806 いきます
ルジェルナにちょっと呆れられた。
有効じゃん!
ルジェルナがメインコントロールに着席して、
「じゃあ行きますわよ――〖必中〗! 全砲門、一斉掃射」
こっちの攻撃が敵に、バカスカ当たる!
ちゃんと全部あたってるし、こえええ。
リーサル・ハーピーが面白いように消えていく。
「うおーーー!」
「どうかしら」
「二度と戦いたくねぇ!」
「わたくしは戦いたいのですけれどねぇ、貴女に黒星を付けたままなのは、少し腹が立ちますわ」
「意見の相違ですな」
「そのうち襲いかかってあげますわ」
「PKいくない」
FLのPKは洒落にならんのよ。
敵のリーサル・ハーピー軍団の真ん中に大穴が空いた。
ビスカムアルバムに飛んでくる弾幕も、大分薄くなった。
「ざっとこんなもんですわ」
「よし、後は任せて――ルジェルナはAUⅢに戻っていいよ」
「あら、出番は終わりかしら」
「ここからは私の土俵だから――タスクさん!」
『*ハッハッハ、俺とデュランダルは無敵なのだー!* って、スウ!? なんなのだ!?』
戦艦は被弾面積も大きいから、ヒーラーさん大変だろうなぁ。頑張ってぇ。
「私、ビスカムアルバムで敵陣に突っ込むんで、ビスカム隊の盾にもなってくれませんか?」
『お、おうなのだ。つ・・・突っ込むのか? あの中に? ・・・・敵が、濁流みたいにいるんだけど』
ビルカムアルバムとデュランダルは左右に半円を描くように動いたから、すぐ近くにいるんだよね。
ルジェルナと音子さんが離れたら突撃だ。
『ルジェルナ・ハイネ、AUⅢ、ドッキング解除しましたわ』
「よし、加速前進!!」
私は速度上限など知ったことかと、ビスカムアルバムを全力加速。
流石、大量のロケットエンジンによる加速力で、とんでもないGが襲ってくる。
弾丸もミサイルも目じゃない秒速20000キロとかいう完全に天文学的速度で、またたく間に敵母艦に到達。
やっぱでっかいなぁ、直径1キロ位の大型MoBだもんね!
「〈超・大型励起剣〉!!」
私は、〈超・大型励起剣〉で敵母艦を薙ぎ払――わない。
「このサイズだと真っ二つにするのは時間掛かるからぁ!!」
こんなリーサル・ハーピーだらけの場所で、ゆっくり母艦をチョンパなんてしてらんない。
昔戦ったハーピィの母艦とは、展開してくる敵の数が違いすぎる。生み出すのが速い速い。
なので〈超・大型励起剣〉を突き刺して、そのまま角力を保存してターン。
「エンジン停止させて――〖質量操作〗! 〖超怪力〗〖怪力〗! ――Gが! Gが! ギャース!! 〖再生〗〖再生〗〖再生〗!」
自分でやっといてなんだけど、Gに殺されそう。
『大丈夫ですの!?』
『お、お前、バカか・・・・その速度で回転とか』
ルジェルナに心配されて、シャーリーに暴言を吐かれた。
『スウお姉ちゃん!?』
『コケーーー!?(ママーーー!?)』
「だだだ、大丈夫! ビスカムアルバムの重力制御装置は圧倒的だから、なんとか生きてる!!」
10Gとか来た気がするけど。それを〖超怪力〗とかと〖再生〗で、なんとか耐えた。
スキルが無かったら、普通に死んでたな。
私はエンドレスにワルツしたりする人たちみたいな超人さんではなく一般人だから、10Gとか掛かったら普通に死ねる。
んで、回転しながら、
「バリア展開、エンジン再点火!!」
敵母艦に体当たりじゃ!!
そうして敵母艦を、車懸りの陣の真ん中へ吹き飛ばす。
「いけぇ!!」
でも、ビスカムアルバムにはリーサル・ハーピィが殺到してて、喰われる、喰われまくってる。
貪り喰われていくビスカムアルバム。ビスカムアルバムの全体を覆い尽くすリーサル・ハーピィたち。――バリアが壊れた! シールドも!!
駄目だ、ビスカムアルバムの巨体だと流石に躱しきれない!
すると、防衛機構0が嗤った。
『愚か者め、死ぬがよい』
遂に、爆散するビスカムアルバム。
『カハハハハハハハハ!! ――スウを、スウを、遂に討ち取ったぞ!! 射手座A*に至ったが、ここまでのようだな! お前さえ倒せば後はザコ!!』
『だ、誰がザコか。ル、ルジェルナと私がいれば、スウの代わりくらいにはなる』
『というか、防衛機構0。本番は、ここからですわよ?』
ビスカムアルバムの爆炎から飛び出してくる、アイステイル。
『なにぃ!?』
どうやら防衛機構0は、ビスカムアルバムの詳しい情報は、知らなかったみたいである。
私は迫りくるリーサル・ハーピィと、弾幕を躱し続ける。
シャーリーから、ヒールも飛んできてるし。
『こいつ、その量のリーサル・ハーピィの中を掠め飛べるのか!?』
昔の私じゃ無理だったろうけど・・・・。
「入れ――」
『おおっ、行けスウ!!』
❝行けスウたん!❞
「ゼロ・ゾーン!!」
世界が輝きだす。
私の瞳が輝きだす。
世界と、周りの仲間と、敵とすら、私は一体になる。
『リーサル・ハーピィ!! なんとしてもスウを殺せ!!』
殺到してくるリーサル・ハーピィ。だけど、爪も、弾幕も、当たらない。
何をしてくるのか、全部わかる。
流れ込んでくる。
『こいつ、なんなんだ!? どうなっているんだ!!』




