来訪者2
ローズが訪ねてから数日後、俺は再び森の入口にいた。
「来れるんでしょうか。色々とお忙しいみたいでしたが。」
「周りの監視もあるからな、でもいずれは話しないといけないからな。」
フィリアと話していると荷台を引いた馬車がやって来た。
荷台には藁が積んであるのだが、それがモゾモゾと動いていた。
「ぷはぁっ! はぁ、苦しかった。」
藁の中から顔を出したのはルーチェルだった。
「兄上! お久しぶりです。」
「そうだな、て言うか良く城、王都から脱け出したな。」
「ずっと、この荷台に隠れていましたし、ローズが協力してくれました。」
うん、結構逞しくなったな。
「兄上、申し訳ありませんでした! 兄上を差し置いて王太子を任命されてしまった事を!」
家について早々ルーチェルは謝罪した。
「いや、俺もルーチェルが王になった方が良い、と思っているから。俺は王になる器じゃないからな。」
「そんな事はありません! 兄上は頭も良く敵相手に勇猛に戦ってきたのを知っています! 僕は兄上を尊敬し目標にやって来ました。周りがおかしいんですよ、兄上を評価しようとしないなんて‥‥‥。」
そこまで言ってくれるのはありがたい、ちょっと泣きたくなってきたよ。
「まぁ、俺はこうして元気にやってるから心配しないでくれ。で、聞きたいんだが俺がいなくなったのに親父達は気づいているのか?」
「流石に気づいていますよ。僕は王太子任命の発表があった時に人混みの中に兄上がいた事に気づきました。あの後、兄上の部屋に行き手紙も読みました。‥‥‥僕も正直浮かれていた部分はあります。それが一気に現実に引き戻されました。」
申し訳無さそうに話すルーチェル。
「親父達の反応は?」
「それがおかしいんです。軽く見ているみたいで、『放っておけ』と。ただ、ルールの件が出始めたら焦り始めてます。」
‥‥‥そうかそうか、全く心配してないんだな。
「俺、一生あの国には帰らないぞ。どうなっても知らん!」
「僕もそれで良い、と思います。僕も正直見捨てたい気分です。」
実の息子二人に愛想を尽かされてる事に親父達は気づいてないんだろうな。




