表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
折に触れて廻る2  作者: 馬場 ヒロシ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/20

第19章 はるか

恵美の登場であったが、なぜか2人には溝の様な違和感があった。“風はるか”はシンガーソングライターとして、地位を獲得していく。

風はるか・・

いったい君は何者なのか?

恵美・・君はいったいどこに向かっていく?


ヒロシが生きるこの次元が、確実に(にわ)かに騒がしくなった。

どこかに・・ゴールがある事は理解しているヒロシだったが、追い求める答えは得られず、繰り返される悲劇や、爆弾を持ち歩いてる様な危険な賭け・・

(俺はいったい何をどうしようと思ってるんだ?恵美を追い続け、死んでも構わないと果敢に挑み、負けても、振られても、自暴自棄に陥っても・・彼女を求めた・・。それは、恵美が自分の全てだったからだ。

だけど・・君は少なからず俺の傍観者になり、気にしているものの見ているだけの他人になっていった。俺が悪い?君を放置過ぎたから?

嫌になった?俺の恋愛遍歴や愚かな生き方に・・だとしても、君が俺を決して嫌いになる訳もない、俺も心から好きでいる。

だけど・・遠いんだよ。君との心の距離や、あの頃の様な純粋で懸命さが遠い過去に映るんだ・・

もしもすれば俺は、本当は君のことをもう好きじゃないのかな?そんな事も考えてしまう・・これこそ全てを見失ったタイムトラベルであり、タイムリープだ)

ヒロシは近くに居る恵美に会うには会うが、只々・・悩んでいた。自分がなぜ?タイムリープで幾度もの人生を駆け、彼女の事だけを想って繰り返したか・・

答えは実は無い?のではないか?そうも考えていた。


大学3年の秋・・

ヒロシはダメ人間からいつの間にか立ち直っていた。

理由は週一度の“風はるか”と過ごすスタジオでの音楽セッションだった。

ヒロシは新たな曲を彼女に数曲作り、毎週末に一つ一つ曲を紐解き教えていた。

この事が立ち直りの原因ではなく、毎週末に会える恵美に嬉しさを感じたからだった。

恵美はスタジオの外から、2人の演奏風景や歌唱する場面を覗き込みながら、アドバイスをしていた。

前ににも確か思った・・遠い存在が近くに思え、自然に心が安らいだはずだった。だけど・・何かが違う。


10月の終わりに大学に向かう道端で、車から降りる“風はるか”が見えた。

(今日は大学に来たんだ・・自分の音楽事務所の社長に、自ら音楽活動と大学生・・休む暇ないな)

「あゝ!谷君!」

「おお!おはよう!」

「あれ?今日は恵美の運転じゃ無いんだ?」

今日の運転手は何故か男性だった。

「・・どうしようかな?言おうかな?言わまいかな?凄く悩むわ」

「どう言う事?」

「あゝ!・・もう言っちゃえ!だって黙っていても、いづれ分かるし!ね」

「・・分かる?何が・・」

「実は嵐山ね、事務所を辞めたの。5日くらい前に・・」

ヒロシは自分の耳を疑ったが、確かに(事務所を辞めた・・)そう聞こえたのだった。

「えっ!意味わからないよ?どうして恵美が?」

“風はるか”は辞めた理由を、彼女が結婚するのだと説明したのだった。

昨年に見合いをした相手で、何度も恵美にアタックをしていたのだと聞いた。

「・・そんな・・そんな雰囲気は無かったのに。余りにも突然だよ。おかしいじゃないか!あり得ない!」

ヒロシは先週まで一緒に笑い、いっしょに食事をしたり手を一瞬繋いだりした記憶が蘇ってきたが・・

だが、繋いだ手を無理に払ったり、ヒロシに対して僅かだが暗い表情を見せていた。(“風はるか”の前だから・・仕方がないか)。そう自分に言い聞かせた。

「そっか・・ふふ・・どうも俺たちのストーリーは彼女が別の誰かと結婚する・・が終着駅なんだな。俺とはゴールインがない。過去で俺と別れたせいで。はーあア・・それで恵美は君の事務所辞める時・・幸せそうだったのかなあ?恵美自身?」

「うん!和かに笑って帰っていったわ」

ヒロシは一瞬感じた裏切感があったものの最終的にはそれでも彼女の幸せを祈るべきだと思うのであった。

「それで・・まあ・・良かった?・・のかもしれない。元々のストーリーに戻って良かったかもな?俺たち・・」

「ねええ、落ち込んでるの?それとも喜んでるの?」

“風はるか”はヒロシの泣き笑いの表情に、俄かに複雑な気持ちであった。

ヒロシは幸せを望むように言った。

「うん!凄く喜ぶべきだと思う。彼女は俺なんかが幸せにできる女性じゃない・・元々ね」

「う〜・・よく分からないけど、谷君は吹っ切れたの?嵐山の事?が。なら・・良いけど。」

ヒロシは吹っ切れたのではなかった。最初の元々の人生に戻ったのだった。恵美は高校生時代に付き合った初恋の人であり、別れた後に何度もチャレンジしたが、得る事は出来なかった女性であった。やっとの思いで手に入れれば不遇が襲いリセットされた。それは線路を何度変えても得ることのできない必然だと今更ながら気づいた。

