↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
133/143

愛と棺桶

 愛ゆえだ。

 若くして死んでしまった彼女の葬式は、特別仲のよかった者と親族だけで執り行われた。

 わたしは彼女の白く透けるような肌にそっと触れた。そのときの現実味のない冷たさに思わず、手を引いてしまった。


 愛が、ない。いまのわたしの行為は、愛がなかった。

 ごめん。ごめんね。


 深夜、ひとり彼女の棺桶の前に座る。

 

 これから行うことは、愛、ゆえだ。


 わたしは彼女の腹を割き、その中に手をいれた。肌の色と対照的な赤。どろりとした赤。わたしの頭を深く、ふかーく入れ込んでいく。はじめは生暖かさと、腐臭に顔をあげそうになった。愛、が大切だ。愛を思うのだ。

彼女のなかに入り、彼女はわたしとなり、わたしは彼女になった。腹の内側からソーイングセットでそっと閉じる。


 これは、愛、ゆえだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。