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離婚できないなんて…  作者: マーたん


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44/52

さよなら、旦那様

⸻


■ 橘 ひより(たちばな ひより)


年齢:18歳

立場:高校三年生/黒瀬の妻


橘 ひより


本作のヒロイン。


普段は冷静で感情を隠すタイプ。


しかし本当は、


* 一途

* 独占欲が強い

* 愛情深い

* 我慢しすぎる


性格。


学校では、


教師と生徒として距離を守り続けていた。


それは、


黒瀬 恒一 を守るため。


だが現在、


* みく

* 美月


との問題で深く傷ついている。


それでも、


黒瀬への愛情は完全には消えていない。


現在は叔父・剛玄の家にいる。


最後には、


⸻


「まだ旦那様って呼んでいい?」


⸻


と涙ながらに口にした。


一言でいうと

壊れても愛を捨てきれない妻


⸻


■ 黒瀬(くろせ) 恒一(こういち)


年齢:27歳

立場:高校教師(辞職寸前)/ひよりの夫


黒瀬 恒一


国語教師。


元々は真面目で誠実。


しかし、


* 秘密の結婚

* 孤独

* プレッシャー

* 弱さ


に押し潰され、


みくや美月との問題を起こしてしまう。


現在は教師辞職寸前。


ただし第六章で、


事件の裏に

榊原 漣司 の陰謀があったことが判明。


それでも本人は、


⸻


「利用されたとしても、自分が間違えた」


⸻


と罪から逃げていない。


一言でいうと

愛する人を守れなかった男


⸻


■ 水城 みく(みずき みく)


年齢:18歳

立場:ひよりの友人/黒瀬の生徒


水城 みく


孤独を抱える少女。


黒瀬の優しさへ本気で惹かれていた。


しかし実は、


叔父から脅迫されていた。


理由は家族の借金。


そのため、


黒瀬へ接近するよう利用されていた。


ただし途中から、


本当に黒瀬へ依存してしまっている。


現在は、


罪悪感と恐怖で精神的に限界状態。


一言でいうと

利用されながら本気で恋した少女


⸻


■ 七瀬(ななせ) 美月(みづき)


年齢:18歳

立場:ひよりの親友/黒瀬の生徒


七瀬 美月


明るく社交的な少女。


だが裏では、


榊原 漣司 と繋がっていた。


文化祭以降、


黒瀬へ意図的に接近。


関係を持ち、


証拠を作り、


黒瀬を破滅へ追い込もうとしていた。


さらに、


⸻


榊原の子供を妊娠している


⸻


という衝撃的事実も判明。


ただし美月自身も、


榊原へ精神的に支配されている。


完全な悪人ではなく、


愛情と依存の境界で壊れ始めている。


一言でいうと

利用する側であり、利用される側の少女


⸻


■ 橘(たちばな) 剛玄(ごうげん)


年齢:52歳

立場:霧崎学園 校長/ひよりの叔父


橘 剛玄


私立霧崎学園 の校長。


通称:


⸻


「霧崎の鬼校長」


⸻


厳格で恐れられる存在。


しかし本当は情に厚い。


特に姪であるひよりを深く大切にしている。


以前から、


ひよりと黒瀬の結婚を知っていた。


最初は猛反対したが、


黒瀬の覚悟を認め、


条件付きで黙認していた。


現在は、


* 黒瀬への怒り

* 榊原への怒り

* 学園内部の腐敗


その全てと戦っている。


一言でいうと

家族と学校を守ろうとする鬼校長


⸻


■ 榊原(さかきばら) 漣司(れんじ)


年齢:45歳

立場:霧崎学園 教頭


榊原 漣司


第六章最大の黒幕。


常に穏やかな笑みを浮かべる男。


表向きは理想的な教育者。


しかし本性は極めて危険。


人間の、


* 孤独

* 弱さ

* 愛情

* 依存


を利用することに長けている。


今回の事件では、


* 美月

* みく

* 証拠写真

* 校内の噂


を操り、


黒瀬を社会的に破滅させようとしていた。


さらに、


美月とは愛人関係。


しかも、


⸻


美月は榊原の子供を妊娠している


⸻


という事実も判明。


榊原にとって美月は、


“恋人”


ではなく、


“支配対象”。


また、


橘 剛玄 に強い敵意を抱いている。


一言でいうと

笑顔で人を壊す黒幕教頭


⸻


■ 私立霧崎学園


私立霧崎学園


現在、


崩壊寸前。


教師と生徒の問題だけではなく、


* 内部腐敗

* 権力争い

* 陰謀

* 裏切り


まで浮上している。


⸻


■ 現在の物語テーマ


この物語はもう、


“禁断の恋”


