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離婚できないなんて…  作者: マーたん


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公開処刑

登場人物(第八章時点)



黒瀬くろせ 恒一こういち


年齢:30歳

立場:元・霧崎学園教師/青嶺学園教師


黒瀬 恒一


本作の主人公。


かつて

私立霧崎学園 で国語教師をしていた。


しかし、


* 生徒との問題

* 教育委員会調査

* 校内スキャンダル

* 榊原の陰謀


に巻き込まれ、


教師人生が崩壊。


その後、


全てを捨てて学園を去る。


現在は、


地方の

青嶺学園 で教師として再出発している。


昔より無口になった。


だが授業だけは変わらず本気。


生徒からの信頼は高い。


また現在は、


杉田 百子 と共に暮らしている。


ただし、


心の奥には今も

橘 ひより が残っている。


一言でいうと

全てを失っても教師を辞めなかった男



■ 橘 ひより(たちばな ひより)


年齢:21歳

立場:元・霧崎学園生徒


橘 ひより


黒瀬の元妻。


秘密の結婚生活を送っていた。


しかし、


学校崩壊事件によって別れを選ぶ。


最後まで黒瀬を愛していた。


だが、



「もう終わりにしよう」



と涙ながらに告げた。


現在は別の男性と交際中。


穏やかな生活を送っている。


しかし、


教師の姿を見るたび、


黒瀬との記憶が蘇る。


完全には忘れられていない。


一言でいうと

前へ進もうとしている元妻



杉田すぎた 百子ももこ


年齢:29歳

立場:青嶺学園教師


杉田 百子


第八章後半から登場。


青嶺学園 の教師。


黒瀬を新しい学校へ引き抜いた人物の一人。


穏やかで優しい性格。


だがかなり芯が強い。


黒瀬の過去を全て知ったうえで、


彼の隣に立つことを選んだ。


現在は黒瀬と共に暮らしている。


ただし、


黒瀬の心に、


まだひよりが残っていることにも気づいている。


それでも無理に奪おうとはしない。


一言でいうと

傷だらけの黒瀬を支える女性教師



たちばな 剛玄ごうげん


年齢:55歳

立場:元・霧崎学園校長


橘 剛玄


通称:



「霧崎の鬼校長」



ひよりの叔父。


かつては

私立霧崎学園 を守ろうとしていた。


しかし、


榊原の陰謀、


教育委員会問題、


学園崩壊騒動により失脚。


現在は教育現場から距離を置いている。


黒瀬を完全には許していない。


だが、


“全部が黒瀬だけの罪ではなかった”


ことも理解している。


現在もひよりを大切に見守っている。


一言でいうと

全てを失った鬼校長



榊原さかきばら 漣司れんじ


年齢:48歳

立場:元・霧崎学園教頭


榊原 漣司


事件の黒幕。


* 美月

* みく

* 校内の噂

* 証拠写真


を利用し、


黒瀬を破滅へ追い込んだ。


しかし事件発覚後、


自身の不正も表面化。


現在は教育界から姿を消している。


行方不明に近い状態。


ただし、


完全には終わっていないとも噂されている。


一言でいうと

全員の人生を壊した男



七瀬ななせ 美月みづき


年齢:21歳

立場:元・霧崎学園生徒


七瀬 美月


かつてはひよりの親友。


しかし、


榊原の愛人関係となり、


黒瀬破滅計画へ関与。


現在は表舞台から姿を消している。


子供を産んだという噂もあるが真相不明。


精神的にかなり壊れてしまった人物。


一言でいうと

愛と依存に壊された少女



■ 水城 みく(みずき みく)


年齢:21歳

立場:元・霧崎学園生徒


水城 みく


叔父から脅迫され、


黒瀬へ接近していた少女。


しかし途中から本気で恋をしてしまう。


事件後は学校を去った。


現在は地元を離れ、


静かに暮らしていると言われている。


今でも黒瀬への罪悪感を抱えている。


一言でいうと

恋と罪悪感を抱え続ける少女



■ 奈々ななほし しずく


年齢:21歳

立場:元・霧崎学園生徒


奈々星 雫


ひよりへの嫉妬から、


秘密を教育委員会へ漏らした少女。


本人は、


「悪いことを暴いただけ」


と思っていた。


しかし事件拡大後、


* 学園崩壊

* 教師失職

* 多数の人生破壊


へ発展したことで、


少しずつ自分の行動の重さを理解し始めている。


一言でいうと

嫉妬から全てを崩した少女



■ 奈々ななほし 雅臣まさおみ


年齢:53歳

立場:教育委員会職員


奈々星 雅臣


教育委員会側の人物。


娘・雫から情報を聞き、


霧崎学園調査へ関与。


しかし調査が進むにつれ、


単純な不祥事ではなく、


学校内部の腐敗や陰謀へ気づいていく。


現在は、


榊原問題の再調査も進めている。


一言でいうと

真実を追い続ける教育委員会の男



■ 青嶺学園


青嶺学園


黒瀬が再出発した新しい学校。


地方にある小規模学園。


過去より、


“今の教師としての実力”


