『死を纏う四枚目』【8】
――セイ VS 騎士団二人――
セイ「二人まとめて――」
セイ「来いよ」
ダッ――!!
二人の騎士が――
同時に。
地面を蹴る。
セイ「…………」
右。
剣。
左。
大盾。
セイは――
二人の動きを。
じっと――
見る。
先に動いたのは。
剣を持つ――
騎士。
ヒュン――!!
セイ「…………」
首を――
僅かに傾ける。
刃が。
頬の横を――
通り過ぎる。
セイ「そこ――」
空いた――
脇腹。
一歩。
踏み込む。
だが。
ガァン――!!
セイ「っ!?」
大盾が――
横から。
セイの剣を――
弾く。
その瞬間。
ヒュン――!!
セイ「――!」
戻ってきた――
剣。
ザッ――!!
後ろへ――
跳ぶ。
セイ「…………」
再び。
二人が――
並ぶ。
セイ「…………」
一人が――
攻める。
その隙を――
もう一人が。
守る。
守った方に――
隙ができれば。
今度は。
攻めていた方が――
守る。
セイ「…………」
セイ「めんどくせぇな……」
ダッ――!!
再び――
剣。
セイ「…………」
今度は――
避けない。
ガキン――!!
剣で――
受ける。
セイ「…………!」
そのまま。
相手の剣を――
外へ。
流す。
騎士の身体が――
僅かに。
開く。
セイ「――ここ」
ザンッ――!!
首へ。
最短の――
一閃。
だが。
ガァン――!!!
また――
盾。
セイ「…………!」
セイ「だったら――」
盾を――
蹴る。
大盾の騎士が――
僅かに。
後ろへ。
セイ「こっち!!」
剣の騎士へ――
踏み込む。
だが。
セイ「――!?」
大盾の騎士が。
既に――
動いている。
ドンッ――!!!
セイ「ぐっ!!」
盾が――
身体へ。
直撃。
セイ「っ――!!」
吹き飛ぶ。
ザザザザッ――!!
地面を――
滑る。
セイ「…………」
セイ「痛ってぇ……」
顔を――
上げる。
その時には。
もう――
二人。
ダッ――!!
セイ「っ!!」
来ている。
ヒュン――!!
剣。
避ける。
その先。
大盾。
セイ「――!」
ドンッ――!!
肩を――
打たれる。
体勢が――
崩れる。
そこへ。
剣。
セイ「っ――!!」
ガキィン――!!
咄嗟に。
受ける。
だが。
大盾が――
さらに。
横から――
迫る。
セイ「…………!」
バッ――!!
転がるように。
抜ける。
ドォン――!!
盾が。
地面を――
叩く。
セイ「…………」
立ち上がる。
呼吸が――
少し。
荒い。
セイ「…………」
見る。
二人の――
足。
肩。
視線。
剣。
盾。
セイ「…………」
どっちが――
先。
どっちが――
次。
どこに――
隙ができる。
セイ「…………」
ダッ――!!
また――
来る。
セイ「…………!」
剣。
盾。
剣。
盾。
セイ「…………」
読んで。
避ける。
狙う。
止められる。
また――
読む。
狙う。
止められる。
ガァン――!!
セイ「くっ!!」
ドンッ――!!
セイ「がっ――!!」
ザッ――!!
セイ「…………っ」
一人を――
見れば。
もう一人が。
動く。
そっちを――
見れば。
最初の一人が。
動く。
セイ「…………」
二人の連携を――
崩すため。
何度も。
何度も――
考える。
だが。
その度に。
もう一人が――
隙を埋める。
セイ「…………」
セイ「…………あぁ」
二人の騎士が――
再び。
構える。
セイ「…………」
セイ「あー……」
頭を――
掻く。
セイ「やめた」
騎士たち「…………」
セイ「考えんの――」
セイ「めんどくせぇ」
剣を――
握り直す。
その口元が――
ゆっくりと。
歪む。
セイ「ヒヒッ……」
ダッ――!!!
先ほどまでとは――
違う。
避けない。
待たない。
読むことすら――
やめた。
ブォン――!!!
大きく。
剣を――
振るう。
ガァン――!!!
大盾が――
受ける。
だが。
セイ「ヒヒッ!!」
止まらない。
ガァン――!!
ガァン――!!
ガァン――!!
何度も。
何度も。
力任せに――
叩きつける。
騎士「――――」
大盾の騎士が――
耐える。
その横から。
剣。
ヒュン――!!
セイ「アハッ!!」
身体を――
捻る。
紙一重。
そして。
そのまま――
振るう。
ガキィィィン――!!!
剣と――
剣。
騎士の刃が。
セイの剣を――
受け止める。
セイ「…………」
ミシッ――
騎士「――――」
ミシミシッ――
セイ「……あ?」
次の瞬間。
バキン――!!!
騎士の剣が――
折れた。
いや。
違う。
斬れた。
セイ「…………」
斬られた剣先が――
地面へ。
突き刺さる。
カラン――
セイ「…………」
自分の剣を見る。
その刃は――
欠けていない。
セイ「…………」
セイ「マジかよ……」
ほんの――
一瞬。
剣を失った騎士の――
動きが。
止まる。
セイ「…………!」
その一瞬だけは――
見逃さない。
セイ「――そこ」
ザンッ――!!!
首。
騎士「――――」
ドサッ――
大盾の騎士「――――」
残った一人が――
即座に。
盾を前へ。
セイ「…………」
だが。
もう――
二人じゃない。
セイ「ヒヒッ……」
ダッ――!!
大盾へ――
真正面から。
ブォン――!!!
ガァァァン――!!!
剣が――
大盾へ。
食い込む。
ミシッ――
騎士「――――」
セイ「アハハハ!!」
ブォン――!!!
もう一撃。
ガァァァン――!!!
ミシミシッ――
さらに。
セイ「おらぁぁぁ!!」
ズバァン――!!!
大盾が――
裂ける。
騎士「――――」
セイ「…………!」
割れた盾の――
向こう。
無防備になった――
騎士。
その一瞬へ――
身体が。
滑り込む。
ザンッ――!!!
胸。
騎士「――――」
ドサッ――
セイ「…………」
静かに――
なる。
倒れた――
二人の騎士。
セイ「…………」
手にした――
剣を見る。
あれだけ。
力任せに――
振り回した。
剣を――
斬った。
大盾まで――
斬った。
それでも。
刃こぼれ一つ――
していない。
セイ「…………」
セイ「ほんとに――」
セイ「伝説の鍛冶師だったんだな」
セイ「あの爺さん」
その口元が――
僅かに。
上がった。




