表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/31

第8話 ブラック天使、降臨♡ 〜コスプレの流儀〜

――目の前に現れた守乃ちゃんは、

まるで別人だった。


黒を基調としたゴスロリ調の衣装。

清楚で、凛として、それでいてどこか危うい雰囲気。


「あれ…… 『ブラック天使のさざなみちゃん』じゃない?」

と、私――まのんが呟く。


「えぇ~♡ 別人みたいぃ~♡」香純ちゃんが目を輝かせ、

「守乃君にしては……可愛いじゃないか♡」と彩夏ちゃん。


「……あれは……!」と、厳蔵の声が裏返る。

(大きいぃ......我が憧れ……!)


堅物であるはずの、守乃の頬が赤くなる。


――やめろ。


(……まのんの方が可愛い)

悠斗の心の声が、なぜか聞こえた気がした。


『きゃーあ♡ 守乃ちゃん可愛い!

 大きなお胸♡

 わしの目に狂いはなかったぁぁ♡♡♡』


『ゴラァ! ぽんこつ!

 叶わぬ恋にときめくな!!』


『見てトキメクだけの恋も青春なんじゃ♡』

『162歳のじじいは黙っとけ!!』


――ここで、わしが解説しよう。


『ブラック魔法少女・さざなみちゃん』

ちょっぴりエッチな魔法少女が、

故郷・ブラックポテロの街を悪魔から守る物語なのだ!


黒ゴスロリ! 可愛い! きゅん!

……ただし、イベント規約により、

以前、写真で見たような過激衣装は禁止。


無念。


『ゴラァ! 何を期待しとったんじゃ!!

 神様だろ!!』


「守乃、いいじゃないっすか!」

厳蔵が親指を立てる。(すげえ大きい……)


「あれ? 源蔵、守乃ちゃん天敵じゃなかった?」


「もちろん天敵ですよ。でも――

 いいものは正当に評価すべきです。」


この日、厳格な武士は死に、

ただの煩悩の塊――『緩蔵』が爆誕したのである。


私は戦慄した。


そのとき。


「じゃあ先輩、僕も着替えてきますね!」

彩夏ちゃんが颯爽と去っていく。


「『きゅんきゅん乙女のハヤト』だよね?」

私が確認すると、彩夏ちゃんはウインク。


――数分後。


「みんな! お待たせ!」


「はやっ!」一同。


……学ランだった。

ただの学ラン。


「……キャラに寄せてなくない?」

思わずツッコむ。


――わしが、解説しよう。


彩夏ちゃんも学園ラブコメ『きゅんきゅん乙女』のファン。

イブちゃんに恋するゴリゴリ体育会系男子・ハヤト。


だが現実は――

学ラン+いつものメイク+隠されない胸の大きさ。


これは……

コスプレ奉行・守乃ちゃんの逆鱗案件。


「彩夏ちゃんも芸術っすよ!」

緩蔵が吠える。(彩夏ちゃんも大きい♡)


「厳ちゃん、サングラスしても視線バレてるわよ!

 胸ばっか見て!!」


「まのん先輩だって見てますよ!」


「私は女子だからいいの♡」


――その瞬間。


「ちょっと!! 彩夏さん!!」


来た。

守乃ちゃん(怒)。


「コスプレは敬意を持って再現する芸術なの!

 そのハヤトもどき、名誉棄損よ!!」


「完璧なハヤトじゃないか」

彩夏ちゃん、真顔。


「だったらその胸は何なのよ!

 男装なんだからパッドを外しなさい!!」


「天然だから仕方ないだろう!?」


守乃の負け。


「て・ん・ね・ん……(驚)

 それ……自慢しないで……」


「重たいし、下見えないし、

 男子はエッチな目で見るし、

 いいことなんてないよ。」


「無駄な脂肪だよ!」


返す言葉を失った守乃。


『ピクピク……私はパッド五枚なのに……!』――守乃


『私も天然よ~♪』――まのん


『ほどよい大きさが最強よ』――香純


『オタサー最高♡』――緩蔵


(守乃ちゃんはパッド五枚……

 それでも推しは変わらん!)――キタのぽん


――結果。


守乃ちゃんの本気メイクとBホルダーで、

ゴリゴリ体育会系ハヤトが爆誕。


「すご……どうやったの?」


「胸はBホルダーで隠しています。」


「……彩夏ちゃん、Gはありますよ」


「G!?」


(負けた……でも大事なのは大きさじゃないわ!!)


「じゃあ、守乃ちゃんはそのBホルダーで

 普段は平にしてるってこと?」


(こら!香純ちゃん!余計なことを言うな!!)


「香純さん。今、何といいましたか……?」


(やっぱり――地雷を踏んだ……)


「だからぁ、守乃ちゃんはいつもBホルダーを付けてるの?」


「ちょっと、香純ちゃん!来なさい!」


「なんですかぁ~?まのん先輩♪」


小声で諭すまのん

「よく考えなさいよ。今が作り物よ。

 パッドを詰めてるの!!」


まのんが守乃の人権を守ろうとヒソヒソ話をしたのに――


「ええっ!? パッドなの!?」と致命傷を与えた。

(ゴラァ!香純!空気読め!!)


彩夏が追撃

「あれ?守乃くん。

 頭からマグマが噴火してるじゃないか」


源蔵が吐き捨てた。

「へぇ~、法律、規律を守れって言う割に、偽物。

 詐欺じゃねぇか!前言撤回!!」

(失望したぜ......)


(ゴラァ!彩夏、厳蔵!!やめろぉ!

 トドメを刺すなぁ!!)


ただ……肯定派一名。いや一神。

『それでも、守乃ちゃんは可愛い♡』


『だから、ぽんこつは引っ込んどけ!!』


「あなた達ねぇ!刑法第231条 侮辱罪で訴えてやる!!

 逮捕だ!!」


「なんでサークル活動初日がこうなるんだよ。。。」

悠斗が天を仰ぐ。


――なんでや。

なんで、わしの守乃ちゃんがディスられなあかんねん!!


次は――極悪まのんの番やでぇ♡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