1985年12月に恵美は高橋という苗字に変わり、ヒロシの元に戻らぬ遠い存在になった。

それから彼は本来ならギャンブルや深酒に女遊びに陥る人生だった筈が、真面目に大学に通い、週末は“風はるか”のスタジオに通うのであった。

音楽に(いそし)むことで、恵美を忘れたかったのも確かだったが、“風はるか”と居るとなぜか?気が休まる気もしたのだった。

彼女はアイドルから脱却し、シンガーソングライターとして再スタートを切り、大ヒット曲は無いものの、コンサートはいつも満員だった。

ひと月後・・

「ハイ!これ今月のアルバイト料!ご苦労様です!」

「おお!たくさん入ってるね。なんか嬉しい!・・えっと、う〜ん・・どうかな?」

「どうしたの?」

「・・あのさ、この後時間ある?」

「う〜ん・・あると言えばあるけど?」

「飯に行かない?美味いもの食べたくない?」

「えっ?彼女待ってるんじゃ?」

「ああ・・サユリね?俺たち別れたよ!」

「えっ!何があったの?あんなに仲良くしてたのに?」

「・・将来、遠い先だけど俺のせいで彼女に酷い事が起こる気がしてね!今のうちに火の粉は消しておこうかと。それに・・俺と恵美のこと知っていたから。いつもヤキモキしててさ」

「ふ〜ん。よく分からないけど」

「正確に言えば・・振られた!呆れたって!。週末は東京に出掛けて居ないし、平日は大学に図書館にバイト・・偶に部屋にいると思えば、ずっとギター弾いてる・・耐えられないって!」

「あれ?それって私が多少関わってる感じ?谷君の自由時間も私に費やして、彼女に振られたなんて・・私が責任取らなきゃ!・・じゃあ行こうご飯に!」

ヒロシは恵美が去ってしまった事で、独りになると無性に涙が出て、それをサユリに見られた。恵美の結婚のことをサユリに説明すると(思い出しては泣くほど好きなんだ・・だったら、私はこれ以上は無理。別れましょう・・)そう言い去っていった。又しても第一の人生がおかしくなったきたが、進むしかなかった。

2人は近場の洋食店でアルコール抜きで、ご飯を食べて”風はるか“の車で近隣の駅にに向かった。

「ねえ谷君・・明日のゼミ10時からだよね?」

「うん!そうだけど・・こんな時間だし早い?」

「流石にこの時間にマンションに帰って、寝るとなると夜中の2時だわ・・明日はマネージャーがお休みだから電車しか無いし・・寝る時間ないの・・とほほ」

「じゃあ!静岡駅前のビジネスホテルのに泊まったら?そこからならかなり時間の余裕があるんじゃないか?」

「・・そうね。そうするか!着替えは車にあるし」

「って?いつも車に着替えがあるんだ・・すごい」

ヒロシと“風はるか”は静岡駅前のビジネスホテルに行くのだった。しかし夜も遅く満室ばかりで部屋が取れなかった。

「あゝ・・仕方ないわ。車中泊ね。今更、マンションに帰れないし・・良いわよ、谷君は帰って。終電にまだ間に合うでしょ?」

「そうだね。でも・・さすがに元アイドルを車中泊にはさせられないよ。ん・・良かったら俺んちに泊まれば・・無論・・手は出さないよ!」

“風はるか”はヒロシをじっと睨み、本当かな?と疑う視線を送っていた。

「いや!嫌ならいいんだ。でもね・・お風呂は入りたいんじゃないかと思って・・」

「なんか・・谷君って口が上手いよね!女子が一番気にするところ突いてきて。嫌らしい・・」

「あゝ・・じゃあいいや!俺は帰るね!・・じゃあ明日ね。おやすみ!」

ヒロシはそう言いドアを開け駅に向かうのであった。

切符を買おうとして、財布から100円玉を出そうとしたところに、ツンツンと背中を指で突かれた。

「・・やっぱり泊めて。谷君の部屋に。・・でも何もしないでよ!一応は有名な歌手だからね・・」

彼女はそう言い顔を赤らめた。

2人は“風はるか”の車をパーキングに停車させ、終電でヒロシのアパートに行くのであった。

「まあ狭くて汚い部屋だけど、一応はお風呂もあるし、君が休めるベッドもあるから・・」

ヒロシは“風はるか”を部屋に入れ、お風呂にお湯を張ったのであった。

「もう少しでお風呂に入れるから、少しだけ待ていて。まあテレビでも観てて」

そう言いヒロシは狭い部屋の壁際に布団を敷いて、寝る準備をした。

「君はそのベッドを使って。俺はこっちで寝るから」

「うん・・ありがとう。谷君・・。じゃあ私、お風呂に入るわ」

そう言い彼女は風呂場に入るのであった。

ヒロシはテレビを布団に横になり見ていたが、先月の事を思い出していた。無論だが恵美のことであった。

結ばれないと知りながら、幾度もチャレンジして別の次元だが、彼女とも結婚して幸せであった。だが・・その幸せは長く続かず、(幸せだなあ)と思ったら泡に如く消え果てた。

