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第45話 ――勝利の女神はポテチを食べる――

ぽんちゃんから聞いたんだけどさ。


守乃ちゃんと厳ちゃん――

意外と、意外と、意外と……


あるかも?なんだって。


……うん。なんか、

すごく大学サークルっぽい恋愛模様だよね。


私はというと――


ほぼ二十四時間、三百六十五日。

物心ついた頃からずっと一緒にいる存在がいる。


実の兄妹でもなく、

親友とも少し違って、

もちろん彼氏でもない。


幼馴染の――悠斗。


気づけば私にとって、

「男性」という概念の中心は、いつも悠斗だった。


だからかな。

恋愛に興味がないわけじゃないのに、


思春期を迎えても、今も、

私は当たり前みたいに悠斗と同じ時間を過ごしている。


――そんな私に、ぽんちゃんが突っ込んできた。


『じゃあ?

 なんでタワマンニートの結婚相手に

 三澄君を指名したんじゃ?』


……それはね。


『大学に入って、悠斗と共同生活を始めた頃。

 幼馴染って、なに?

 家族? それとも他人?

 って考え始めた時に――

 三澄君が現れたの』


『まのんと三澄君に、接点なんてあったんか?』


『まぁねぇ~。

 そろそろ、ぽんちゃんには話してもいいかな』


『なに? なに?(わく♪わく♪)』


『あんた、絶対面白がってるでしょ!

 言っとくけどね!

 私より、三澄君のほうが私を必要としてるの!!』


『またまた、ご冗談を(うひっひっひ)』


……その時、私は知らなかった。

この神様が、すでに“過去を覗く気満々”だったことを。


~の前に、まのんの主張~


悠斗は昔、野球少年だった。

でも中学も高校も野球部がなくて、

実績がないから大学野球は諦めた。


それで大学一年の頃、

私は悠斗と一緒に神宮球場へ、母校の応援に通ってた。


そのとき活躍していたのが――

明法大学一年生エース、三澄投太。


同級生で、

超イケメンで、

野球の実力に加えてカリスマ性が半端なくて、

しかも悠斗より頭がいい。


……反則でしょ。


そんな三澄君と、

秋季リーグの試合帰りに


偶然出会って――


秋雨が降る夕暮れ時に、


なんと。


告白、されたの♡


「君は僕の勝利の女神です。

 また、応援に来てください。

 マウンドから、いつも君を見ています♡」


――きゃぁぁぁぁぁ♡♡♡


……って。


『ちゃうちゃう(笑)

 ええほうに解釈したら、あかんでぇ~』


ないない!ぽん


でもさ!

生まれて初めてだったの!


悠斗に異性を感じたことなんて、

一度もなかった私が、


初めて――

男性に、きゅん♡ってしたの。


それからね。

マウンドの三澄君と、

本当に、何度も目が合うの♡♡♡


『それ、ベンチのサイン見てるだけちゃうか!?』


~ここまでが、まのんの主張~


で。


ここからが――

神様が覗いた、事実らしい。


秋季リーグ中盤


明法大学 vs 早稲畑大学

――明法ベンチ


「おい、スタンド見ろよ。

 また、あの女の子来てるぞ」


「ほんとだ。

 相変わらず、大袋のポテチ食いながら

 コーラ二リットル飲んでる」


「守備の時に、目に入ると笑っちまうんだよな」


「マンガの

 『この世にブスなんていない!!』の

 夢ちゃんに似てね?」


「似てる似てる(笑)

 ゆるキャラみたいで、ある意味かわいい」


「いつもイケメンと一緒だよな。彼氏か?」


「いや、無いだろ」


「でもさ、

 あの夢ちゃんが来ると、三澄調子いいよな」


「全勝じゃね?

 ノーヒットノーランもやったよな」


「投太の勝利の女神じゃん!」


「あぁ……

 そうかもしれないな」


興味なしの三澄投太


◎ まのんが来た日

球速156km!

三者三振!


× まのんがいない日

フォアボール!

満塁ホームラン!

即、交代!


『神様として言う。

 絶対、偶然や!!』


『ふん。

 嫉妬してんじゃないわよ、ぽん!

 私は三澄君のリアル勝利の女神♡

 やっぱり、私が結婚してあげるしかないわね♡』


……一応、わしも神様や。


善人の三澄君をまのんの餌食にして、

不幸にしたくないんや……

善神のつもり キタのぽん

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