世界に。


部屋に戻る前に、洗面所の一番奥の個室に入った。

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