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ゆらゆらコーヒー狂想曲

 カフェのコーヒーがにがてだ。一杯300円以上するなんて、考えられない。それを飲むくらいなら、道端を歩き回りながら自販機で缶コーヒーを買う方がいい。

 という話をしたらめちゃくちゃイヤそうな顔をされた。

「カフェでコーヒー飲んでる時に、なんでそんなこと言うんですか?カフェに恨みでもあるんですか?」

「いや、そういうんじゃなくてさ、個人的な…」

「雰囲気にお金払ってるんですよ。カフェは」

 またしても、引っ掛かる。言わなくてもいいことが、するん、と口から出る。

「そんなあいまいなモンに金払うの…?」

「わたしだって、家で飲むインスタントコーヒーとカフェで飲むオシャレコーヒーの味の違いなんて、正直分かりませんよ」

「じゃあなんでカフェに行こうなんて言い出したんだよ」

「言ったでしょう!雰囲気にお金払ってるんだって!わかりますか?雰囲気です。コーヒーなんておまけみたいなもんです」

「おまけて…」

「一緒にいる相手が大事なんです!それが雰囲気ってことです」

 顔を真っ赤にして黙りこんでしまった。こっちはこっちで、妙に気まずく、コーヒーを飲む。

 初めて、カフェのコーヒーをおいしいと思えた。

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