↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
離婚できないなんて…  作者: マーたん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/52

第八章:

登場人物(第八章:母という嵐)


⸻


■ 相沢(あいざわ) 美玲(みれい)


神崎蓮――本名・相沢蓮の母。


派手で豪快。

声も大きく、感情表現も激しい。

周囲を強制的に自分の空気へ巻き込むタイプ。


神戸署長とは幼馴染で、遠慮が一切ない。


一見すると騒がしい人物だが、


* 息子の変化を敏感に察知している

* 蓮の“壊れる前の顔”を覚えている

* 朝比奈の抱え込み癖も見抜いている


など、母親として非常に鋭い。


この章では、


* 真希に「蓮を叱って」と頼む

* 朝比奈へ激怒する

* 署内を完全に混乱させる


という、“嵐”そのものの役割を果たす。


一言でいうと

全部見抜いて空気を壊す母


⸻


■ 西園寺(さいおんじ) 真希(まき)


職業:警察官。


この章では、美玲の強烈なペースに完全に巻き込まれる。


特に、


「あの子、あなたのこと好きでしょ」


と母親に断言されたことで、今まで避けていた感情を真正面から突きつけられる。


また、朝比奈の“弱さ”を初めて目にしたことで、


* 完璧ではないこと

* 一人で抱え込んでいること

* 本当に蓮を守ろうとしていること


を理解し始める。


一言でいうと

逃げ場を母親に全部潰された女


⸻


■ 朝比奈(あさひな)


職業:芸能マネージャー。


これまで冷静で完璧に見えていたが、この章で初めて感情を揺らされる。


美玲から、


* 「蓮を孤独にしている」

* 「全部一人で抱え込む」

* 「止められなかった」


と核心を突かれ、言葉を失う場面もあった。


つまりこの章は、


“完璧な管理者”だった朝比奈が、

ただの一人の人間に見え始める章でもある。


一言でいうと

守ろうとして壊しかけている女


⸻


■ 神戸署長(こうべしょちょう)