彼女を思い、彼女を幾度となく失い、幾度となく助けられ・・簡単に吹っ切れるわけは無かった。

ヒロシはそんな事を思いながらいつの間にか眠ってしまった。

“風はるか”が風呂から出ると、涙を流しながら眠るヒロシが横たわっていた。

彼女はパジャマ姿で濡れた髪をタオルで巻き、横になっているヒロシの頬を手で触り、そっとヒロシの涙を指で拭った。

「強がり言って・・嵐山のこと誰よりも好きなくせに。我慢して・・かわいそうに」

そう言いヒロシの髪を優しく撫でるのであった。

次の日の朝、ヒロシは早起きをして珍しく朝食を作っていた。まだ“風はるか”は夢の中であった。

「もう起きな!遅刻するよ!」

「あ〜・・何時?」

「もう8時です。さあ、朝ごはん食べよう」

「すごーい!これ全部、谷君が作ったの?」

「まあ・・一人暮らしが長いからね。これくらいは当たり前かな」

テーブルには焼きたてのトーストに目玉焼きと焼きベーコンにフルーツ入りのヨーグルトに、レタスと刻みキャベツとカットトマトのサラダ・・それにホットコーヒーだった。

「ここに座って。はい、これホークね」

「谷君(笑)・・まだ椅子買っていないんだ。いまだに段ボールに座ってる」

「まあ・・これが俺のスタイルかな?えへへ・・あっ!ああ・・」

座っていた段ボール椅子が脆くも壊れたのであった。

「だから・・椅子もう一つ買いなよ!ね(笑)」

ヒロシはきょとんとして、笑う“風はるか”を見てバツが悪そうに笑うのであった。

その光景は・・ヒロシが夢見た、恵美との淡い生活のようで、ヒロシにはなんとも言えない出来事だった。


冬が進み寒さが身に染みる日だった。

「谷君・・そこのCの所だけど、マイナーにしようか?それともこのまま・・?」

「う・・Cの次にDmのキーでいこうか?・・でも字余りか?・・(ただ今は幻の)所だけど、(今現在)にしよう」

ヒロシは“はるか”の作った歌詞を少しだけ変え、字余りを回避するのだった。

「えー・・その部分、結構気に入っていたんだけど、まあいいか・・前後のバランスもいいし。やっぱり天才だね。谷君は!」

3ヶ月以上の音楽の共同生活で2人はすっかり意気投合していた。“風はるか”にとってヒロシはかけがえの無いパートナーになっていた。

「ねえ、谷君」

「えっ、なに?」

「来週の池袋のイベントについて来てよ!いいでしょ?なんか・・単独のインタビューって久しぶりで、かなり焦ってるの・・」

「今度の土曜日か?クリスマスだよね?」

「だから?・・誰かとデート?・・いつの間に!」

「違うよ。都内に行ってクリスマスとは・・些かカップルが多いのでは?・・精神的にきついな」

ヒロシは22歳の自分には今は、恋愛が起きうる筈もないことに少なからず劣等感があった。

「じゃあ・・嫌?なの?・・私、勝手なこと言っちゃうよ!来月にアルバム発売するとか、谷君にオッパイ見られたとか・・」

「おいおい!辞めてくれよ、アルバムって、到底無理だろ!まだ試作中だし・・それに君のオッパイ見た?君が見せたんだろ!痒いとか言ってTシャツ上げてブラを掻いてた・・そんなの見てないと同じだよ」

ヒロシは赤くなりながら、彼女の話に対抗するのだった。

「じゃあ!一緒にきてよ!ねえ・・いいでしょう?ねえ・・Hiroshi Tani」

「まったく・・都合の悪い時には猫声で(Hiroshi Tani)

のペンネームを使うんだから」

この頃の“風はるか”のアルバムの曲の殆どは、編曲にHiroshi Taniの名が記載されており、ヒロシにも印税が少なからず入ってきたのであった。

そんな12月24日にヒロシは”風はるか“のイベントについて行ったのである。

「えー”風“さん!最近は独自の曲作りと言うか?大人の雰囲気を醸し出してますよね、それってアイドル時代と何か大きな変化があったんですか?」

「・・大人か?・・私は元々は今のように自分を自由に表現したかったんです。アイドルで生き残るのは、私みたいに取り柄がない人には続かないって・・早くから気づいていました。だから・・です」

