801 驚きます
辺りから、阿鼻叫喚が響いてきた。
『弾幕の量が多すぎる!! 受けきれない!!』
『盾役しっかり受け止めてくれ! 漏れたのを躱しきれない――というか近くで分裂しやがる!!』
『こんなの回復しきれないよ!!』
知らないプレイヤー達が叫んでいる。
プリティ・ギルティちゃんたちも大変みたいだ。
香ナイトさんのかなり焦った声が聞こえる。
『つ、罪、しっかり回復してくれ!!』
『この弾幕可愛くないぞ!! こんなもん、回復が間に合うか!!』
『香! こっちに弾幕が漏れてる!! 近くで分裂するから逃さないでくれ!!』
『何個かは避けないと、罪の回復が間に合わないんだよ!!』
私達はビスカムアルバムの硬さにあかせて前に進み続ける。
ここで歓声が上がった。
え、なに?
『おおお! ビスカムアルバムが、弾幕を受け止めながら突っ込んでいく!!』
『みんな続け!! ビスカムアルバムと盾役に弾幕を受けてもらいながら進めば、なんとかなる!!』
わ、私!?
うわっ、私に大量のヒールが飛んできた!!
ビスカムアルバムにも修理装置があるし、これじゃビスカムアルバムは壊れそうにないな。
『Msスウ、流石です!』
あ、エレノアさんだ。
でへへ、そうですかぁ?
『スっちー! ナイスゥゥゥ!!』
『罪、鳳、急げ! スウちゃんに続け!!』
『席がなくなる前に!!』
あ、図らずもプリティ・ギルティちゃん達の役にも立った。
これにてスウは満足した。
こんだけヒールが飛んでくるなら、弾幕は躱さないで消したほうが良いね。
私、盾役してる!
❝スウたんナイス!❞
❝攻略はいつも、スウがなんとかしてくれる!❞
『ビスカムアルバムの席が無くなった!』
『もう隠れられない!!』
あ、ビスカムアルバムの後ろに回っても、弾幕に当たるようになっちゃったか。
ここでお決まりのパターンが来た。
『デュランダル.Mk-ⅩⅤ轟――』
通信でデュランダルを所持してる、星団ノーツ所属のプリティ・ギルティちゃんたちがブチ切れだす。
『またかボケェ!!』
『タスク、お前、いい加減にしろよ!?』
『また勲功ポイント徴収しないといけないじゃねぇか!! 足りない分出すのは、いつも私等、成績上位陣なんだぞ!?』
リッカが通信ウィンドウの向こうで目をつむった。
『やっとるのう』
アリスも苦笑い。
『最後の最後まで』
でも、ややあって、タタセさんの驚愕の声が通信に響く。
『――沈しません!! どうしたことですか!? これは!?』
『ダニィ!?』
リッカさん、迫真の「ダニィ」入りました。
でも、ほんとどうしたんだろう?
『デュランダルは轟沈芸しないと駄目だろう!?』
リッカさん止めなさい。
『ハハハハハ!! 今回のデュランダルは一味違うのだ!!』
バリアを張ったデュランダルが大量のヒーラーに回復されながら、弾幕の海を裂いて行く!
なんだあのヒーラーの人数。
流石5000人を誇るクラン。
クラメン全員が参加できてるわけじゃないだろうけど、500人くらいが戦艦をガンガン回復していく。
『なんと攻略前に、盾役になれる戦艦が販売されていたから、みんなで買ったのだ!!』
ああなるほど、ティンクルスターみたいに、盾役になれる空母すら前はなかったもんね。
ティンクルスターでも空母を守れるサイズのバリアを張れるジェネレーターを積むの大変だったって聴いたのに、とうとう戦艦を守れるサイズのバリアを張れるジェネレーターが開発されたんだ?
『スウさんの真似をするのだー! みなさん、デュランダルの陰に隠れて防衛機構0に迫るのだ!!』
『『『おおおっ』』』
『デュランダルが役に立ってる!!』
❝デュランダルの勇姿すげぇ!!❞
❝巨大な戦艦が弾幕の海を割っていくぅ!❞
『弾幕を〖逃げる〗で避けれるけど、消すことも攻撃もできないで、ただ避けてるだけだったからたすかるわー。ストリーマーズのみんなデュランダルに隠れるんやー』
・・・音子さん。
❝俺、大量の配信者を、持ってるスマホとPCで10窓してるけど、ストリーマーズが急いでデュランダルに隠れてて草w ダンだけは行動早すぎてビスカムアルバムに隠れてるけどw❞
そうしてどんどん防衛機構0に向かって進む。
ふと、リッカが明後日の方向を睨んだ。
『呼吸の違うやつ・・・』
呼吸?
『アリス――』『え、なんですか――あ、CLOSED通信?』
なんかCLOSED通信で、アリスとやり取りしててるみたい。
『なるほど・・・・わかりました。――スウさん、篇世機、ちょっと離れますね』
「えっ、アリスとリッカ、どっか行くの?」
私がちょっと寂しそうに返すと、リッカが頷いた。
『ああ、少し用事を片付けてくる』
「用事?」
『小さなことだ、気にするな。――いくぞ、アリス!!』
『はいっ!』
『安心しろ。わたしとアリスが抜けた穴は、ルジェルナとシャーリーに頼んでおく』
言ってリッカとアリスの篇世機は、明後日の方向へ飛んでいった。
『ひっ』
なんか知らんけど、コハクさんが小さな悲鳴を上げていた。なんで?
綺雪ちゃんもちょっと寂しそう。
『行っちゃいましたね』
「うん」
用事って、なんだろう・・・・?




