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スーパーベイビー

「んでー、やっぱり目は青いのがいいなー。あっ!左右で色が違うってのどう?!」

「いいねー。じゃあ、右は青で、左は赤で。ちょーイケてる」

 夫婦が腕をタコのように絡ませながら盛り上がっている。ふたりの前には白衣を着た医者が、にこにこと笑いながらパソコンに二人の意見を反映させていく。

そして、培養カプセルの中には、受精卵がぷかりと浮かんでいる。もちろん、夫婦のだ。

「あと、毛深いのはヤだから、それに、背もすらーとさせて」

「髪の色はシルバーで」

「アリー!体格は細くてー、でも筋肉はそれなりにあるほうがいいなー」

「うんうん。…こんなもんだろ。センセー、できる?」

 医者はすべてのデータを入力し、夫婦に軽く頭をさげる。

「はい。もちろんでございます。これでお二人のご要望通りのお子さまが誕生しますよ」

 夫婦は別室に移動した。データを入力した受精卵を胎内に戻すためだ。

 医者のもとに看護士がやってきた。浮かない顔をして。

「いいのでしょうか、これで」

「なにがだ?」医者は先程までとは打って変わって冷たい、能面のような表情だ。

「倫理といいますか、もはや、あの「子」は、あの夫婦の子どもと言えるのでしょうか」

「いいんだよ、これで。整形みたいなもんさ」

 医者が受精卵入りの培養カプセルをを看護士に手渡す。

 ぷかりと浮かぶ受精卵。その「原型」はいかがなものだったのか。それを知ることはもはやできない。

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