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孤独の栽培人~栽培アプリで生活向上~  作者: 骨肉パワー
二章 ドラゴン・バケーション
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第61話

「これで今度こそ終わりだ…!!」


(間髪入れずに止めを刺しに来やがった。…最高だぜ。ワクワクが止まらねえよ)


 三度こちらに突っ込んで来た女に合わせ大助も前に出る。武器を複数持っているのは殺し屋だけではない。大助もこういう事態に備え予備武器をいくつか倉庫に貯蔵していたのだ。予備の十手をスマートフォンから引き抜き大助が迎撃態勢へと移行する。


「さあ来いよっ!そのオモチャなら俺を殺れるかもなぁ!?」


「馬鹿が!防御など意味がない事にまだ気が付かないのか!?」


「それは刃の部分だけの話だろ?」


 大助が大鎌の刃の部分を避け、持ち手を狙い十手を打ち付ける。そして勢いが落ちた大鎌をその体で受け止めた。


「はあっ…!?」


「お~痛たたたた…!おいおい~どれだけ俺を喜ばせれば気が済むんだああああ?」


 刃が大助の腹部に突き刺さり肋骨を抉る手前で停止する。まさに捨て身の作戦。大助は自身の肉と骨を使い敵の武器を無力化したのだ。


「ダメダメ~…しっかり体重を乗せないと人間の骨は断てないぜ?」


 噴き出す血が大助の十手に集まり螺旋状に回転を始める。これは魔力操作を極めた者だけが使える魔操術の極致。深紅に変化した十手を構えつつ大助が反撃の一撃に転じる。


「___‘魔操術‘」


 左手で女の喉元に十手をエグリ込ませる。


「むぐぐぐっ…!?」


「___‘彼岸花!!‘」


 一点に集中させた血液と魔力が爆発し女の纏う「気力」の障壁を貫通。中空に鮮やかな血と魔力の花を咲かせ、女の体は再びホテルへと吹き飛んだ。


「…ん?」


(結界が解除された…?)


 ニヤリと口元を歪ませる大助。それはつまり女にはもう結界の維持に意識を割く余裕が無いということの表れだ。おそらくは110%の力で大助を迎撃するつもりだろう。だがそれ以上に金本大助を結界内に閉じ込められなくなった事の恐ろしさを、彼女は真に理解していなかった。


「おいおい!?そりゃ失策だと思うけどなぁあああああ!!」


 大鎌を腹から抜き出し、今度は大助の方から猛スピードで追撃を仕掛ける。スーパーポーションでは欠損した右腕は治らない。だがそんな事は彼には関係ない。ホテルの壁をブチ壊し寝室のベッドを蹴り飛ばしながら奇襲攻撃を仕掛ける。


「ぐうううっ…!?」


「さあさあさあ!!クライマックスにはまだ早いだろ!?もっと俺に見せてくれ!!土壇場で光り輝くあんたの命の躍動を…!!」


 迎撃に転じてきた女のナイフでの突きをギリギリで受け流し、十手の鈎を使いナイフの刀身を右斜め方向に弾き飛ばす。


「化け物が…!!」


「もっと楽しめよ!?二度と訪れない「今」「この瞬間」を!!」


 そのまま体の軸を逸らさずに右足蹴りを女の頭部に叩き込む大助。だがこれは失敗。しっかりと女の左腕でガードされてしまう。


(そうだ。これだよこれ。この輝きが俺の魂を震わせる)


「…ああ。俺は今、確かに生きている!!」


 絶頂に打ち震えつつも大助は攻めの手を緩めない。隙を見て女の足を刈り取り地面へと転がす。


「ぐっ…!」


「とっとっと…!」


 女の左腕を足で抑えつつ右腕を十手で拘束する大助。場は再び拮抗状態に突入した。


「Whoooooooo!流石は殺し屋!あんたクソ強いな!!」

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