蒼城中央警察署の署長。


真面目で苦労人。

最近ずっと胃痛気味。


美玲とは幼馴染であり、昔から振り回されている。


この章では、


* 芸能人の母来訪

* 部下とマネージャーの修羅場

* 病院逃走報告

* 署内パニック


を一気に処理する羽目になる。


完全に巻き込まれ体質。


一言でいうと

毎回被害を受ける常識人


⸻


■ 神崎(かんざき) 蓮(れん)/本名:相沢 蓮


職業:俳優。


現在は入院中――のはずだったが、病院から逃走。


この章では直接登場していないにもかかわらず、


* 母

* 真希

* 朝比奈

* 署長


全員を振り回している。


また、美玲の発言により、


「真希を特別視している」


ことがほぼ確定した。


一言でいうと

寝てても逃げても周囲を混乱させる男


⸻


■ 若手署員たち


蒼城中央警察署の一般署員。


今回も完全に巻き込まれ側。


* 芸能人そっくりの美女来訪

* 署長へのタメ口

* 怒鳴り合い

* 空気の重さ


などにより、ずっと混乱している。


特に「母親って怖ぇ」という感想は、多くの署員の総意。


一言でいうと

毎回修羅場を見せられる一般人


⸻


■ この章のポイント


この章では、


「蓮をどう見るか」


が全員で違っている。


真希は“放っておけない相手”。

朝比奈は“守るべき相手”。

美玲は“手のかかる息子”。

署長は“問題児”。


そして蓮自身は、その全員に違う顔を見せている。


⸻


■ テーマ


家族だから見える壊れ方

守ることと閉じ込めることの違い

感情を隠しても、親にはバレる


⸻


次章では、病院から逃げた蓮を巡り、


真希と朝比奈がまさかの共闘を始めることになります。

第八章:母という嵐


 蒼城中央警察署 。


 その日、署内は朝から妙だった。


⸻


「……また空気重くない?」


⸻


「最近ずっと重い」


⸻


「もう慣れてきた」


⸻


「慣れたら終わりだろ」


⸻


 若手署員たちが小声で話している。


⸻


 そんな中。


⸻


 自動ドアが開いた。


⸻


 全員が、反射的に見る。


⸻


 入ってきたのは――


⸻


 派手だった。


⸻


 黒いサングラス。

 高級そうなコート。

 ヒール。

 強すぎるオーラ。


⸻


 そして何より。


⸻


 顔。


⸻


「……え?」


⸻


「うそ」


⸻


「神崎蓮に似てる……?」


⸻


 ざわめく署内。


⸻


 女はサングラスを外す。


⸻


 鋭い目。


⸻


 そして、堂々と言った。


⸻


「神戸ぉぉぉ!!」


⸻


 署内が固まる。


⸻


 奥の部屋のドアが開く。


⸻


 神戸署長 が出てきた。


⸻


 その瞬間。


⸻


「……帰れ」


⸻


 即答だった。


⸻


「久しぶりの幼馴染にそれぇ!?」


⸻


 女が叫ぶ。


⸻


 署員たち騒然。


⸻


「幼馴染!?」


⸻


「署長にあんな態度取る人いる!?」


⸻


「強すぎる」


⸻


*


 女の名前は――


⸻


 相沢 美玲 。


⸻


 神崎蓮――本名・相沢蓮の母だった。


⸻


*


「で?」


⸻


 応接室。


⸻


 神戸署長が頭を抱えている。


⸻


「なんで来た」


⸻


「決まってるでしょ」


⸻


 美玲が腕を組む。


⸻


「あのバカ息子の件よ」


⸻


「病院行け」


⸻


「行ったわよ」


⸻


 即答。


⸻


「でも逃げた」


⸻


「は?」


⸻


 署長の顔が死ぬ。


⸻


「点滴引っこ抜いて逃走」


⸻


「おい待て」


⸻


「だから来たの」


⸻


 嫌な予感しかしない。


⸻


*


 その頃。


⸻


 交通課。


⸻


 西園寺 真希 は、嫌な予感を感じていた。


⸻


「西園寺さん」


⸻


 署員が青い顔で来る。


⸻


「署長室に呼ばれてます」


⸻


「……何かしました?」


⸻


「知らないですけど」


⸻


 一拍。


⸻


「めちゃくちゃ美人がいます」


⸻


 嫌な予感が増えた。


⸻


*


 署長室。


⸻


 ドアを開ける。


⸻


 そこには、


* 胃が死んでる神戸署長

* イライラしている美女

* なぜかいる朝比奈


という、最悪の空間が完成していた。


⸻


(帰りたい)


