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第41話 修羅場MAX

昨夜――

彩夏ちゃんの誘いを断りきれず、

二人で食事に行った悠斗君。


それを目撃したまのんの嫉妬に対して、

とっさについた嘘が――


彩夏ちゃんがまのん、香純ちゃんの前で放った

デート暴露自慢で修羅場を迎えた悠斗君......


空気が、凍り

悠斗は、固まった。


(きたぁーーー!!

 修羅場MAXやぁぁぁ!!)

わくわく キタのぽん(嬉)


まのんは、笑顔のまま、無言。


香純ちゃんと厳蔵は、

完全に理解が追いついていない顔をしている。


だが――

そこで、状況を一変させたのは。


「悠斗先輩……言語道断です。」


静かで、凛とした声。


法の女神――守乃だった。


「悠斗先輩。まのん先輩がいらっしゃるのに、

 後輩とはいえ、他の女性と二人で食事に行くのは、

 道徳的にいかがなものかと」


(え……?守乃ちゃん......

 私たちが付き合ってるって思ってる!?)


「それに、彩夏ちゃんも彩夏ちゃんです。

 まのん先輩の前で、

 悠斗先輩を誘うなんて――破廉恥です!」


「「「えぇっ!?」」」


「え?まのん先輩と悠斗先輩って、

 付き合ってるんですか!?」

慌てる悠斗LOVE 香純


「そりゃ、そうでしょ。

 同居して、授業もサークルも一緒で、

 ほぼ三百六十五日、二十四時間一緒。

 付き合ってない方が不自然よ」


「でも……

 幼馴染で、そういう関係じゃないって……」

半信半疑の 彩夏・香純


「そうだよ!幼馴染だ!」

困惑の悠斗

(今は……それしか言えない)


「そうよ!」

(私は三澄君と結婚する……はず……

 ……なのに、なんで迷ってるの)


そこで――

悠斗が、一歩前に出た。


「……俺の優柔不断な行動で、

 みんなに迷惑をかけた。

 彩夏ちゃん、香純ちゃん、

 そして――まのん。

 本当に、ごめん」


(おぉ!?ここで告白か!?)

ぞくぞく キタのぽん


「オタ研にとって、今の空気はよくないと思う。」


「彩夏ちゃんも香純ちゃんも、

 俺にとっては大事な後輩だ。」


彩夏・香純「きゅん……♡」


「まのんは――大切な幼馴染で、

 一緒にオタ研を作り上げた戦友だ」


(悠斗君が自爆する予感……)

どきどき キタのぽん


「だから俺は――このオタ研を、

 みんなで楽しく続けたい。」


「誰とでも、自由に遊び、食事に行ける――

 そんな場所にしたいんだ!」


――一拍。


「そっちかぁぁぁい!!!」

ぽかぁ~んとする 一同


「だから俺は、これから堂々と、

 誰とでも遊びに行くぞ!!」


「「「なんでやねん!!」」」

ドテェッ!

【一同、転倒】


「……まあ、いいわ」

立ち上がりながら、

まのんが静かに言った。


「オタ研は、みんな仲間で、友達。

 自由に交流すればいいと思う」


悠斗、ほっと息をつく。


「ただし――節度を持って。

 隠し事や、嘘は無しね」


「……はい」

しょぼんちゅ悠斗


「……異議あり!」

再び声を上げたのは、守乃。


「それだと、

 私と厳蔵も“仲間で友達”ということになりますよね!?

 こんな無法者、絶対に認めません!」


「はぁ!?

 古い法律と規則に縛られた思考停止女に

 言われたくねぇわ!」


「な、なんですって!?」

「やるってんなら買ってやるよ!」


守乃が詰め寄る。厳蔵が胸を張って押し返す。

完全にいつもの身内揉め。だが――。


(……これ、完全にプロのコントの流れやな)

目の前で始まる様式美に、

関西系キタのぽんは一人ご満悦である。


「二人とも、ケンカはだめだって!」

本当に一触即発だと思って慌てる、

関東ピュア勢の彩夏と香純。


言い合う二人の顔が、近づく。

互いの息遣いが分かるほどに、近すぎる。


「なろぉー!」

「このボケ――っ!」


――カチリ、と。

何かのスイッチが入る音がした。


「「きゅん♡」」

守乃(……ッ!? 近っ……え?かっこ……)

厳蔵(……うわ、こいつ、意外とかわ……)


【一同、本日二度目の大転倒】


「……っ、きょ、今日はこれくらいにしておいてあげるわ!」

バッと顔を真っ赤にしてそっぽを向く守乃。


(いま……私、一瞬ときめいた!?

嘘でしょ!)


「ふ、ふん……口ほどにもねぇ……っ」

バツが悪そうに髪をかく厳蔵。


(何やってんだ俺は!

相手はあのカタブツ女だぞ!)


(やっぱり最高のオチやった……ごちそうさん)

期待通りのコントに大満足のキタのぽん。


「……ねえ、何だったの、今の???」

取り残され、キョトン顔をしている香純と彩夏。


こうして――

修羅場は、

オタ研名物コントとして消化された。


……が、腑に落ちないまのん。


(消化不良だよ)


(結局……悠斗は、

 私のこと、どう思ってるのよ)


胸の奥に残った、

言葉にならない違和感。


それが、

この恋の――次の火種だった。

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