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離婚できないなんて…  作者: マーたん


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46/52

公開処刑

登場人物(第八章時点)


⸻


■ 黒瀬(くろせ) 恒一(こういち)


年齢:30歳

立場:元・霧崎学園教師/青嶺学園教師


黒瀬 恒一


本作の主人公。


かつて

私立霧崎学園 で国語教師をしていた。


しかし、


* 生徒との問題

* 教育委員会調査

* 校内スキャンダル

* 榊原の陰謀


に巻き込まれ、


教師人生が崩壊。


その後、


全てを捨てて学園を去る。


現在は、


地方の

青嶺学園 で教師として再出発している。


昔より無口になった。


だが授業だけは変わらず本気。


生徒からの信頼は高い。


また現在は、


杉田 百子 と共に暮らしている。


ただし、


心の奥には今も

橘 ひより が残っている。


一言でいうと

全てを失っても教師を辞めなかった男


⸻


■ 橘 ひより(たちばな ひより)


年齢:21歳

立場:元・霧崎学園生徒


橘 ひより


黒瀬の元妻。


秘密の結婚生活を送っていた。


しかし、


学校崩壊事件によって別れを選ぶ。


最後まで黒瀬を愛していた。


だが、


⸻


「もう終わりにしよう」


⸻


と涙ながらに告げた。


現在は別の男性と交際中。


穏やかな生活を送っている。


しかし、


教師の姿を見るたび、


黒瀬との記憶が蘇る。


完全には忘れられていない。


一言でいうと

前へ進もうとしている元妻


⸻


■ 杉田(すぎた) 百子(ももこ)


年齢:29歳

立場:青嶺学園教師


杉田 百子


第八章後半から登場。


青嶺学園 の教師。


黒瀬を新しい学校へ引き抜いた人物の一人。


穏やかで優しい性格。


だがかなり芯が強い。


黒瀬の過去を全て知ったうえで、


彼の隣に立つことを選んだ。


現在は黒瀬と共に暮らしている。


ただし、


黒瀬の心に、


まだひよりが残っていることにも気づいている。


それでも無理に奪おうとはしない。


一言でいうと

傷だらけの黒瀬を支える女性教師


⸻


■ 橘(たちばな) 剛玄(ごうげん)


年齢:55歳

立場:元・霧崎学園校長


橘 剛玄


通称:


⸻


「霧崎の鬼校長」


⸻


ひよりの叔父。


かつては

私立霧崎学園 を守ろうとしていた。


しかし、


榊原の陰謀、


教育委員会問題、


学園崩壊騒動により失脚。


現在は教育現場から距離を置いている。


黒瀬を完全には許していない。


だが、


“全部が黒瀬だけの罪ではなかった”


ことも理解している。


現在もひよりを大切に見守っている。


一言でいうと

全てを失った鬼校長


⸻


■ 榊原(さかきばら) 漣司(れんじ)


年齢:48歳

立場:元・霧崎学園教頭


榊原 漣司


事件の黒幕。


* 美月

* みく

* 校内の噂

* 証拠写真


を利用し、


黒瀬を破滅へ追い込んだ。


しかし事件発覚後、


自身の不正も表面化。


現在は教育界から姿を消している。


行方不明に近い状態。


ただし、


完全には終わっていないとも噂されている。


一言でいうと

全員の人生を壊した男


⸻


■ 七瀬(ななせ) 美月(みづき)


年齢:21歳

立場:元・霧崎学園生徒


七瀬 美月


かつてはひよりの親友。


しかし、


榊原の愛人関係となり、


黒瀬破滅計画へ関与。


現在は表舞台から姿を消している。


子供を産んだという噂もあるが真相不明。


精神的にかなり壊れてしまった人物。


一言でいうと

愛と依存に壊された少女


⸻


■ 水城 みく(みずき みく)


年齢:21歳

立場:元・霧崎学園生徒


水城 みく


叔父から脅迫され、


黒瀬へ接近していた少女。


しかし途中から本気で恋をしてしまう。


事件後は学校を去った。


現在は地元を離れ、


静かに暮らしていると言われている。


今でも黒瀬への罪悪感を抱えている。


一言でいうと

恋と罪悪感を抱え続ける少女


⸻


■ 奈々星(ななほし) 雫(しずく)


年齢:21歳

立場:元・霧崎学園生徒


奈々星 雫


ひよりへの嫉妬から、


秘密を教育委員会へ漏らした少女。


本人は、


「悪いことを暴いただけ」


と思っていた。


しかし事件拡大後、


* 学園崩壊

* 教師失職

* 多数の人生破壊


へ発展したことで、


少しずつ自分の行動の重さを理解し始めている。


一言でいうと

嫉妬から全てを崩した少女


⸻


■ 奈々星(ななほし) 雅臣(まさおみ)


年齢:53歳

立場:教育委員会職員


奈々星 雅臣


教育委員会側の人物。


娘・雫から情報を聞き、


霧崎学園調査へ関与。


しかし調査が進むにつれ、


単純な不祥事ではなく、


学校内部の腐敗や陰謀へ気づいていく。


現在は、


榊原問題の再調査も進めている。


一言でいうと

真実を追い続ける教育委員会の男


⸻


■ 青嶺学園


青嶺学園


黒瀬が再出発した新しい学校。


地方にある小規模学園。


過去より、


“今の教師としての実力”