「そう言えば、脱アイドルで多くのファンを失うかと思っていましたけど、コンサートでは満員御礼ですし、何か大きな出会いとかあったんですか?」

「そうね・・彼ね!編曲を担当する彼に出会えたことでわたしの音楽性が変わりました」

「あゝ・・Hiroshi Taniさんですね!音楽の天才と言われる谷さんですけど、普段から手厳しいんですか?凄く一音に拘っていますよね?」

「う〜ん・・どうかな?厳しいと言うか・・(愛)?かな。言葉も音も彼と私にとってはお友達だし、近い存在なんです」

「へー・・具体的には?」

「真理や心の動揺・・彼がこう、編曲するかな?とか、今時点で私たちの心の奥底にあるギャップや、日常にある時間の流れをそのまま活用して、一番当てはまる言葉や音をチョイスするわ。すると同じ答えが現れるの・・それが私とHiroshi Taniです」

「何か意味深ですね?・・もしかして?」

「あり得ません(笑)。彼には心に思う人がいて、私は案山子なんです。無論恋愛相手じゃないです」

”風はるか“のインタビューはヒロシにとってドキドキものだった。暴走する癖があるからだった。

だが今日は冷静にインタビューに答えるのであった。


イベントの帰り道・・

「少し・・意味深すぎじゃ?変に取られるよ!気をつけて!・・俺と君はこれからもいいパートナーでいたいから・・」

”風はるか“は下を向き

「ああ〜あ、また谷君のお説教ね!ハイハイ・・言葉には気をつけますよ!」

そう言う彼女の顔は少し暗かった。

「・・まあ、君は案山子ではないけどね。少なくとも、俺の今を救ってくれてる人だから・・」

ヒロシには”風はるか“との出会いがなければ、死に体であった事を如実に感じていた。

「・・だったら、私のこと好き?女として?」

「えっ!き・・急だな!」

「隙間あるでしょ?・・谷君には?・・その隙間に”はるか“はいかが?」

「冗談はよしてよ!からかわないで!」

「・・冗談じゃないよ。君の苦しみや悲しみ・・ずっと見てきたし、谷君が壊れそうで・・その壊れたパズルを一度バラして、私にちょうだい・・私が完成させるわ。君と・・これからも生きたいから・・ね」

”風はるか“は顔を赤らめた。ヒロシには初めて見せる彼女の表情だった。

「・・ダメだよ。俺なんて・・未練たらしいし、酒好きで女たらしだし・・それに君は大スターだよ!俺みたいな一般人とは訳が違う」

”風はるか“はヒロシの話を聞くと意を決したように

「・・だったら。・・私は歌手辞めるわ!大スターが嫌なら・・惜しくも何ともないから・・」

「おいおい!ダメだよ。変な考えはよしなよ」

「・・私、真剣だよ!君を手に入れられるなら、大好きな歌は捨てる・・覚悟はあるよ!」

「・・いったい、いつからそんな事考えてたんだ?」

「君に会った19歳の時からだよ。・・最初は音楽センスや、背が高くて、好みのビジュアルって所だったけど・・一緒に活動してたら、なんか・・気になって、放っておけなくなって・・君が泣いた晩、思ったの。私なら絶対に泣かせるような彼女にはならないって。そうしたら・・いつのまにかパートナーの枠を越えてた。・・好きになってた・・」

ヒロシには彼女の話が冗談ではないと思えるのだったが、これからの彼女の夢を守りたいとも思った。

彼女の歌手としての魅力は分かっていた。だが・・それとこれとは話が違う・・

“風はるか”はそっとヒロシの手を握りしめて

「私・・嵐山恵美にはなれないけど、君を一生好きでいられる自信があるよ。君がいたら・・私は幸せだし、ずっと歌える気がするんだ・・」

その真剣な眼差しと、嘘とは思えない彼女の言葉がヒロシに響いた。

「・・じゃあ、う〜ん・・付き合うか?俺と・・」

「・・ううん。ダメ!・・また君は逃げるかも!」

「じゃあ!どうするんだよ?」

「・・結婚しよ!私と」

「えっ!・・結婚?何故に?」

「私・・ずっと捕まえていたい。Hiroshi Taniを。と言うか、谷ヒロシは私だけを見て欲しい。私だけのヒロシにしたいの!・・ダメ?」

ヒロシには余りにも衝撃すぎる言葉で、膝がガクガクいったが、学生である自分と彼女は、どうしていくかが気になった。

「・・俺まだ学生だよ?それに就職もしてないし!」

「何言ってるのよ!既に立派なプロデュースしてるわ。だから私と事務所の新人をプロデュースすればいいの!大学もあと1年だし!既にいっぱい稼いでるじゃないの。お互いの生活には困らないわ」

