↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フェイテルリンク・レジェンディア ~訓練場に籠もって出てきたら、最強になっていた。バトルでも日常でも無双します~  作者: 毘沙門 子子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

777/780

812 始まりと終わり

『かなり奥まで飛ばないといけないみたいですね』

「そうみたい」

『じゃあ、サンライト・ショーグン・ゼロ・カスタムと合体しませんか?』

「え?」

『合体すれば、エンジンがいっぱい増えて速度が上がります!』

「あー、重力も弱めだし、いいかもね!」

『ルミライト・ダーリン・インフィニティ・カスタムも合体したいぞ』

『リッカは後ろから押して下さい』

『ほーい』


 というわけで簡易合体状態で一気に駆け抜ける。


『は、速すぎるぞお前ら・・・』

『シャーリー、わたくしたちも』

『わ、わかった』


 なんかルジェルナとシャーリーは抱き合って追いかけてくる。

 百合が咲いてるなぁ。


 マイルズも付いてきてるけど、一人だからちょっと遅れてる。


『スウ、どこだー! 助けてくれー!』


 なんか笠木くんからヘルプ要請が・・・。


「ど、どしたの?」

『う、後ろからリーサル・ハーピィの群れが追いかけてきてんだよー!』

「ご、ごめん私たちもう随分奥に来てるから戻れないかも」

『スウっち良いから行け! とっととコイツを倒してこい! おら、笠木踏ん張れ! このくらいでスウっちに迷惑かけんな!』


 チグのスパルタ攻略で、私は進むことになった。


『ひえー』

『むしろ、スウっちの方へリーサル・ハーピィが行かないようにあたしらがここで食い止めるんだよ!』

『わーん』

『チグ、こっちは任せて下さい!』

『おう、アリス、頼む!』

『おー、チグー今度また遊ぼう』

『それはフラグみたいだから、今は約束しない。戦いのあとのことを約束するのは、フラグが危ないってスウが言ってたからな』

『ふむ。じゃあ約束なしだー、アポなしでチグの家に行くぞー』

『弟と妹がいるんだ。アポ無しで家凸は、止めてくれ』

「草――じゃあ、ちょっと行ってくるね!」

『おう、こっちは気にせず行け――最強のプレイヤー、スウ!!』

「りょ!」


 すると綺雪ちゃんからも通信が入ってきた。


『後ろは任せて下さい!』

「お願いね、綺雪ちゃん、リイム!」

『はい!』

『コ!(りょ)』


 しまった、リイムに聞かれてたか・・・。


『ああ、じゃあわたくしたちは、後ろを支援してきますわ』

『あ・・・後は任せた』

『では、ボクもそうするか』

「わかった、ルジェルナ、シャーリー、マイルズ、みんなをお願い」

『了解ですわ』

『よ、よし、行こう、ルジェルナ』

『ああ、心配はするな』


 3人が引き返していった。


 長い長い時間、飛んだと思う。


 恐らく防衛機構0の最後尾だろう。


 それはいた。


 それは一匹の青い蝶だった。


「あれが、コア?」

『小さいですね』

『蝶? だよな?』


『こんにちわ、皆さん』

「・・・おお、しゃべった」

『なんか、さっきまでの防衛機構0とは別人格っぽい?』


 青い蝶といえば、アイリスの象徴だけど。


「貴女は、アイリス?」

『僕は、始まり――そして終わり』

「え・・・と?」

『あらゆる可能性を重ね合わせた存在――すなわち夢。――バタフライエフェクトが見る胡蝶の夢。アイリスが見る夢』


 駄目だ、大分意味がわからない。


「私たちは、貴方をどうすれば、アイリスを助けられる?」

『現象を確定させれば、アイリスが目覚める世界に収束させれば、或いは――』


 青い蝶の言葉を理解しようとしたけど、わからない。


 私はもう一度質問をしようとした。


 だけどその前に、世界が、めくれた。


   ◆◇◆◇◆


 気づくと、私は公園にいた。


 空を覆い尽くす、星の輝き。

 降りしきる、星の雨。

 流れ星の花束。


「・・・神奈川だ」


 見覚えのある光景。

 星が随分と鮮明で、天にそびえる天の川銀河が、まるで宇宙空間で視るように眩しい。

 

 前に住んでいたマンションの下の公園。

 落ちてきそうな星空。


 この光景を私は知っている。そう思っていると、後ろから、2つ声がした。


「涼姫ちゃん? ・・・ここは」

「なんだ? ここ」

「アリス、みずき、2人も来たんだね――」


 でも、ここに来たなら、私は会わないといけない人がいる。


「――2人とも、ついてきて」


 私達が歩みだすと、朝日が世界を色づかせ始めた。

 星を陽光が、かき消していく。


 街が目覚めていく。

 ――でもそこは、やはり人の音が欠けた街だった。


 やがてたどり着いたのは、忘れられたような丘の上。


 丘に来ると――突如一陣の風が駆け抜けた。波打ち輝く〝えのころ草〟――夏の匂い。

 見上げれば、白い入道雲。

 視線を下げれば、緑の草の上――パステルカラーのビニールシートに、じゃれ付くように眠る幼い少女。

 白いワンピース。

 真っ白な世界、無垢な世界。

 優しい匂いのするバスケットには、手作りのパンケーキ。

 側には汗をかいたガラスのコップに、オレンジジュース。

 少女の寝顔は囚われる物のない、無垢。

 彼女の側の砂時計は、止まったまま。

 あの時と何も変わらない――砂時計は、止まったまま。


 だけど、以前、彼女を見たときより、その姿が少し鮮明になっている。


 ・・・・そうか、みんなが彼女を知ったから――沢山の沢山のプレイヤーや、銀河連合の人たちが。

 私は彼女の名前を呼ぶ。


「アイリス」


 彼女が私の声に、身じろぎをした。

 すると、アリスとリッカが目をしばたたかせた。


「アイリス?」

「この小さな少女が?」

「そういえば、ダンジョンで見た面影が・・・」

「ああ、確かに」


 無垢な少女は体をお越し、目をこすると、私を見上げた。


「涼姫?」

「来たよ、アイリス」

「もう来たんだ。―――早かったね」

「起きられる?」

「まだ少し、眠いかも」

「そっか。どうしたら起きられる?」

「MoBの意識をなんとかしてくれたら」

「なんとか?」

「MoBの意識を、私から、・・・切り離して」

「・・・・なるほど、わかった。まかせて」

「うん、よろしくね」

 アイリスが、陽だまりのように微笑んで、私を見上げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 いよいよアイリスと直接(?)会えましたね。果たして彼女からMobを切り離しできるのかな? そろそろ物語の最終回も近そう? それでは今日はこの辺りで失礼致します。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。