を重視する校風。


黒瀬にとって、


人生をやり直す場所でもある。


⸻


■ 現在の物語テーマ


この物語は今、


⸻


「忘れられない愛を抱えたまま、人は前へ進めるのか」


⸻


を描いている。

第八章:公開処刑


 三年前。


⸻


 あの日。


⸻


 全部終わった。


⸻


*


 私立霧崎学園 。


⸻


 会議室。


⸻


 空気は最悪だった。


⸻


 長机。


 資料。


 録音機。


⸻


 そして。


⸻


 教育委員会。


⸻


「では始めます」


⸻


 低い声。


⸻


 奈々星 雅臣 が資料を開く。


⸻


 向かいに座るのは、


黒瀬 恒一 。


⸻


 顔色は悪い。


⸻


 眠れていない。


⸻


「黒瀬先生」


⸻


「……はい」


⸻


「生徒との私的接触について説明を」


⸻


 沈黙。


⸻


 部屋中の視線。


⸻


 逃げ場はない。


⸻


「……事実です」


⸻


 空気が凍る。


⸻


 教師たちがざわつく。


⸻


「ただし」


⸻


 黒瀬が顔を上げる。


⸻


「利用されていた部分もありました」


⸻


 その瞬間。


⸻


「言い訳ですか?」


⸻


 鋭い声。


⸻


 奈々星 雫 。


⸻


 本来、


生徒は入れない場。


⸻


 だが雫は勝手に入ってきていた。


⸻


「先生って最低ですよね」


⸻


「雫!」


⸻


 雅臣が止める。


⸻


 だが雫は止まらない。


⸻


「ひよりまで巻き込んで!」


⸻


「……」


⸻


「結局、自分が可愛いだけじゃん!」


⸻


 会議室が完全に荒れる。


⸻


 その時だった。


⸻


 扉が開く。


⸻


 橘 ひより 。


⸻


 全員が息を呑む。


⸻


 ひよりは真っ直ぐ黒瀬を見る。


⸻


 そして。


⸻


「……もうやめてください」


⸻


 静かな声。


⸻


 雫が止まる。


⸻


「悪いのは私たちです」


⸻


 雅臣が眉を動かす。


⸻


「橘さん」


⸻


「でも」


⸻


 ひよりの声が震える。


⸻


「もう十分です」


⸻


 その言葉。


⸻


 黒瀬は目を閉じた。


⸻


 終わった。


⸻


 本当に。


⸻


*


 数日後。


⸻


 黒瀬は辞表を書いた。


⸻


 教師を辞める。


⸻


 それで終わるはずだった。


⸻


 だが。


⸻


「あなたを欲しい学校があります」


⸻


 突然の話だった。


⸻


「……は?」


⸻


 相手は、


地方の新設学園。


⸻


 問題教師を拾うような場所ではない。


⸻


 なのに。


⸻


「あなたの授業記録を見ました」


⸻


 スーツ姿の女性が言う。


⸻


「生徒からの評価も高い」


⸻


「でも俺は」


⸻


「過去は知っています」


⸻


 女性は静かに笑った。


⸻


「それでも欲しい」


⸻


 黒瀬は言葉を失う。


⸻


*


 一方。


⸻


 橘 ひより は。


⸻


 別れを選んだ。


⸻


「……旦那様」


⸻


 最後。


⸻


 そう呼んだ。


⸻


 泣きながら。


⸻


「もう終わりにしよう」


⸻


 黒瀬は何も言えなかった。


⸻


 抱きしめる資格もない。


⸻


 そして。


⸻


 二人は別れた。


⸻


*


 三年後。


⸻


 春。


⸻


 青嶺学園 。


⸻


 黒瀬は教師を続けていた。


⸻


 地方の小さな学園。


⸻


 問題教師。


⸻


 そう呼ばれた男。


⸻


 だが。


⸻


 授業だけは本気だった。


⸻


「先生ー」


⸻


 廊下。


⸻


 振り返る。


⸻


 女性。


⸻


 長い黒髪。


 優しい笑顔。


⸻


 杉田 百子 。


⸻


 同じ学園の教師。


⸻


「また徹夜したでしょ」


⸻


「……してない」


⸻


「嘘」


⸻


 百子が笑う。


⸻


 その笑顔は、


どこか救いみたいだった。


⸻


*


 三年前。


⸻


 全てを失った男。


⸻


 だが。


⸻


 隣に立ってくれた人がいた。


⸻


 百子だった。


⸻


 彼女は、


過去を知っていた。


⸻


 全部。


⸻


 それでも。


⸻


「先生って不器用ですよね」


⸻


 笑った。


⸻


「……杉田先生」


⸻


「百子でいいです」


⸻


 黒瀬が苦笑する。


⸻


 少しだけ。


⸻


 本当に少しだけ。


⸻


 昔より笑えるようになっていた。


⸻


*


 一方。


⸻


 遠く離れた街。


⸻


 橘 ひより は別の男性と歩いていた。


⸻


 優しそうな男。


⸻


 穏やかな空気。


⸻


 幸せそうだった。


⸻


 でも。


⸻


 ふとした瞬間。


⸻


 春風。


⸻


 教師を見かける。


⸻


 その時だけ。


⸻


 少し寂しそうな顔をした。


⸻


*


 そして。


⸻


 別々の人生が始まった。


⸻


 終わった恋。


⸻


 戻れない時間。


⸻


 それでも。


⸻


 確かに愛していた。

⸻


 人は、


 忘れるために生きるんじゃない。


⸻


 忘れられないまま、


 前へ進くために生きている。

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