そうであった・・ヒロシの作った曲が売れ、既にお金には困らないほどであった。

「・・しかし、学生結婚?いささかなあ・・」

「私ね!・・そんな馬鹿げた人生は君としかできないと思ってるの。私の・・全部あげる。ぜーんぶ!・・だから、君の全ても私にぜーんぶ下さい・・キャ!すごーく恥ずかしい!」

そう言いヒロシをつねった。


周囲には最大限の注意を払い、ヒロシは今までのアパートに住み、週末に彼女のマンションに行き、スタジオではいつものように楽曲制作に邁進した。

ヒロシと“はるか”が23の時に、2人は極秘で婚姻届をだし、夫婦となり遠距離で新婚をおくった。

週末が待ち遠しい2人だったが、土日は2人にとって幸せな新婚生活であった。

「ねえ、ヒロシ君・・何をそんなに見てるの?」

ヒロシは彼女のマンションで、一枚の紙をじっと見ていた。

「・・なあ!君って、本名が岡サユリだったんだ・・と思って。どこかで聞いたことある・・だよな」

「えっ!今更そんなこと思ってたの?・・結婚したから、今は谷サユリですけど・・」

「それもそうだけど・・(第一の人生と同じ名前というのは偶然?)・・意味深なのは君の本籍が俺の実家の近くだから不思議なんだよ?こんなに近くに居たのに気づかなかった・・あり得る?しかも女好きの俺が、こんな美人を見てないなんてあり得ない!」

「まあ・・このビジュアルな美人の私に気づかなかった、ヒロシ君がメクラだったのよ!」

ヒロシにはこんな大スターが自分の実家のそばに住んでいたとは、不思議でならずしかも、高校時代にも一度も会ったことがないのが不思議であった。

「どっかで・・会った?俺たち・・」

サユリは髪を乾かしながら言うのであった。

「会ってるよ!私たち・・高校時代に」

「どこで?」

「う〜ん・・ヒロシ君は覚えていないと思うけど、高校2年生の夏祭りで、ヒロシバンドがステージで生演奏したよね。しかもオリジナル曲・・ショッキングだった。高校生でこの完成度・・信じられなくて、ステージが終わった後にあなたを待ち伏せした。そしたらこっちにきて、女子たちからキャーキャー言われるヒロシ君に聞いたの。(誰を思って歌ったの?)って。そうしたらヒロシ君は(見えない人・・)って答えて塞ぎ込んでたの。その時に私はきっと有名になって、この人をゲットするわ!・・そう決めた。それで次の日に東京に出てアイドル目指した。手っ取り早いから」

ヒロシの微かな記憶にその女の子の印象が残っていた。ごく僅かだが、その声を覚えていた。

「そうか・・あの時の美人ちゃんだったのか?田舎にしては、こんな美人がいるんだと思った日だった。・・でも、大学で会った時に何も言わなかったよね。その事を。言えば直ぐに分かったのに」

「だから・・ヒロシ君は女心が分かってないのよ!その時も嵐山のことばかりだったでしょ?そこに私が勇んでも結果が見えてたし、心は掴めなかった」

「そんな昔から俺を狙っていたのか?やば!」

「・・いいでしょ!好きだったんだから・・私は・・

ヒロシ君が気付くまで忍耐だったよ」

ヒロシはそんなサユリが愛おしくなり、そっと抱き寄せ口付けをした。

「・・今日は・・泊まれるんでしょ?」

「うん・・泊まる。一緒に寝よう・・」

「・・嫌らしい。でも・・今日は一緒ね・・」

そう言うと2人はベッドに入り寝そべった。

サユリのパジャマをそっと脱がして、ヒロシも自分の着ていたシャツを脱ぎ、ジーンズを脱ぐとそっと布団をかけた。

「ねえ・・抱いて・・結婚して初夜未だだから」

「今夜が・・初夜・・だけど、少し興奮するな」

「何言ってるのよ。私たち夫婦なんだから・・」

サユリは自分でブラを外し豊満なバストをヒロシに預け、ヒロシは下着を脱ぎ舌を絡ませた。

ヒロシは思った・・ステージではあんなに大きく見えた彼女はベッドでは普通の女性で、自分と変わりないと・・

2人は何度も愛し合い、激しく時には優しく愛撫し合った。朝まで時間を忘れるほどであった・・

「なあ・・サユリ。俺・・良かったんだよな」

「えー・・エッチ・・良かった?なんて。当たり前でしょ。いいに決まってるわ。気持ち良かったし・・って、何言わせるのよ!」

「ふー・・そうじゃなくて!このSEXしたことは、夫婦だから許されることだよね!ってこと!」

「ああ(汗)・・そう言うこと・・勘違いしちゃった。・・いいの!今の私は天下の“風はるか”じゃないわ。あなたの奥さんの谷サユリ・・なんだから」

そう言いヒロシのイチモツを掴んだ。

「えー・・まだ?」

「うん・・もう一回だけしよ!・・ね!」

サユリはイチモツを掴んだまま、ヒロシの上に乗りイチモツを自分の陰部に入れた・・ベッドが激しく揺れると共に大きな胸が上下左右に揺れ、ヒロシのイチモツも大きくなり、サユリを抱き寄せ乳首をそっと吸うのであった。