⸻


 本気で思った。


⸻


「あなたが真希ちゃん?」


⸻


 美玲が立ち上がる。


⸻


「……はい」


⸻


 その瞬間。


⸻


 美玲が真希の手を掴んだ。


⸻


「お願い!!」


⸻


「え」


⸻


「うちのバカ息子叱って!!」


⸻


 真希、停止。


⸻


「……は?」


⸻


「最近あいつ調子乗りすぎなのよ!」


⸻


 署長が頭を押さえる。


⸻


「モテるからってフラフラして!」


⸻


「おい美玲」


⸻


「俳優になってから特にひどい!」


⸻


 止まらない。


⸻


「あの子昔はもっと可愛かったのに!」


⸻


「知らないです」


⸻


 真希、素で返す。


⸻


「しかも最近!」


⸻


 美玲が真希を指差す。


⸻


「あなたのこと絶対好きでしょあれ!」


⸻


 部屋、沈黙。


⸻


 真希の顔が固まる。


⸻


 朝比奈が静かに目を閉じる。


⸻


 神戸署長、天井を見る。


⸻


「……母親って怖ぇ」


⸻


 小さく漏れる。


⸻


*


「朝比奈ァ!!」


⸻


 突然、美玲が振り向く。


⸻


 空気が変わる。


⸻


「……はい」


⸻


 朝比奈が冷静に返す。


⸻


「あなた!!」


⸻


 一歩近づく。


⸻


「なんで止めなかったのよ!!」


⸻


 怒声。


⸻


 署長室が揺れるレベル。


⸻


「最近のあの子絶対おかしいじゃない!!」


⸻


「……申し訳ありません」


⸻


 朝比奈が頭を下げる。


⸻


 だが。


⸻


「申し訳ありませんじゃないのよ!!」


⸻


 美玲は止まらない。


⸻


「あなた昔からそう!!」


⸻


 朝比奈の目が少し揺れる。


⸻


「全部一人で抱え込んで!」


⸻


「……」


⸻


「蓮を守るって言って、結局あの子を孤独にしてる!」


⸻


 その言葉で。


⸻


 朝比奈の表情が初めて崩れた。


⸻


「……それは」


⸻


 言葉が止まる。


⸻


「違う?」


⸻


 美玲が睨む。


⸻


「最近のあの子、昔の顔してる」


⸻


 静かな声。


⸻


「壊れる直前の顔」


⸻


 朝比奈が黙る。


⸻


 真希は、その空気を見ていた。


⸻


 初めてだった。


⸻


 朝比奈が、“ただの完璧な女”じゃなく見えたのは。


⸻


*


「だから真希ちゃん」


⸻


 美玲が急に真希へ向く。


⸻


「お願い」


⸻


「……何をですか」


⸻


「叱って」


⸻


「……」


⸻


「あの子、好きな相手の言うことしか聞かないから」


⸻


 真希、完全停止。


⸻


「……好き」


⸻


「絶対そう」


⸻


 断言。


⸻


「親だから分かる」


⸻


 朝比奈が頭を抱える。


⸻


 署長が遠い目。


⸻


 真希だけが、顔を真っ赤にして固まっていた。

神戸署長と相沢美玲の雑談


「……お前さ」


⸻


 深夜。


 蒼城中央警察署 の署長室。


⸻


 応接室での嵐が終わり、

 若手署員たちはようやく通常業務へ戻っていた。


⸻


 そして残されたのは――


⸻


 疲れ切った

神戸署長 と、


 全く疲れていない

相沢 美玲 。


⸻


「毎回毎回、なんで台風みたいに来るんだ」


⸻


「失礼ね」


⸻


 美玲がコーヒーを飲む。


⸻


「ちゃんとノックしたわよ」


⸻


「そこじゃねぇ」


⸻


 署長、完全に死んだ目。


⸻


「うちの若手が怯えてたぞ」


⸻


「可愛かったわねぇ」


⸻


「お前の感想怖ぇんだよ」


⸻


 深いため息。


⸻


「で?」


⸻


 署長がネクタイを緩める。


⸻


「本当は何しに来た」


⸻


 一瞬。


⸻


 美玲の顔から、少しだけ笑みが消えた。


⸻


「……あの子、限界近い」


⸻


 静かな声だった。


⸻


 署長も表情を変える。


⸻


「分かるのか」


⸻


「親だもの」


⸻


 即答。


⸻


「あの子ね」


⸻


 窓の外を見る。


⸻


「昔から“平気な顔”するの上手かった」


⸻


 少し笑う。


⸻


「泣かないし、弱音も吐かないし」


⸻


「お前に似たんだろ」


⸻


「やめて。最悪」


⸻


 即否定。


⸻


「でもね」


⸻


 美玲の声が少し落ちる。


⸻


「あの子、本当にダメな時ほど笑うの」


⸻


 署長が黙る。


⸻


「今回、それ」


⸻


 短い一言。


⸻


 それだけで、重さが分かる。


⸻


「……朝比奈も気づいてるだろ」


⸻


「気づいてるわよ」


⸻


 美玲は即答する。


⸻


「だから余計悪いの」


⸻


「?」


⸻


「あの子達、お互いに抱え込みすぎ」


⸻


 署長は苦笑する。


⸻


「昔からだな」


⸻


「ほんっと昔から」


⸻


 美玲が椅子にもたれる。


⸻


「蓮は“迷惑かけたくない”で黙るし」


⸻


「朝比奈は“自分が支えなきゃ”で壊れるし」


⸻


「面倒なコンビだ」


⸻


「しかも美男美女」


⸻


「そこはどうでもいい」


⸻


 署長、即切り。


⸻


*


「で?」


⸻


 署長が聞く。


⸻


「真希ちゃんはどう思う」


⸻


 美玲がニヤッと笑う。


⸻


「好きね」


⸻


「早ぇよ」


⸻


「親を舐めないで」


⸻


 自信満々。


⸻


「分かるのよ、ああいう空気」


⸻


「空気で判断するな」


⸻


「だって真っ赤だったもの」


⸻


 署長が頭を抱える。


⸻


「お前なぁ……」


⸻


「でもね」


⸻


 少しだけ真面目な顔になる。


⸻


「あの子、いい子だった」


⸻


「……真希か?」


⸻


「うん」


⸻


「ちゃんと“怖がってた”」


⸻


「?」


⸻


「簡単に好きとか言わない子」


⸻


 美玲が静かに笑う。


⸻


「だから、たぶん本気になると厄介」


⸻


 署長が遠い目をする。


⸻


「お前、その“厄介”好きだよな」


⸻


「人間臭いじゃない」


⸻


「俺は平和が好きなんだよ」


⸻


「警察向いてないわね」


⸻


「うるせぇ」


⸻


*


 少しの沈黙。


⸻


 昔からの空気。


⸻


 幼馴染だけが持つ距離感。


⸻


「……神戸」


⸻


 美玲がふと呼ぶ。


⸻


「ん?」


⸻


「もしさ」


⸻


 一瞬だけ、母親の顔になる。


⸻


「あの子が本当に壊れたら」


⸻


 署長が見る。


⸻


「止めてあげてね」


⸻


 静かな声だった。


⸻


 神戸署長は数秒黙り。


⸻


「……母親のお前がやれ」


⸻


 そう返す。


⸻


 だが。


⸻


「親の言葉ってね」


⸻


 美玲は苦く笑う。


⸻


「一番届かない時あるのよ」


⸻


 署長は何も言えなかった。


⸻


*


 そして数秒後。


⸻


「ところで神戸」


⸻


「なんだ」


⸻


「独身?」


⸻


「帰れ」


⸻


 即答。


⸻


 深夜の署長室に、

 久しぶりに笑い声が響いた。


⸻


第八章、ありがとうございました。


今回は“母親”という存在が加わったことで、

物語の空気が大きく変わりました。


特に美玲は、


* 空気を壊す

* 本音を暴く

* 隠していた感情を引っ張り出す


という役割を持っています。


だからこそ、全員が振り回される。


しかし同時に、彼女だけが見えているものもある。


それが、


「壊れる前の蓮」


です。


次章では、ついに病院から逃げた蓮を追うことになります。


そして真希と朝比奈。


本来なら絶対に共闘できない二人が、

最悪の形で手を組むことになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。