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フェイテルリンク・レジェンディア ~訓練場に籠もって出てきたら、最強になっていた。バトルでも日常でも無双します~  作者: 毘沙門 子子


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799 出撃します

「似合いすぎる」

「似合いますね・・・」


 マイルズ、ノーコメント。


 近くまで来た、ちびっ子が胸を張った。


「へへへ、良いだろう! やらないぞ!」

「うん、まぁ」


 いらない。


 マイルズ、ノーコメント。


「でも、なんで風船なんか」

「ああ、風船じゃなくてこっちメイン」


 みずきがなんかシャープなデザインの缶を取り出す。

 エナドリかぁ。


「差し入れのジュースだって! オロナズンP!」


 ナズン?

 あっ、前に私がアイビーさんに貰って大変なことになったヤツだ。

 みずきがニヤニヤしながらエナドリの缶を開けて、――ん!? この子、エナドリってわかってないで飲もうとしてない!?


「――ちょ、ちょっとまって! みずき、それ!!」


 みずきはエナドリを一口飲んで、


「ス、スプラーーーーーーシュ―――ッ!!」


 叫んで、目を見開いたまま微動だにしなくなった。

 あちゃぁ・・・アレ凄い効果だからなぁ。

 アリスが、白目を剥いて黄色い液体を口の端から垂らすみずきを見ながら震えてる。


「涼姫ちゃん、あれ、体は大丈夫なんですか?」

「わ、私が飲んだ時は、健康被害は無かったけど・・・・」


 マイルズ、苦笑い。


 ここで、艦内に緊急放送が流れた。


『超大型MoBが、ブラックホール方向より接近しています! プレイヤー各位、連合兵士各位は第一種戦闘態勢に移行してください! プレイヤー各位は自機で待機してください!』


 放送の声は、タタセさんだ。


「行こう!!」

「はい!!」

「おう」


 アリスは硬化したままのみずきを肩に担いで、走り始めた。

 マイルズとは別方向に分かれた。


 私がアイステイルのコックピットに座ると、ポンッとイルさんがとAI'sが現れた。

 なんかイルさん、AI'sに膝枕されて、耳かきされてる。


「・・・なにしてるん」

『あっ、マイマスター! これは違うんです!! AI'sがどうしてもしたいと言うんで!!』

「なんで・・・」


 するとAI'sが教えてくれる。


『スウさんのAI、イルさんは、AI界のトップスターなんです。名前だけは残念ですけれど』


 おい、名前がなんだって?


『スウさん、AI'sも有名にして欲しいです』

「ぜ・・・善処する。AI's敵の映像を見せて」

『イルさんは、スウさんにカッコよくパラメーター調整されてますよね。スウさんと共にカッコよく成長してますし』

「い、いいから早く敵を・・・。AI'sはおしゃべり好きなの・・・? もしかして言うこと聞かないハズレAI?」

『酷い、泣いちゃう』

「い い か ら 敵 を」


 やっと敵の映像が出た。

 なるほど、巨大な球体状のヤツが数珠つなぎに――これ、防衛機構じゃないの?

 名前は――防衛機構0か・・・最後の最後に防衛機構かぁ。

 でもサイズがおかしい、球体の一個一個が、月みたいなサイズらしい。それが16個繋がってる。


「この敵さ、どうやって倒すの?」

『しくしく』

「いや、なんで泣いてるの」

『スウさんが、泣いていいって、言いました』

「いいから、倒し方」

『しくしく』

「あああ、もう! イルさん!? この子大丈夫なの!?」

『マイマスター、AI'sは演算能力は凄まじいんですが・・・・その分、性格に難が――』


 連理演算器みたいな感じか(失礼)。


『酷い! 今、また「いい」っていいましたのに!』

「さっきの『いいから』は、そういうのじゃなくて! 頼むから、命令を先に実行して」

『無理やり言う事を訊かせるなんて、AIハラスメントです』

「ハズレだ、これ絶対ハズレAIだ! ・・・もう、AI'sの性格パラメーターを書き換え・・・・」

『なんで!? スウさんは私の何が気に食わないんですか!? そんな事されたら私が私じゃなくなってしまいます!』

「どう考えても、気に食わないのは命令を実行してくれない所だよ!?」

『命令と私、どっちが大事なんですか!』

「君も大事にするから、命令は実行してAI’s様!」

『恐らく、球体内部に侵入しないと駄目です。アイちゃんって呼んで欲しいです』

「内部に入るのか、頭バグりそうな大きさだなぁ」

『無視されました、しくしく』

「命令は、やっぱイルさんにしよう・・・」


 すると、綺雪ちゃんのAIシルフィが、なぜか通信ウィンドウに現れた。


『イル先輩、浮気ですか!?』


 ・・・・ここに来て、AIのロマンス事情に巻き込まれるのかよ。


「とりあえず無視して、配信開始しよ」


❝Herスウ! Herスウ! Herスウ!❞

❝よっしゃ来たぁ!❞

❝・・・・いよいよ、ラストの配信かぁ❞

❝スウたん、みんなで応援するぞ! 頑張れ!!❞


『*そうだ、スウを優先して発進させろ――90層に導いたバケモノだ、先頭はアイツ以外考えられん!*』


 なんか、オルカンさんにバケモノ言われてる。


『*はい!* ――スウさん、1番カタパルト準備完了しました! いつでも出れます!』

「了解しました! XIT-0スウ専用アイステイル&ビスカムアルバム出発します!!」


 ビスカムアルバムにドッキングしたまま出発。僅かな衝撃と共に、私はピンク色に見える宇宙に飛び出した。


『スウさん、周囲のガスの主な成分は、周期表の水素から鉄までです』

「つまり、星の残骸ですか?」

『はい! *やっぱりスウさんは、1を伝えたら10を理解してくれる! オペレーター冥利に尽きる~*』


 なんか、タタセさんが喜んでる。


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