そんな休日明けに大学では、ある噂が広がっていた。

ヒロシとサユリの噂が大学中に知れ渡った。

「なあ知ってるかよ?音楽経済学の谷が、元アイドル歌手の“風はるか”と付き合ってるって!やばいよな」

「音楽の繋がりで意気投合したのかな?」

「一般人と元アイドル歌手・・週刊誌が騒ぐぞ!まあ・・いいネタだよな・・それに・・」

「それに何よ!教えてよ!」

「おお!“風はるか”!・・驚いた(汗)」

「・・それに何よ!教えてよ・・」

「だから・・谷とあなたが、あの・・えっと・・お付き合いしてる・・というか・・話・・です」

「何だ!そんな事!・・そうよ!私は!つき・・ううっ!だから!私はうう・・」

後ろからヒロシが“風はるか”の口を塞ぎ、大汗を流し抑えながら彼女を引っ張って行った。

「ううう・・放しなさいよ!痛いわよ、ヒロシ君てば!いきなりどうしたのよ!」

「はー・・まったく。・・さっきなんて言おうとしたんだ。変なことを言うつもりだったでしょう?」

「まあ・・少しね言おうかと。2人のお付き合いは事実だって・・いいでしょ!少しくらい。それにヒロシ君に変な虫も寄ってこないようにね」

「ダメだよ。2人だけの秘密だろう。そう決めて結婚したんだから・・みんなにバレたら、業界に大きな衝撃が起きて収集つかない。絶対に秘密にね!分かった!」

ヒロシは何度も何度も諭したのだった。

“風はるか”は仕方がなく、ヒロシに従うのであったが・・その会話をそっと録音する者がいた。

ニンマリと笑い、マイクロレコーダーを胸ポケットにしまうとそっとその場から消えた。

それから数日が経ち・・2人同時に差出人の宛がない手紙が届いた。千切った新聞紙の文字で次のように表現されていた。

「知ってるぞ・・2人が極秘で結婚したの・・バレたらきっと大騒ぎだよな。まあ・・黙る方法はあるけど、かなり高額だ。1千万円ほど用意してもらおうか。細かいことはまた今度・・」

ヒロシもサユリもガセネタと思い手紙を破って捨てたが、その次の日にカセットテープが送られてきて、中身を確認して驚いた・・あの日、影で2人が密談した内容が録音されていた。録音の後に差出人らしき人物の音声も入っていた。ボイスチェンジャーを使いバレぬように声を変え、お金の振り込み先を指定してきた。

