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第64話 見えるかぁぁぁ!

男子陣失意のままコスプレタイムは終り、

汗を流すために――


一行は最大限の注意を払いながら、露天風呂に向かった。


だが、大好きなコスプレ後で、高揚した守のんは――


「行くわよぉ~わぁ~いぃ」

と飛び込み――


「熱いぃぃぃ!」


守のんが、湯船からロケットのように飛び出した。


「女将ぃぃぃ! やりやがったなぁ!!!」


だが、彩夏が冷静に言った。

「入口に『当宿自慢の熱湯風呂をお楽しみください』

 って書いてあったよ」


なお、張り紙は5フォントの薄グレー。

――見せる気ゼロである。


その頃――男子風呂では


大失意の厳ちゃんが無意識のまま湯船につかり


「臭いぃぃぃ!」


湯船からロケットのように飛び出した。


「厳ちゃん。そりゃそうだろ。見なかったのか?」


男子入口に――

『オリジナル薬草ブレンド露天風呂をお楽しみください』


注意書き:匂いのお好みは分かれます。


「「「見えるかぁぁぁ!」」」


この時点で、完全勝利していたのは女将だった。

守のんと厳ちゃんは、ただの被害者である。


もうやるしかない!

オタ研は復讐に燃えた!!


女将VSオタ研

イタズラ合戦の幕が開けた。


だが――


「まのん先輩の十八番

 『唐辛子トイレットペーパー』再攻撃で行きましょう」


読まれた。

(同じ手には掛からないわよ)


「ならば唐辛子クッキーはどうよ!」

他のお客さんに頼んで女将に差し入れ


赤い斑点に気付かれた。

(青いわね)


「じゃあ、守のん技。くさやでいくよ」

女将が居る事務室にくさやを投げ込む。


くさやが好物の女将

「誰か知らないけど、ありがとう♪」


「「「好物かい!」」」


最後の荒業

「よし! 廊下にネバネバを――」


ピンポーン。

館内放送が鳴った。


『事務室前にネバネバを撒いた方~。掃除してくださぁ~いぃ♪』


「監視カメラぁぁぁ!?」


手詰まりのオタ研


なお、女将から反撃がないのが不気味だった。


すると、オタ研部屋に手紙が投げ込まれ、

恐る恐る悠斗が開封した。


『今からお返しとして、4つのイタズラを

 あなた方に仕掛けます。 女将より』


オタ研に戦慄が走り、悠斗が言った。

「停電と夕食、トイレ、露天風呂――

 要注意だぞ!」


「あと部屋の前の廊下も危険よ!」


オタ研のビクビクタイムが始まった。

もはや、女将への攻撃どころではない。


部屋の外に行くときは、ビクビク警戒。


部屋に居ても、物音一つにも警戒。


アニメを見ていても、マンガを読んでいても

ゲームをしていても――


要警戒――


しかし、何も起きない


女将の術中にハマったオタ研

手のひらで転がされている。


まずは最初の難関――夕食タイムである。


夕食――何も起きない。

露天風呂――何も起きない。

部屋前――何も起きない。


何も起きないほど、怖いものはない。

そのたびに、オタ研の寿命だけが削られていく。


悠斗が吼える!

「さぁ、みんな、食堂へ行くぞ!

 全員で注意を払えば大丈夫だ!」


まのんが追随した。

「ロシアンルーレットに当たらないように

 慎重に食べれば大丈夫よ!」


他のお客さんも含めて、何も起こらない――

……美味しい。。。


不気味さが増し、緊張マシマシのオタ研


「まさか露天風呂で4つも仕掛けるのか!?」


そんな空気を吹き飛ばすように、守のんが言い放った。

「上等じゃない!望むところよ!」


入口から脱衣所をくまなくチェック


浸かる前に匂い、電気仕掛けをチェック


湯上りに脱衣所を再チェック


何も起きない――

いい風呂だった♪


オタ研部屋前に到着。


ネバネバ、匂いをチェック


懐中電灯を準備


何も起きない――


お菓子を食べながら、みんなでゲーム

(緊張マシマシで警戒しながら)


かすみん爆発!


「もうぉ!我慢できない!

 難点トラベル予約サイトに苦情を書いてやる!!」


しばらくして、かすみんがスマホを見ながら

静かに言った――


「ここを予約したのは悠斗先輩ですよね?」


「そうだけど――何?」


「分かり難いんですけど、一番下見ました?」


「いやぁ、見てないけど――」


悠斗LOVEのかすみんが怒ってる。


「これ!」


『当宿はオプションで女将の無限イタズラが無料提供されます。

 不要な方は備考に【イタズラ不要】と入力してご予約ください』


もちろん、5フォントで薄いグレーの記載である。


「見えないよ(涙)」


一同「「問答無用!!!」」」


今夜、厳ちゃんに替わり、

押し入れで爆睡する悠斗であった。


そして深夜、オタ研部屋にまた手紙が投げ込まれた。


【バラエティでおなじみ。

 何も起きないイタズラをお楽しみ頂けましたか?】

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