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《凶宴-CARD》  作者: shogo5


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131/135

喝采の十枚目』【10】



No.10「君が――」

No.10「どういう人間なのかをね」


シオン「…………」


 No.10が――

 ゆっくりと身体を起こす。


No.10「まあ――」

No.10「答えは見せてもらったよ」


シオン「…………」


 No.10が――

 舞台の奥を見る。


 二つの――

 水槽。


シオン「――!」


 シオンの表情が――

 変わる。


No.10「安心して」


 No.10が――

 指を鳴らす。


 パチン――


 ガコンッ!!


シオン「――!」


 舞台の奥。


 二つの水槽から――

 音が響く。


 水槽の背面が――


 ゆっくりと

 横へずれていく。


シオン「…………?」


 その奥に――


 二つの空間。


 水は――

 ない。


 そして――


シオン「――!!」


 そこにいた。


 セイ。


 ヴァン。


 二人が――

 倒れている。


シオン「…………!」


 水槽には――


 今も。


 二人の姿が――

 浮かんでいる。


 だが――


 本物は。


 その奥にいる。


シオン「…………」


 なら――


 水の中に

 浮かんでいるのは。


No.10「人形だよ」


シオン「…………!」


No.10「途中で――」

No.10「入れ替えさせてもらった」


シオン「いつ……」


No.10「君の視線が――」

No.10「舞台に向いている間にね」


シオン「…………」


 水槽。


 その奥にいる――

 二人。


 すべてが――


 最初から。


 この舞台に仕込まれた――

 一つの仕掛けだった。


シオン「…………っ」


 シオンが――

 走り出す。


シオン「セイ!!」

シオン「ヴァン!!」


 二人のもとへ――

 駆け寄る。


 膝をつき――


 セイの肩を

 掴む。


シオン「おい!」


セイ「…………ん」


シオン「――!」


 ゆっくりと――

 目が開く。


セイ「…………シオン?」


シオン「セイ……!」


セイ「…………」


 何度か――

 瞬きをする。


 そして――


 身体を

 起こそうとする。


セイ「いって……」


シオン「無理するな」


セイ「…………」


 辺りを――

 見回す。


セイ「俺たち……」


シオン「生きてる」


セイ「…………そっか」


 そのまま――


 大きく

 息を吐く。


セイ「死ぬかと思った……」


シオン「…………」


 隣で――


ヴァン「…………っ」


 ヴァンの身体が――

 僅かに動く。


シオン「ヴァン!」


 ゆっくりと――

 目を開ける。


ヴァン「…………シオン」


シオン「ああ」


 ヴァンが――

 身体を起こす。


 シオンの傷。


 その向こうにいる――

 No.10。


 それだけで――

 状況を察する。


ヴァン「今回も――」

ヴァン「上手く弾いたみたいだな」


シオン「…………ああ」


ヴァン「そうか」


 それ以上は――

 何も聞かない。


シオン「…………」


 セイ。


 ヴァン。


 二人の姿を――

 もう一度見る。


 生きている。


 その事実に――


 ようやく。


 シオンが――

 息を吐いた。


No.10「…………」


 少し離れた場所から――


 三人を

 見つめる。


No.10「なるほどね」


シオン「…………?」


No.10「やっぱり――」

No.10「彼が言っていた通りだ」


シオン「No.7か」


No.10「ああ」


シオン「…………」


No.10「僕も最初は――」

No.10「分からなかったんだよ」


No.10「どうして彼が――」

No.10「君に賭けたのか」


     ◆


 鳴り響く――

 コインの音。


 笑い声。


 歓声。


 巨大な――

 カジノ。


 その一角。


 大勢の客が――

 一つのステージを囲んでいる。


 拍手。


 歓声。


 その中心で――


No.10「ありがとう」


 No.10が――

 優雅に一礼する。


 さらに――

 大きな拍手。


 その中に――


No.7「すげぇー!」


No.10「…………」


 顔を上げる。


 客席に――

 見覚えのある顔。


No.10「…………No.7」


     ◆


 ショーを終え――


No.7「面白かった!」


No.10「ありがとう」


No.7「またやってよ!」


No.10「依頼があればね」


No.7「ああ!」


No.10「…………」


No.10「そういえば――」


No.7「ん?」


No.10「君――」

No.10「《凶宴-CARD》を降りたそうだね」


No.7「ああ!」


No.10「…………」


No.10「本当に?」


No.7「うん!」


No.10「…………へぇ」


 No.10の目が――

 僅かに細くなる。


No.10「何があった?」


No.7「ん?」


No.10「まさか――」


 妖艶に――

 笑う。


No.10「あの幸運な君が――」

No.10「負けたのかい?」


No.7「…………」


 一瞬――

 きょとんとする。


 そして――


No.7「あははは!」


No.7「違う違う!」


 楽しそうに――

 手を振る。


No.7「負けてないよ!」


No.10「じゃあ――」

No.10「なぜ降りた?」


No.7「今は――」


 笑う。


No.7「もっと面白い勝負してるんだ!」


No.10「…………面白い勝負?」


No.7「ああ!」


No.10「どんな勝負なんだい?」


No.7「シオンが――」

No.7「《凶宴-CARD》を終わらせられるかどうか!」


No.10「…………」


 一瞬――


 No.10の表情が

 止まる。


No.10「…………シオン」


No.7「ああ!」


No.10「なるほど」


 No.10が――

 僅かに目を細める。


No.10「それで――」

No.10「君はどちらに賭けたんだい?」


No.7「決まってるだろ!」


 No.7が――

 笑う。


No.7「シオンが――」

No.7「《凶宴-CARD》を終わらせる方!」


No.10「…………」


No.10「君が――」

No.10「そっちに賭けたのかい?」


No.7「ああ!」


No.10「…………ふふ」


 No.10が――

 小さく笑う。


No.10「それは――」

No.10「面白いね」


No.7「だろ?」


No.10「でも――」


 No.10が――

 No.7を見る。


No.10「そこまでの相手なのかい?」


No.7「んー……」


 少し――

 考える。


No.7「分かんない!」


No.10「…………」


No.7「あははは!」


No.10「君は――」

No.10「分からない相手に賭けたのかい?」


No.7「ああ!」


No.10「…………どうして?」


No.7「だって――」


 No.7が――

 笑う。


No.7「分かんない方が――」

No.7「面白いだろ?」


No.10「…………」


 No.10が――

 僅かに笑う。


No.10「…………シオン」


 その名を――

 静かに口にする。


No.10「一度――」

No.10「見てみたいね」

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