を重視する校風。


黒瀬にとって、


人生をやり直す場所でもある。



■ 現在の物語テーマ


この物語は今、



「忘れられない愛を抱えたまま、人は前へ進めるのか」



を描いている。

第八章:公開処刑


 三年前。



 あの日。



 全部終わった。




 私立霧崎学園 。



 会議室。



 空気は最悪だった。



 長机。


 資料。


 録音機。



 そして。



 教育委員会。



「では始めます」



 低い声。



 奈々星 雅臣 が資料を開く。



 向かいに座るのは、


黒瀬 恒一 。



 顔色は悪い。



 眠れていない。



「黒瀬先生」



「……はい」



「生徒との私的接触について説明を」



 沈黙。



 部屋中の視線。



 逃げ場はない。



「……事実です」



 空気が凍る。



 教師たちがざわつく。



「ただし」



 黒瀬が顔を上げる。



「利用されていた部分もありました」



 その瞬間。



「言い訳ですか?」



 鋭い声。



 奈々星 雫 。



 本来、


生徒は入れない場。



 だが雫は勝手に入ってきていた。



「先生って最低ですよね」



「雫!」



 雅臣が止める。



 だが雫は止まらない。



「ひよりまで巻き込んで!」



「……」



「結局、自分が可愛いだけじゃん!」



 会議室が完全に荒れる。



 その時だった。



 扉が開く。



 橘 ひより 。



 全員が息を呑む。



 ひよりは真っ直ぐ黒瀬を見る。



 そして。



「……もうやめてください」



 静かな声。



 雫が止まる。



「悪いのは私たちです」



 雅臣が眉を動かす。



「橘さん」



「でも」



 ひよりの声が震える。



「もう十分です」



 その言葉。



 黒瀬は目を閉じた。



 終わった。



 本当に。




 数日後。



 黒瀬は辞表を書いた。



 教師を辞める。



 それで終わるはずだった。



 だが。



「あなたを欲しい学校があります」



 突然の話だった。



「……は?」



 相手は、


地方の新設学園。



 問題教師を拾うような場所ではない。



 なのに。



「あなたの授業記録を見ました」



 スーツ姿の女性が言う。



「生徒からの評価も高い」



「でも俺は」



「過去は知っています」



 女性は静かに笑った。



「それでも欲しい」



 黒瀬は言葉を失う。




 一方。



 橘 ひより は。



 別れを選んだ。



「……旦那様」



 最後。



 そう呼んだ。



 泣きながら。



「もう終わりにしよう」



 黒瀬は何も言えなかった。



 抱きしめる資格もない。



 そして。



 二人は別れた。




 三年後。



 春。



 青嶺学園 。



 黒瀬は教師を続けていた。



 地方の小さな学園。



 問題教師。



 そう呼ばれた男。



 だが。



 授業だけは本気だった。



「先生ー」



 廊下。



 振り返る。



 女性。



 長い黒髪。


 優しい笑顔。



 杉田 百子 。



 同じ学園の教師。



「また徹夜したでしょ」



「……してない」



「嘘」



 百子が笑う。



 その笑顔は、


どこか救いみたいだった。




 三年前。



 全てを失った男。



 だが。



 隣に立ってくれた人がいた。



 百子だった。



 彼女は、


過去を知っていた。



 全部。



 それでも。



「先生って不器用ですよね」



 笑った。



「……杉田先生」



「百子でいいです」



 黒瀬が苦笑する。



 少しだけ。



 本当に少しだけ。



 昔より笑えるようになっていた。




 一方。



 遠く離れた街。



 橘 ひより は別の男性と歩いていた。



 優しそうな男。



 穏やかな空気。



 幸せそうだった。



 でも。



 ふとした瞬間。



 春風。



 教師を見かける。



 その時だけ。



 少し寂しそうな顔をした。




 そして。



 別々の人生が始まった。



 終わった恋。



 戻れない時間。



 それでも。



 確かに愛していた。


 人は、


 忘れるために生きるんじゃない。



 忘れられないまま、


 前へ進くために生きている。

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