第50話 わく♡わく♡オタ研合宿、発動――戒厳令つき
わく♡ わく♡
今日から、オタ研合宿♪
――と、浮かれている。
この発言、まのんではない。
『今日から三日間やでぇ~。
守乃ちゃんと、二十四時間×三日間♡』
そう、テンション最高潮なのは――
キタのぽんである。
わしはまのんの願叶え神。
常に彼女と一心同体。
ゆえに――
『しゃぁ~ないなぁ~♡
仕方なく一緒に合宿行くんやでぇ~♪』
『嘘こけ!!
守乃ちゃん目当てやろ!
言っとくけど、風呂についてくんなよ!』
『エロぽん!!』
『そら当たり前やろ。
(行くけどなぁ~)』
『……おい。
今、心の声ダダ漏れなんだけど?』
まのんはジト目で続ける。
『いい?
私はぽんちゃんが“見える”。
それに、願叶え神に好意を持たれてる相手にも
見えるってことは――』
『守乃ちゃんにも見えるってことだからね!?』
(ギクッ!?
ま、まさか……風呂同行不可!?
最大の楽しみが……!)
『な、何を言うとるんや!
わしはあくまで“淑女化計画”を遂行するために
同行するだけや!』
『はいはい。
まあ、なんとでも言いなさい。
どっちにしろ、風呂を覗いたら――』
『師匠にチクるから♪』
『ふん♪
どーやって連絡取るんや?
師匠は忙しいから、滅多に来ぃひんでぇ~♪』
そこで、まのんはにっこり笑って――
『ぽんちゃん。
これ、なぁ~んだ♪』
『……あっ』
瞬時に姿勢を正し、正座。
『まのん様。
わたくしキタのぽんは、
お風呂に同行しないことを、ここに誓います。』
『よろしい。
師匠が来たときにくれたんだよねぇ。
連絡用の――神神ホンと。
……おっと。もう一個は内緒♪』
『……参りました。(白旗)』
(口では、絶対に勝てん……)
『まあ、ぽんちゃんたら、
お可愛いこと(笑い)』
(くそぉ! 悔じぃ!!)
「おい、まのん。合宿行くぞ。」
「はーい、悠斗。」
「その服装で大丈夫か?
守乃ちゃん、
“黒ビジネスパンツに白ワイシャツ”って言ってたよな?」
「冗談に決まってるでしょ。」
「……いや。一応、持って行けって。」
――そして。
集合場所、東京駅・仲間の像前。
「まだ十五分前だし、誰も――」
「……あれ、守乃ちゃんじゃない?」
次の瞬間。
ピィィィィ!!
「まのん先輩! 服装規定違反です! 着替えてください!」
「え?えぇぇぇぇ!?」
(だから言っただろ……)と悠斗
「悠斗先輩。
評価します。合格です。」
続いて――
ピィィィ!!
「彩夏さん! かすみさん!
服装規定違反! 着替えなさい!」
「えぇ!?」「持ってきてないよぉ~!(涙)」
ピィィィ!!
「厳蔵!
その服装の乱れは何ですか!
着替えて、悔い改めなさい!」
「人権侵害だ!!」
悠斗が諭そうとするが。。。
「まあまあ、守乃ちゃん。
初めての合宿だし、
そこまで厳しくしなくても――」
「いいえ。」
守乃は、静かに、しかし確実に告げた。
「初めてだからこそ、です。
結成間もないオタ研が健全に存続するには、
道徳と規律に基づいた合宿が必要です。」
一拍置いて――
「万一、風紀が乱れた場合。
部室返却および、オタ研解散を大学事務局に申告済みです。」
――沈黙。
「「「えぇぇぇぇぇ!!?」」」
まさかの解散申告に
戒厳令、発動!
これで全員、守乃ちゃんに逆らえなくなった。
「……着替えます。」
「はい。」
「はい……」
「はい……」
「規定服をお持ちでない方は、
大まるんで購入してきてください。」
――わしは、守乃ちゃんを全面支持するでぇ。
♡キタのぽん♡
全員、黒ビジネスパンツに白ワイシャツになった。
「よし。行くか。」
「いえ。
まだ持ち物検査が終わっていません。」
「……守乃ちゃん。
新幹線の時間が――」
「承知しました。
では、車内で実施します。」
空気読まない香純、行先にわくわく
「ねぇ、悠斗先輩♪
行き先はどこですかぁ?」
「着くまでのお楽しみ。
いせかいの辺りだよ。」
「東海道? 東北? 北陸?」
乗り鉄 厳蔵
「東海道新幹線。」
「はい!
テスニー、イマシフはハズレ!
彩夏ちゃんのUSOが有力ね♪」
乱れかけた空気を守乃が一刀両断
「では。
悠斗先輩を先頭に、
一列・等間隔で移動してください。」
黒のビジネスパンツ、白のワイシャツを着用して
一列に並んで歩く一団
――これ、ニュースで見る
“検察が一斉捜査に入る時の光景”やないか……。
他人事のキタのぽん
異様な注目を集めながら、新幹線へ。
「トランプしましょうよ~♪」
修学旅行モードの香純
これまた守乃が一刀両断
「待ってください。
まず所持金検査です。
全員、六千円以上持っていませんね?
財布を出してください。」
(ふふ。全財産入れるわけないじゃん)まのん
(守乃ちゃん、甘いわね♡)香純
(今時、現金?)彩夏
(正面突破だ。三万円。断罪してみろ!)厳蔵
――だが。
オタ研一同は、
“暴君・守乃”を、致命的に甘く見ていた。
この後、彼らを待つ真実に――
全員が、震撼することになる。
なお、
わしは最後まで守乃ちゃん支持やで!
わぁ~いぃ♪ キタのぽん




