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孤独の栽培人~栽培アプリで生活向上~  作者: 骨肉パワー
一章 グリーン・ライフ
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第7話

「お助けモンスターを1体選んでください」


 画面が切り替わり、7体ほどの色とりどりなモンスターが表示された。


「…んん。これは悩むな」


 1体だけという制限から、この選択は今後かなり重要になってくるのではないかと大助は考えている。


(青色の…スライム?この緑のやつはゴブリンか?…この黒い靄のようなやつは何なんだ?)


 迷いながら選んでいると、とあるモンスターの画面で大助の手が止まった。


「…ふむ…中々に可愛いな」


 栗色の髪、白く長い耳、丸い尻尾。ウサギのような外見をした少女タイプのモンスターが目に留まった。長い耳は怯えたように垂れ下がり、不安そうな瞳で周辺を警戒するその姿は大助から見ても憐れみを感じさせる姿だ。


(良い目をしている。あの目をしているやつは絶望の中でもわずかな希望を持ち続けられるタイプだ)


「いや、でもな~…んん」


 実用性を取るか面白そうなものを取るか。大助は悩みに悩んだ。そして最終確認の意味も込めてウサギ娘をタップし、詳細を確認する。


・モブ・ラビット


食物連鎖の最下層に位置する魔物。魔力、戦闘力共に最弱クラス。


「モブ・ラビットにしますか?」


(…能力値やら才能なんてものはどうでもいい。本当に重要なものは心の強さ。つまり精神力だ。この子からは感じるんだよ。そういう不屈の魂の可能性ってやつを。まだまだ鈍色の小さな石ころに過ぎないが、いつかはきっと……)


「そうだな。そうなったらとても面白い。……OKっと」


 画面が再び切り替わり、箱庭のような世界を上空から見下ろす視点へと変化する。場面が広い畑のような場所に変わった。そこにポン!という音と共にモブ・ラビットが召喚された。


「放置モードでは設定した植物をお助けモンスターが自動で育ててくれます。モブ・ラビットに指示を出しますか?」


 説明文と共に放置モードの注意事項が表示された。


・プレイヤーはメッセージをお助けモンスターに送ることができます。


・お助けモンスターの原動力は魔力です。魔力の管理には十分に注意しましょう。


「ふむ。メッセージか」


 テキスト画面を開き、物は試しとモブ・ラビットに指示を出す。


「ミントを育ててくれと。…こんな感じかな」


 メッセージを送信すると、再び画面に文字が表示された。


「モブ・ラビットがじょうろを要請しました。購入しますか?」


「ぬっ?まあ必要経費ってやつか。購入っと」


「ショップメニューを開きます」


 画面が再び切り替わり、無人の商店のような場所に移動した。


「ショップ内のアイテムはコインで交換する事ができます。じょうろを選択し購入してください」


 指示に従いじょうろを購入する。料金は初回無料と表示されていた。そして画面が畑へと切り替わる。


「お助けモンスターにアイテムを渡したい場合はアイテムボックスを使用する事で可能です。じょうろをアイテムボックス内に移動させてください」


「ほいっと」


 アイテムボックス内にじょうろを移動させる。すると、モブ・ラビットが移動を始めた。


「どこに行くんだ?」


 しばらく行動を眺めていくと、一軒のボロ小屋へと辿り着いた。立て付けの悪い木造のドアを開き、モブ・ラビットが屋内へと入っていく。そしてガサゴソと赤色の箱を漁り始めた。


(なるほど。あの箱がアイテムボックスか)


 じょうろを手にしてモブ・ラビットが上機嫌に畑へと戻っていく。

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[一言] 奴隷ウサギにメルマ王国の雑草を育てさせて売れば良いんじゃない?
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