表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
129/143

運命の傘

 コンビニで傘をパクった。突然降ってきた雨のせいだ。しかも、途中で止みやがった。腹立たしい。そのとき、傘の柄にぷらぷらとネームプレートがぶら下がっていた。薄汚れていて名前は読めない。苛立ち紛れに傘を溝に放り捨てる。ババアが俺をじっと非難するように見ていた。負けずに睨み返す。

ちっ。舌打ちして、そのままアパートに帰った。

 翌朝、乱暴なノック音で目が覚めた。無視しようと思ったが、いつまでも成り止まないので仕方なくでる。

「警察です」無骨な男がたっていた。「署までご同行願えますか?」


 若い刑事が喫煙ルームに行くと、そこには先輩の刑事がいた。いまどき時代遅れの無骨な男だ。

「事件解決おめでとうございます」一応、頭をさげる。

「おう」ぶすっと応じる。

「偶然、お婆さんが傘を捨てる現場を目撃して、それを警官に通報して。偶然、その傘が被害者の物で。偶然、その傘についていた指紋を調べたら前科者にヒットして。そして任意同行したら自白したんですよね。でもなにより、被害者が以前コンビニに忘れた傘を、偶然、犯人が盗むなんて、なんか神がかり的ですよね」

「カミサマなんて信じねぇな。悪いことすりゃあ捕まる。自明の理ってやつだ」

無骨な刑事はタバコを揉み消した。若い刑事は肩をすくめてみせる。

 打ち捨てられた傘は、保管室で二度と帰ってこない持ち主を町続けている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