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魔女の資質
夜更けにふと目が覚めた。トイレかと思ったがそうじゃない。
となりで寝ていたピエロがつられて目を覚ます。もう朝かい?
違うとわたしは応える。いまはまだ2度目の夜中であなたの時間じゃないと。
ピエロはつまらなそうに真っ赤な鼻を鳴らした。
つまらないよ。昨日のはとても楽しい夜だったのにと言う。
そうねとわたしは応える。でも、昨日の夜なんてわたしは知らない。
ピエロがわたしに手を伸ばす。
もう行くのかい?僕をおいてまたあの世界にいくのかいと。
そっとその冷たい、真っ白な手を握りかえす。
待っててね。お土産は砂の星でいいでしょう。
冠が欲しいな。甘えた声。ピエロは私に囁く。私には無理だとわかってそう囁く。
そうねとわたしは応える。2度目の朝がもうすぐくる。きっと手に入るわと。
さぁ行こう。もう時間だ。魔女のわたしは布団から出ていく。
ピエロは目を閉じる。たぶんもう起きることはない。きっと。二度と。わたしが起こさない限り。
さぁ行こう。こんな世界でもわたしが生きるには十分だ。
そうねとわたしはつぶやく。自分につぶやく。
さぁ行こう。魔女の朝は早い。