2人はその夜にファミレスに変装して待合せした。

「ねえ・・ヒロシ君。何で変装するのよ?しかもファミレスで・・」

“風はるか”は小声でヒロシに確認するのであった。

「・・どこかで見張ってるかもしれない。用心には越したことないからね。週末なら会っていても不思議じゃないけど、平日に会う理由が付かないから」

2人はそう話を合わせて、バラバラにスタジオに入って行った。

「ふー・・疲れるわね。大丈夫?」

「ああ・・大丈夫だよ」

「だけど・・よくもまあ私たちの密談を録音できたわね?偶々、あそこに隠れていたのかな?」

「ずっと怪しまれていたかも知れない・・俺が毎週アパートに帰っていない事を知っているようだった。・・ごめん、俺の方から足がついたかも・・」

「ううん!犯人が悪いわ。録音データを元にお金を揺するなんて・・犯罪だわ!訴えましょ!」

「ダメだよ・・そうしたら、全国民に“風はるか”が極秘婚をしてたと分かってしまうよ!そうなったら、君に大きな打撃になるよ!・・ここは冷静にいこう」

「でも悔しいわ。お金は良いけど、その人の根性が気に食わないわ」

「それは俺も同じだよ!・・でも今は差出人を刺激しないようにすべきだ。音声が業界に流れたらアウトだからね・・」

「そうだけど・・」

「俺に任せて」

ヒロシは自分の貯金を叩いて、1千万の大金を差出人の指定した口座に振り込んだのであった。

それからひと月間は何も無かった様に過ぎ、録音データも入手して廃棄した。

だが・・ヒロシの前にその男は突然現れた。

男は今度は婚姻届の写しを手に持ち脅してきた。無論、音声データのコピーも一緒だった。

さすがのヒロシも我慢の限界になり、男から写しと音声データを奪おうとした。

だが男はまるでボクサーの様にヒロシの攻撃を空かし、逆にヒロシにボディーブローと右の頬にストレートを入れたのであった。

ヒロシは苦しそうに道端に倒れ苦しんだ。男は去り際に言うのであった。

「お前じゃ話にならないな。“風はるか”に会うから、あんたはそこで倒れてな!へへ・・」

ヒロシは苦しみながらも、男の脚を押さえ離さなかった。

「この野郎!離しやがれ!」

そう言いヒロシの腕を靴で踏み付け、骨を折った。

それでもヒロシは男の脚をを離さずにいた。と・・その所へ警官が「何してるんだ!」と走ってきた。

「くそ!やばい!」そう言うとヒロシの頭を蹴り上げ、腕が解けると、一目散に逃げていった。

1人の警官はその男を追い、もう1人はヒロシの元に駆け寄った。

「大丈夫ですか!」

警官がヒロシを抱えると、苦悶の表情をし右腕を押さえた。

警官が直ぐに救急車を要請し20分ほどで到着した。

病院に運ばれたヒロシは、緊急手術を行うのであった。肋骨と手首を骨折しており、頭にも大きな打撲が見受けられた。

手術は無事終了し、病室に移され安静が必要だった。

ヒロシの両親が病院に駆けつけ、ヒロシが目を覚ますのを待ったのである。

ヒロシの持ち物には、“風はるか”との関係を示す、持ち物がなく警察は両親に連絡したのであった。

半日ほど眠っていたヒロシは目を覚まして、病院の天井が見え自分が運ばれたと気付いた。

「ヒロシ!ヒロシ!分かるか?父さんだ」

そこにはベッドの横で心配する両親がいた。

「・・ご・めん・・ね・・。心配・・かけて・」

ヒロシの母親は薄っすらと涙を流すと

「喋らないで・・今はゆっくり休むのよ」

畑仕事で忙しいのに、こんな遠くまで来てもらい、ヒロシは自分が情けなかった。というより自分が弱い・・そう実感した。

それから2日ほどでやっと普通に喋れるようになったヒロシは、警察からの聴取を受けた。

「どういう事です?犯人とは初対面って?」

「トラブルです。すれ違い様に僕の肩があの男にあたった・・そうイチャモンをつけられて・・」

「でもね、おかしいですよ。犯人は執拗にあなたを殴る蹴るの暴行を加えたんですよ。肩があたった位でそこまでしますかね?」

「僕があの男に暴言吐いたんです。チンピラ・・って。そうしたらこんな怪我までしました」

「う〜ん・・分かりましたが、あなたが手で握っていた紙の切れ端は何なんです?何かの写しみたいでしたが?手術の前までしっかりと握ってましたよ」

ヒロシは無意識で、男から奪い返された婚姻届の写しの紙切れを離さなかったのだ。しかしかえって良かった気もした。もしそれが何であるかが分かったら、サユリの活動は終わってしまい、夢も希望も失われるところだったからだ。

警察の聴取は30分程で終わり、犯人の手掛かりが無いと最後に伝えられた。

入院して1週間が過ぎ、ヒロシは少し歩けるようになり、両親も安心して、家に帰るのであった。

ベッドに横たわり天井を見たヒロシは少し笑い独り言を呟いた。

「良かった・・サユリのこと隠し通せた。これで良かった。・・でもアイツ、サユリに手を出してないよな?それだけが心配だ・・まあ俺が大事になってるから、そんな無謀なことも直ぐにはしないか・・」

ヒロシはテレビをつけニュースを観ていた。

そこで恐るべきニュースが放送された。

「さて、次はエンタメコーナーです。先ずはショッキング?はたまた驚きと祝福?平アナ、お願いします」

「はい!・・元アイドル歌手でミュージシャンの“風はるか”さんが緊急会見を開いてます。中継がつながっていますので、ライブ映像でご覧ください・・」

テレビには“風はるか”緊急会見のティロップが表示され、長机に置かれた椅子に座る“風はるか”が座り、会見が始まろうとしていた。

「えっと・・本日は私事の会見にお集まり頂き恐縮でございます。・・また日頃より私を応援いただいておりますファンの皆様ありがとうございます。今日はこの様な場所で、皆様にお伝えしたいことがあり会見を開くことにしました」

彼女はシーンと静まり返った会場の真ん中で、シャッター音とフラッシュを浴びながら話を始めた。

「えっ・・私は17でデビューして、23のこの日まで好きな歌を歌えていることに感謝しています。多くの人が私の歌を聴いてくれ、多くのメッセージや応援をいただいております。・・しかし・・私は皆様に黙っていた事があり、今日はそれを伝えたくお集まり頂きました」

ヒロシは(言うな!言うな!)そう心で念じたが。

「私は半年前に結婚をしました」

多くのカメラからフラッシュが焚かれ、画面が最大限に光るのであった。

「お相手は・・私のプロデュースをしてくれてる谷ヒロシさんです。彼を愛しています・・」

「このような秘密を持ってしまい、多くのファンの方々から罵声を受けることも承知ですが、彼は半分は一般人です。だから・・私たちをそっとしておいて下さい。お願い致します」

