第13話 ぽんこつ神様のスパルタ教育:強制お嬢様モード、始動。
昨日、誤って12話を投稿してしまいました。
そのため、11話を今朝投稿しています。
話が飛び、すみませんでした。
結婚希望の相手が、
超ハイスペック男子・
三澄投太だと判明した瞬間――
湯船を挟んで、
私とぽんこつ神様の――静かで
しかし確実に消耗する戦いが始まった。
叶えるのか。
叶えないのか。
いや、叶えさせるのか、阻止されるのか。
その境界線で、神と人間が睨み合う。
『じゃあ……あんた、私に嘘をついたってこと?』
湯気越しに問い詰めると、
ぽんこつ神様――
もとい願叶え神は、珍しく真顔になった。
『違う! 一応な、お主を選んだ以上、
願いを叶える義務はある。』
神様は三澄君の告白を信じていない。
『じゃがな。
善人を不幸にして、悪人を幸せにする真似は――
わしには出来ん!!』
一瞬、正論パンチに意識が飛ぶまのん
……
は?
『ねえ、か・み・さ・ま♡
もしかして、それって――
神様じゃないってことじゃない?』
私はにっこり笑って、
いちばん嫌な角度から突く。
『実はまだ見習い中でしょ?
正直に言ってみそ♪』
『な、なにぃ!?』
ぽんこつ神様がムキになる。
『わしはな!
やっと本試験も突破したリアル神様じゃ!!』
そして、なぜか胸を張った。
『なんと言っても――
願叶え神ランキング二九九位/三百中!!』
……。
『出来ないことも、いっぱいあるぞ♪』
『……それ、
自慢げに言うこと?』
『ふん!
下から二番目なんて、なかなか取れんぞ!』
……
『アホか』
即座に切り捨てる。
『だったらさぁ。
この難しい願いを叶えて、ランキング上げたらどう?』
『……』
ぽんこつ神様が考え込む。
(――よし、乗れ)
『……確かに。
まのんにしては、いいこと言うやん』
(乗ったぁぁ!!)
『よーし神様ぁ♪
ミッション開始よ!
えいえいおー!』
『えいえいおぉ~?』
(――なんか……乗せられてる気がする?)
『声が小さい!』
『細かいこと言うなや~』
もはや収拾がつかない。
ぽんこつ神様は腹をくくって、叶えることにした。
『じゃあ、早速。
願叶えミッション、始動しますわよ!』
『なんで女子言葉なん!?』
『ええやん!
一回くらい、神様らしくなくてもええやろ~!』
神様――のりのりである。
『ねえ、ぽんちゃん。
願いって、どうやって叶えるの?』
叶えるに決まって、呼び方も変わった。
私は湯船に顎を乗せて聞く。
『自動的にニート主婦になるんだよね?
ぽんちゃん、頑張ってね♡』
『な、わけあるか!!』
即ツッコミ。
『頑張るのは――まのんや』
『はぁ!?』
『三澄君に相応しい女になるため、
ダイエット。猛勉強。
そして――
真人間化』
淡々と告げられる現実。
『わしは導く。
サポートする。
だが努力するのは、まのん』
『やだ!!
ダイエットも勉強も絶対しない!!』
『無駄じゃ』
にこやかな声で、最悪の宣告。
『ミッションは始動した。
もはや、まのんの意思に関係なく、
体も頭も――
神様仕様で、勝手に動く』
『中止!!
願い叶えなくていい!!』
『お願いだからダイエットと勉強だけはやめてぇぇ!』
『無理ゲー(笑)
試しに、風呂から上がってみ?』
……嫌な予感しかしない。
リビングの悠斗を捕まえる。
「悠斗さん。
わたくし、ダイエットを始めますの。」
自分の口から、
聞いたことのない台詞が飛び出した。
「悠斗さんにこのポテトチップスとコーラ――
お譲りしますわね。
高カロリーな脂質は健康の敵ですから。」
(なに言ってんのだよ、私ぃぃぃ!?)
「え、まのんがダイエット?
本気か……?」
(それに話し方が――気持ち悪い……)
悠斗は天変地異の予兆と思いつつ――
「じゃあ遠慮なくもらうぞ。ちょうど腹減ってたし」
(明日、復讐のイタズラをされなきゃいいけど……(不安))
「はい。よろしくてよ。
わたくしの決意は揺るぎませんの。」
――お嬢様言葉に慣れていない。
『固くねぇぇぇ!!』
『ぽん!!
私のポテチとコーラ返せぇぇぇ!!』
『無駄じゃ(笑)
ミッションクリアまで止まらん♪』
ぽんこつ神様が勝ち誇る。
うっひっひっひ♪
ざまぁみい、まのん。
今回のミッション、失敗したら――
わしはランキング最下位なんや
絶対に、叶えてランキングUPしたる!!
まのん相手に、逆転勝利!!
ばんざーい! ばんざーい!
――これでも神様である。
……その笑顔が、
なぜだか妙に楽しそうだったのが、
少しだけ、まのんの胸に引っかかった。