ではない。


描かれているのは、


⸻


「壊された愛は、それでも本物なのか」


⸻


という物語。

第六章:さよなら、旦那様


 終わりは。


⸻


 突然来るわけじゃない。


⸻


 少しずつ。


 静かに。


 逃げ道を塞がれていく。


⸻


*


 私立霧崎学園 。


⸻


 朝。


⸻


 職員室。


⸻


 黒瀬 恒一 は辞表を見つめていた。


⸻


 白い紙。


⸻


 たった数行。


⸻


 でも。


⸻


 それだけで人生が終わる。


⸻


「……」


⸻


 ペンが動かない。


⸻


 書けば終わる。


⸻


 教師として。


⸻


 そして。


⸻


 橘 ひより の隣にいる資格も。


⸻


「黒瀬先生」


⸻


 低い声。


⸻


 教頭だった。


⸻


 榊原 恒一 。


⸻


 眼鏡。


 冷たい目。


 常に笑っているようで笑っていない男。


⸻


「校長がお待ちです」


⸻


 黒瀬は静かに立ち上がる。


⸻


 その時だった。


⸻


 教頭が小さく笑った。


⸻


「随分、簡単でしたね」


⸻


 黒瀬が止まる。


⸻


「……何がです」


⸻


「壊れるのが」


⸻


 嫌な空気。


⸻


 黒瀬が振り返る。


⸻


 教頭の目は、妙に愉しそうだった。


⸻


*


 校長室。


⸻


 橘 剛玄 は険しい顔で座っていた。


⸻


「……黒瀬」


⸻


「はい」


⸻


「ひよりが家を出ると言ってる」


⸻


 黒瀬の呼吸が止まる。


⸻


「……え」


⸻


「今、うちにいる」


⸻


 胸が締め付けられる。


⸻


 本当に終わる。


⸻


 そう思った。


⸻


 だが。


⸻


「その前に聞け」


⸻


 剛玄が低く言う。


⸻


「妙なんだ」


⸻


「……?」


⸻


「証拠写真」


⸻


 机へ置かれる封筒。


⸻


 黒瀬は中を見る。


⸻


 自分。


 みく。


 美月。


⸻


 だが。


⸻


「……これ」


⸻


 不自然だった。


⸻


 全部。


⸻


 角度。


 タイミング。


 場所。


⸻


 まるで。


⸻


“撮らせるため”


みたいに。


⸻


*


「気づくの遅いですよ、先生」


⸻


 声。


⸻


 振り返る。


⸻


 扉の前。


⸻


 七瀬 美月 。


⸻


 そして。


⸻


 その隣に。


⸻


 教頭。


⸻


 黒瀬の血の気が引く。


⸻


「……七瀬?」


⸻


 美月は笑った。


⸻


 今まで見たこともない顔で。


⸻


「先生って、本当に優しいですよね」


⸻


「……何言って」


⸻


「だから簡単だった」


⸻


 黒瀬の背筋が凍る。


⸻


「……まさか」


⸻


 教頭が拍手した。


⸻


「正解」


⸻


 剛玄が机を叩く。


⸻


「榊原ァ!!」


⸻


 だが教頭は笑うだけ。


⸻


「校長先生、あなた邪魔だったんですよ」


⸻


「貴様……!」


⸻


「古いんです」


⸻


 教頭の目が歪む。


⸻


「教師だの倫理だの」


⸻


 そして。


⸻


 美月の肩を抱いた。


⸻


 黒瀬も剛玄も凍る。


⸻


「……は?」


⸻


 美月が静かに言う。


⸻


「私、榊原先生の子供いるんです」


⸻


 空気が止まった。


⸻


「……何」


⸻


 剛玄の声が震える。


⸻


「最初から黒瀬先生を壊すつもりだった」


⸻


 黒瀬の頭が真っ白になる。


⸻


「……嘘だろ」


⸻


「文化祭の日も」


⸻


 美月が笑う。


⸻


「全部、計画」


⸻


 黒瀬は後ろへ下がる。


⸻


 呼吸が苦しい。


⸻


「じゃあ……」


⸻


「先生、本当に私のこと好きだと思いました?」


⸻


 その言葉。


⸻


 刃物みたいだった。


⸻


*


「みくは!?」


⸻


 黒瀬が叫ぶ。


⸻


 その瞬間。


⸻


 剛玄の顔が変わった。


⸻


 嫌な沈黙。


⸻


「……みくは」


⸻


 校長が目を閉じる。


⸻


「私の弟に利用されていた」


⸻


「……は?」


⸻


 意味が分からない。


⸻


「叔父?」


⸻


 そこへ。


⸻


 扉が開く。


⸻


 水城 みく 。


⸻


 顔がボロボロだった。


⸻


「……ごめんなさい」


⸻


 震える声。


⸻


「私……脅されてた」


⸻


 黒瀬が固まる。


⸻


「叔父さんに」


⸻


 涙。


⸻


「家族の借金……」


⸻


 全部。


⸻


 全部、繋がっていく。


⸻


*


「……じゃあ、ひよりは」


⸻


 黒瀬の声。


⸻


 震えていた。


⸻


 剛玄が静かに言う。


⸻


「まだ何も知らん」


⸻


 その瞬間。


⸻


 黒瀬は走り出していた。


⸻


*


 外。


⸻


 雨。


⸻


 息が切れる。


⸻


 頭がぐちゃぐちゃだった。


⸻


 利用された。


 騙された。


 仕組まれていた。


⸻


 でも。


⸻


 一番大事なのは。


⸻


 そんなことじゃない。


⸻


「……ひより」


⸻


 失いたくない。


⸻


 本当に。


⸻


*


 叔父の家。


⸻


 インターホン。


⸻


 扉。


⸻


 出てきたのは。


⸻


 橘 ひより 。


⸻


 目が赤い。


⸻


 でも。


⸻


 黒瀬を見る目は、もう完全に冷たくなかった。


⸻


「……先生」


⸻


 黒瀬は息を切らしながら言う。


⸻


「話を聞いてくれ」


⸻


 ひよりが静かに聞く。


⸻


 そして。


⸻


「……まだ」


⸻


 小さな声。


⸻


「旦那様って呼んでいい?」


⸻


 黒瀬の目から涙が落ちた。

⸻


 騙されても。


 壊れても。


⸻


 本物だけは、消えなかった。

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