そう言うと彼女は椅子から立ち上がり、深々とお辞儀をした。

記者や各メディアからは質問攻めであった。

「なぜ、急に発表する事にしたんですか?隠し通すことも可能だったのでは?」

「・・うーんそうですね。そうかもしれません。でもなんか皆さんを騙してるみたいで・・」

「一般人の谷さんですが、今日は会場にいらしてるんですか?取材とかさせていただけないですか?」

「ごめんなさい・・今日は来てません。それに彼は酷くメディアを嫌う人ですから、インタビューは申し訳ないですけどNGです」

「いつから谷さんとお付き合いして、いつから結婚の意思が決まったかを教えてください」

「えっと・・実は17歳の高校生の時に主人と会って・・」一斉にフラッシュが光った。

「もとい・・17でヒロシバンドという素人バンドをあの人がやっていて、それを生で聴いたんです。・・そうしたら、こんな素人いないよって感じて一瞬で一目惚れしました。それでアイドルデビューして時を待ちました。必死で彼の居場所を探してました・・そうしたら、同じ大学に彼が入学する事を偶然知って、そこからは私の行動で彼にアタックしました。

プロデュースも私が仕掛けて彼を巻き込み、シンガーソングライターの道を開いたんです。・・彼の音楽センスがなければ、失敗していたと思います。それから急接近して・・いつの間にか籍を入れてました。それも私からの提案です。あの人を・・逃したくないから。その一心で決めました」

「ここでこの様な発表をするのは、妊娠してるとか?それとも・・他の要因があるのでは?」

「妊娠はしていません。ただ彼が好きですし、みんなから祝福もされたくなって・・でも?逆効果ですね」

ヒロシは最後まで彼女の会見を見るとテレビを消して、ベッドにぐったりと寝そべった。

(あーあ、やってくれたな・・これで終わりだ。元アイドル歌手で美人の彼女はビジュアルや男を惹きつける魅力があるから売れてる・・だけどこの発表で人妻と分かれば、メディアも多くを書きたてるし、ファンもフェイク記事と気づかずに読んで離れていくだろうな・・俺たち終わりだ)

ヒロシの心はサユリの心配が大きかったが、周りへの迷惑もかかるのでは?と心配したのだ。


その晩・・

病院の消灯後にヒロシはライトを点け、メモを書いていた。それはある歌詞を書いていた。

事件に巻き込まれ、最愛の彼女の決死の記者会見・・この苦しくも悲しくも、時に嬉しさもある感情を歌詞として残した。

ライトを消し眠ると、そっと誰かがベッド横の椅子に座る感じがあった。

「ごめんね・・痛いでしょ?しかも私のせいで2度目・・ほんと私、疫病神だよ。でもね・・私はあなたが大好き・・誰にも譲れないわ。今の私は君がいてくれたら他は何も要らないだよ。決してもう・・こんな苦しみ与えないわ。これから私が確りと守るから。音のズレはボタンの掛け違い・・君と私はそうはならないから・・ずっと同じ音だそうね」

そう言いヒロシの口に口づけをした。

ヒロシは寝たふりをして、彼女の言葉と心を感じ取っていた。

翌朝目が覚めると、彼女はヒロシの胸で寝てしまっていた。ヒロシはそっとベッドに座り起き上がり、自分のカーディガンを彼女の背中に掛けた。

その寝顔が可愛いくて愛おしく思い、彼女の顔に掛かった髪をそっと肩に流した。

「俺だって一緒だよ。君が居るから生きてる。大好きだよ俺も・・。怪我は仕方がないよ。男だから・・君が俺を守るのなら、俺は君を助ける・・どんな屈強も君となら越えていけそうだ。ありがとう・・」

すると寝ているはずの“風はるか”の目から涙が・・

「何だ・・寝たフリか?」

「・・ヒロシ君だって昨夜寝たふりじゃん。私の話を聞いてたのね・・あゝ恥ずかしい」

ヒロシはふくれたサユリを抱き寄せキスをした。

「さあ・・これからどうしようか?」

「犯人は捕まったわ。私が警察に話したの。それにちょっとショック!何で私に連絡くれないの?奥さんなんだけど!」

そう言うと“風はるか”がまたふくれツラをしそうだったので、ヒロシは短くキスをして微笑んだ。

「もう!ずるい!キスされたら・・何も言えないわよ」

ヒロシは彼女を抱きしめて「ありがとう・・いろいろと考えてくれたり、解決してくれて」


だがこの幸せが徐々に壊れるであった。


続く






結婚と大怪我・・だが幸せを掴んだヒロシだった。

絆を持って2人にとんでもない事件が襲う。

次回に!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