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孤独の栽培人~栽培アプリで生活向上~  作者: 骨肉パワー
一章 グリーン・ライフ

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第7話「植物 1」

「いや~…まさか早速ポーションが役に立つとはな」


 翌日、そこには呑気にラーメンを食べる大助の姿があった。


(収穫予定の草は全部ダメになったが、それ以上に得た情報は大きい。労働力に関しては死守できたしな)


 大助にしてみれば「お助けモンスター」は金のなる木だ。大事にしない理由などない。


「というか、普通にイベントとか起きてびっくりしたぜ」


 放置モードはただ放置していれば大丈夫というわけではない。敵に備え、装備やアイテムなども充実させておかなければいけないのだ。


(タワーディフェンスに近いゲーム性だな。お助けモンスターは残りのライフ。ポーションやら草やらは便利アイテムと言ったところか)


「となれば、やるべき事は1つだ」


 大助はショップ画面を開いた。


「今後絶対に必要な物を先に買っておく。備えあれば憂いなしというやつだ」


 手始めに不要な雑草を売りコインを稼ぐ。そのコインで低級ポーションを5つ、剣や盾などの防具類、パンなどの食料品、ポーションを大助は購入した。そしてこれら全てを放置モードのアイテムボックスに入れておく。


(これで俺の手持ちコインは0だ。このアイテムをどう使うかは全てあのウサギ…いや、ラビ次第だ。上手く使ってくれよ)


「さてと、もっともっと植物を栽培しますかね…」



 翌日、夜勤の仕事が終わり大助が自宅に帰ってきた。


「あ~…まったく、中々に面倒な仕事だったなぁ……」


 真っ赤に汚れた服を洗濯機に投入し手早く普段着に着替える大助。


「さてと…」


 用事を終わらせた大助が早速アプリを起動する。


(昨日は放置モードのイベントにびっくりしちまって、他の機能とか確認できなかったからな…色々と確認していかないと)


 メインモードから栽培可能リストを表示する大助。


「ん~…と、新しく追加されたやつは……これだな」


・解毒草


・火炎草


・食虫植物(低級)


「また何か変なのがあるな……」


(まあいいや。とりあえず詳細を見てみるか)


・解毒草


解毒効果のある草。解毒ポーションの材料や様々な薬品などにも使われている。そのまま食べても効果がある。


「お~…」


(悪くないな。「毒物」やら「薬物」への対策は結構面倒なんだよ。金も掛かるしな。こいつがあれば色々と便利だ)


「量産決定だ。次は……」


・火炎草


炎の成分を含んだ草。口に含む事で火炎系統の魔法を使う事ができるが命の危険がある。武器の加工などにも使用されている。


(魔法か……)


「いいね。魔法。ぜひとも使ってみたいもんだな。ん~…だけどまあこんな危ない草、近所じゃあ使えねえよなぁ?」


(火が出るんだろ?…人目がある場所で実験なんてしたら即通報されちまう)


「現代日本だと攻撃的な効果を持つ道具ってのはイマイチ扱いずらいよな。…まあいいや。そんで問題は次なんだが……」


・食虫植物(低級)


異世界の食虫植物。小さな虫などを食べてエネルギーにする。水や日光だけでも生存可能。驚異的な生命力を持っている。


「…正直めっちゃ気になる。異世界の食虫植物、一度は見てみたい」


(意外と知られていない話だが、食虫植物は虫を食べ過ぎるとエネルギーを使い過ぎて枯れてしまうんだよな。その辺の弱点とかもどうなってるのか非常に気になるぜ)


「驚異的な生命力とか書いてあるしな。ハエとかゴキブリを半永久的に始末してくれるなら部屋に1つ置いてみるか?経過を観察するだけでもめっちゃ面白そうだしな」


「…よし。まずはこいつから育ててみるか」


 育成可能リストから食虫植物を選び畑にセットする大助。


「ふおぉぉぉぉおおおおおお!!」


(栽培開始だ。この虚無の時間も悪くはない)


 ただひたすらに草をタップする大助。この時間を無駄にする行為がたまらないのだ。そしてその先にはまだ見ぬ未知が待っている。必然的に大助のやる気も上昇していく。


「ふおおおおお!!……あれ?おかしいな…?」


 違和感を感じた大助が一時的にスマートフォンをソファーに置く。


(初期の雑草のときはもっと早く完了したんだけどな。この植物の状態はまだ半分ほどと言った感じだぞ?)


「…ふむ」


(…栽培の難易度が上がっているのか?まあ当然と言えば当然の話か。となると効力やレアリティに応じて更に難易度が上がる可能性もある。まあ、これはこれでやる気も出るけどな)


「いいね。ゲームだろうが現実だろうが困難を乗り越えるからこそ面白い。そんじゃ栽培再開と行きますか…」


「ふおおおおおおおおおおお!!」


 それから数十分ほどが経過。ようやく栽培が完了する。楽し気な表情を浮かべた大助がワクワクしながらその草を倉庫へと移動させた。


「…?」


・食虫植物(低級)ラビットタイプ


(名前の横に文字?ラビットタイプ?…種類か何かか?)


「まあ出してみれば分かるか。ソファの上は…マズいか。ならテーブルだな」


 大助がテーブルまでスマホを持ち移動する。


「ここなら大丈夫だろう。さあ来いよ。食虫植物(低級)ラビットタイプ」


 ポン!という音と共に、鉢植えから生えた食虫植物が召喚された。そしてその姿を見た大助が驚く。


「おお~……」


(なんだこの植物は?…随分とまあフワフワとした感じだが……)


 細い管のような部分に繋がっている、うさぎのような小さい生物が4匹ほど大助を見ていた。愛くるしい姿でぞれぞれがふわふわと宙を浮いている。白い羽のようなものが生えたその姿は小さな天使にも見えた。


「…ん?待てよ、こんな感じの植物どっかで見たような気がするなぁ……」


 大助がスマートフォンの検索機能を使い調べ始める。答えにたどり着くのに然程時間はかからなかった。


「やっぱそうだ。これウサギゴケだな」


 ウサギゴケ。正式名称「ウトリクラリア・サンダーソニー」タヌキモ科南アフリカ原産の食虫植物。ウサギゴケ最大の特徴は花の形がうさぎのように見えること。コケと勘違いされているがコケではなく、地下茎で小さい虫を捕食する食虫植物だ。繁殖も容易で、日本のホームセンターなどで普通に売られていることもある。


「確か下の方にある部分が本体だったと思うんだが……やっぱりそうか」


 地面の根っこの部分が不自然に膨れ上がっている。そしてよくよく観察してみるとうさぎのような小さな生物たちの体も管を通して植物と一体化していた。


「なるほど…この可愛さで油断した哀れな獲物をパクッといくわけか。いいね。そういうの嫌いじゃないよ」

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[一言] 奴隷ウサギにメルマ王国の雑草を育てさせて売れば良いんじゃない?
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