第14話 強制お嬢様モード、起動!
夢の実現に向けた
まのん淑女化計画――
始動!
私の身体が――
ぽんちゃんに支配される地獄が始まった。
知っていれば、拒否していたのに!
「あれ?まのん。
おはよう。珍しくずいぶん早起きじゃん。」
朝。
リビングでコーヒーを飲みながら、
早起き悠斗が目を丸くする。
「悠斗さん。
わたくしは――生まれ変わりましたの。」
「……は?」
「淑女として――ですわ。」
寒気がする悠斗
(※注:これは私の本心ではありません。
ぽんちゃんに、勝手に言わされています)
『ぽん!!
なんで私がこんな早起きしなきゃいけないのよ!!』
『現在、朝七時半。
立派な寝坊だぞ、まのん』
『もっと寝かせてぇよ!!
それに、朝一はコーラ&ゲームでしょ!?』
『却下♪
これからウォーキングじゃ。早く着替えなさい』
――ちなみに
ぽんちゃんとの会話は、心の中で行われている。
悠斗には聞こえない。
『なんで私がメイクしてんのよ!?』
『言ったじゃろ。
ミッションクリアまで、まのんの身体は
意思とは無関係に“神様主導”で動くのじゃ』
まのんが気になることが一つ
『それに、この化粧品どっから持ってきたの?』
『あぁ~まのんの為に仕入れておいた。』
『金は?』
嫌な予感しか無い
『あぁ~もちろん、まのんの財布の中から♪』
『あれは『きゅん乙女』新刊を買うお金だぞ!』
『心配ご無用!ハイスペ男子と結婚したら
もう金なんて要らんやろ♪』
『そうだけどぉ……』
ヒエラルキー順位が入れ替わった瞬間なのだ
「あれ? まのん、どこ行くんだ?」
「ウォーキングですわ。」
(行きたくねぇぇぇ!!)
「まのんが運動!?
やめろ、マジで天変地異が起きる!!」
「ご心配には及びませんわ。
わたくしはもう、『だめだめまのん』ではございませんの。」
胸に手を当て、私は高らかに宣言させられた。
「淑女まのんとして、生まれ変わりましたのよ。」
(助けて、悠斗!!)
『だから行きたくないって言ってるでしょ!!
なんとかしてよ、ぽんちゃん!!』
『諦めが悪いぞ、まのん』
……で。
十分後。
『はぁぁぁ……疲れたぁ……
コーラ飲みたい……腹減った……松牛寄ろ!』
『まだ十分じゃ♪
三十分以上がウォーキングじゃよ♪』
『ぽんちゃん!
年下なんだから松牛でテイクアウトしてきてよ!』
『買ってきても食べられんよぉ~♪
身体が拒否するからね。』
『鬼ぃぃ!!』
『毎朝ウォーキングじゃ♪』
瀕死状態で帰宅した私を待っていたのは――
シリアル。
ヨーグルト。
サラダ。
「……Oh!
まのんが健康的な朝食を……」
悠斗が震える声で言う。
「逆に不健康だから、やめた方がよくね?」
「何をおっしゃっているのかしら!
わたくしも人間よ。」
『ねぇ、ぽんちゃん。ポテチは?』
『だめ!!』
→ 健康指数+200
『唐揚げは?』
『だめ!!』
→ +500
『コーラは?』
『だめ!!』
→ +150
『サラダにマヨは?』
『だめ!!』
→ +100
『健康指数、健康優良児に到達~♪』
『あのなぁ!!昼まで持たないよぉ……』
『慣れじゃ、慣れ♡』
『ぽんちゃん、私で遊んでるでしょ!?』
図星である。
『違うぞ?
わしは心を鬼にして、最善を尽くしておる。』
『……ポテチの顔で言うなぁぁ!!』
『おや?
今のわし、ポテチに見えとるのか♪
可哀そうにのぉ、まのんちゃん。』
『いつか絶対、復讐してやるからな!!』
――ちなみに。
ぽんちゃんの姿は、
私が今いちばん欲しいモノに見える――
現在:ポテチ。地獄。
ぽんでもいいから食べたい。
「まのん、学校行くぞー。準備できてるか?」
「当然ですわ。参りましょう」
(誰だ?このなんちゃって淑女)
――こうして始まった、
まのん淑女化(強制)計画。
さぁ。
大学では、何が起きる!?




