表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
32/66

第32話 自爆のヒリヒリ登校!救世主の団子は悠斗にはあげない♪

――あぁ~……お尻が、痛いぃ……。


完全に失念していた。

悠斗に仕掛けた唐辛子パウダーペーパーの存在を。


そして――

そのまま、私自身もそれで拭いてしまったのである。


……痛い。

自爆である。


結果どうなったかというと。


私と悠斗は現在、

通学路を内股で、妙に慎重な歩き方で進んでいた。


一歩一歩、顔がゆがみ

周囲の笑いを誘う


周囲の視線が……

いや、視線よりも尻が痛い。


『ざまぁみぃ~、デビルまのん♪

 これに懲りたら、イタズラはほどほどにするんじゃな♡』

にやけるキタのぽん


『……あぁ。ぽんちゃんが、氷嚢に見える……』

『今すぐ、あそこを冷やしたい……』


『何ぃ!?

 わしが氷嚢に見えるじゃと!?

 やめろ!対にやめろ!!』


『安心して。ぽんちゃん、

――3D映像だから触れないし』


『……そっか♡

助かった♡』


『助かってねぇよ。』


そんな地獄の朝――

駅へ向かう途中で、懐かしい声がした。


「あれ? まのんちゃん、悠ちゃん♪ 久しぶり♡」


振り向くと、そこにいたのは――

友唯ちゃん(9歳)。

私とアニメ『きゅんきゅん乙女』で仲良くなった、小さな友達だ。


「友唯ちゃん!久しぶり! 学校?」

「うん♪ まのんちゃんも学校?」


「そうだよ~」


すると、友唯ちゃんは首をかしげた。


「ねえ……二人とも、歩き方変だよ?

どうかしたの?」


(言えるかぁぁ!!)

(言えるわけないでしょ!!)


「……あぁ、これ?」

私は即座に、淑女スマイルを作る。


「今ね、ダイエット中なの。

 こうして歩くと、脂肪が燃焼されるのよ♪

 おすすめ♡」


(大人が尻ヒリヒリ、なんて言えるかぁ!)


『やっぱり……この二人、お似合いやん♡』

うなずくキタのぽん


「へぇ~♪ そうなんだ!」

友唯ちゃんはにっこり笑って言った。


「やっぱり、二人はお似合いのカップルだね♪

 じゃあ、先行くね! また遊ぼうね♡」


……。


『さすがの痛みで二人とも

 “お似合いのカップル”スルーやな』


「……まのん」

悠斗が低い声で言う。


「さすがに、唐辛子ペーパーはやりすぎだろ(怒)」


「……うん。

 身をもって、理解しました(涙)」


(……同じ痛みを共有してるって、

なんか悔しいけど、悪くない)


『やっぱり……』

『こいつも、ぽんこつや』

――キタのぽん


授業中。


眠くならなかった。

尻がヒリヒリすぎて。


内容は一切、頭に入らなかった。

悪しからず。


昼休み。


「悠斗、学食行く前にトイレ行ってくるね」

「あいよ。ここで待ってる」


『そろそろ、悲鳴が聞こえる頃やな♡』


「――きょぇぇぇぇぇぇ!!」


トイレのたびに、地獄。


『同情なし!完全なる自業自得じゃ!!

反省しなさい、デビルまのん!』


『……覚えてなさい、ぽん』


「はぁ……昼は中和のために、

甘めの親子丼大盛にしよ……」


(そうは、いかんぜよ♪)


デビル神 キタのぽんはふっと――

まのんに息を吹きかけた。


「すみませ~ん♡石焼ビビンバで、

コチュジャンとキムチ、増し増しでお願いしますわ♪」


『ゴラァ、ぽん!私で遊ぶな!!

今それ食べたら、トドメやろがぁ!!』


『え~?唐辛子のカプサイシンは

脂肪燃焼にいいんやでぇ~♡』


くそぉ!

淑女化計画で私をコントロール出来るからって

遊びやがって(怒)。


食堂のおばちゃんが満面の笑みでトドメを刺す。

「まのんちゃん♡今日は特別に、

コチュジャンとキムチを特盛サービスね♪」


(やめてぇぇ!!おばちゃん!!

今それは……命取り!!)


だが私は知っている。

学食のおじちゃんおばちゃん界隈で、

私は――


「大盛を喜んで完食する、感じのいい子」

として認知されている。


結果。


「……ありがとう……おばちゃん(涙)」

(終わった……)


笑いを我慢する悠斗

「まのんは辛い物が大好きだから

よかったな!(にやり)」


そんな悠斗もヒリヒリ中♪


「まぁまぁ♡彼氏さんまで

そんなに感動してくれるなんて♪

じゃあ、ピリ辛きゅうりも付けちゃうね♡」


「ありがとう……優しいね(鬼)」

(トイレ……我慢するしかない)


――尼砥家 家訓。

『出されたものは、必ず完食すべし』


こうして私は、

自業自得の地獄を味わうのであった。


「あっ、まのんちゃん!

ちょっと待って! これもあげる♡」


……何かを渡された!

その瞬間――


私の目には、それが救世主に見えた。


「おぉ!これは......甘い団子!」


(今の私にとって、マジ神!

 悠斗には絶対、あげない♪)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