797 いつものがポップします
困惑涼姫。
「おっ、いいな」
みずきは乗り気。
涼姫、温泉があるとか聞いてないよ?
「待って待って、江の島って温泉あるの?」
「ありますよ、スパです」
なんで有るんだよ。
なんで温泉を湧かしてくれてんだよ。
あ、ここ火山列島だったわ。しかも、近くにかつてカルデラができるほどの大規模な噴火を起こした箱根があったわ。
どこでも掘れば、大体温泉が出てくるような地域だったわ。
「人前で裸になりたくないんだけど」
私は悩みを相談してみる。
「また涼姫ちゃんはそんなこと、恥ずかしがり過ぎなんですよ」
私の相談は、受付拒否。
「陰キャって自分の何もかもを知られたくないんだよ。減点しか無いから」
「貴女、自分に対して減点が多すぎなんですよ・・・わたしからしたら、涼姫ちゃんは満点ですよ。体だってプロポーションいいじゃないですか。お胸とか特に」
途中までは嬉しい言葉だったけど、最後のなんだよ。
ちなみにプロポーションは、パイロットスーツの矯正による賜物だし。
「黙れ貴様、胸ばっかり評価しおって」
アリスが、怪しい目で私のおっぱいを見てくる。
涼姫、おっぱいを視線から避難させる。
「さあ、行きましょう」
アリスが私の手を引く。
「お母さんに、人前で裸になっちゃ駄目って言われてるんだけど!?」
ママの言いつけを守ろうとする私だが、
「温泉は別でしょう!」
「正論で殴らないで、正論って言葉の暴力だって言うよ!」
私は、正論デンプシーロールをカウンターしようとしてみた。
すると逆に、アリスとみずきのカウンターが飛んでくる。
「この人は・・・何でもかんでも論破しようとして! 若干『あれ? 自分が間違ってる?』なんて思わされるじゃないですか!」
「そうだそうだ、わたしたちの脳内の常識を改変しようとするな! 貴様は何の能力者だ、馬鹿みたいに口が上手いぞ!」
「黙れ変態共! なんで人前で裸になろうとするんだ!」
私の正論パンチはなぜか、アリスに回避される。
「温泉で裸になって、なんで変態呼ばわりされないと駄目なんですか!? とにかく、温泉は人前で裸になる場所です!!」
私はスンとした。
「それは違うぞ? 温泉で温まる場所だぞ?」
「涼姫ちゃんが別方向にばっか行こうとするから、わたしが逆側にふっとんだじゃないですか・・・」
するとみずきが、とんでもないことを言い出す。
「露天風呂もあるんだがなぁ、プールエリアなんだよなぁ。水着を着ないと、外に出れない。残念だ」
「をまいは、マジの変態だ!!」
私はみずきをフィニッシュブローで、マットに沈めた。『ギャラクティカマグナム』ッ。
『BAGOOOOOOM!』
というわけで、INスパ。
「室内で良かった。露天風呂だったらお空にラナウェイするところだった」
「止めなさい、周り観光客だらけですよ」
しかし人類には、お風呂に入る前にやらないといけないことがある。
「あれ? ごしごしきゅっきゅエリアは?」
「ごしごしきゅっきゅ?」
「体洗わないと、温泉汚しちゃわない?」
「気にすんなー」
裸のみずきが、体を洗わず温泉にダイブ。
「えーっ」
「だから涼姫ちゃんは気にしすぎですって」
アリスも、ごしごしきゅっきゅしなくても気にならないらしい。
私は困惑しながら、眉を寄せる。
「涼姫の出汁が出ちゃうよ?」
するとみずきが、背泳ぎしながら曰う。ちっぱい。
「おう、出せ出せ、どうせ風呂入ったら汗が出るんだから」
「ほんと自由奔放だなぁ」
で、お城みたいなお風呂でくつろぎ涼姫。
ちなみに、くつろぎ涼姫は、背後を警戒中。
私がみんなとお風呂に入ると、必ず私の胸を揉むエネミーがポップするからな。
「ナトリウム塩泉かぁ、保湿効果で美肌になるかな?」
私は言いながら『美人にな~れ』と肩にかけ湯をした。すると、隣のアリスが、
「美肌ですか、シミになりやすいんですよね、わたしの遺伝子」
「そうなんだ?」
「飲んでも効果ありますかね――」
お湯を掬って飲もうとしたので、右手でインターセプト。
「やめろ、その湯には涼姫の出汁が出ている」
「別に汚くないですよ」
「止めてくれ」
「じゃあ向こうで飲んできます」
「・・・頼む」
アリスは別のお風呂に向かう。
「というか、元から美人のアリスがこれ以上美人になっちゃったら、事象の地平を超えないか心配」
アリスが特異点にならないか心配していると、奥に向かったアリスから、
「しょっぱ!」
という声が聞こえてきた。
ナトリウム塩泉だ、つったじゃん。しかも隣が海で、その地下水だから、ほぼ潮だよこれ。
ちなみに汲み上げた時の温度は35度くらいらしい。
私が咽る美人のおちりを、生暖かい目でみていると、背後に水音・・・・振り返ればみずき!
「させるか!」
「甘い!」
私が、胸に腕という名のブレストアーマーを装着。したのに、
「消えた!?」
このガキ、立花放神捨刀流の消える動きを使いやがった!! しかも、私に見えないレベル! まだ隠し玉もってたのか、しかも今使うのか!!
みずきが私のブレストアーマーに触れた。
すると、軽く触られただけなのに、なぜか腕の力が抜けた。
剥がされるブレストアーマー。
なにこれ!? ――あっ!
「これ、合気とかいう奴でしょ!? 人の胸揉むために、なにを奥義みたいなモノ発動させてんの!?」
「知らないのか、涼姫? 合気の極意に、『痴漢をするように』というのがあるんだ。つまり合気の達人は皆――」
「んなわけないだろ!」
「おっと違った、『女性の肌に触れるように』だった」
「マジで!?」
「これはマジ」
そして、こねくられる我が胸。
時折皮膚をこねるな、本当に痴漢みたいだぞ!?
「やめてーーー! 痴漢がいますーーー! おまわりさーん!」
「うむ、揉み応えのある乳だ」
「ぎゃああああああ」
私が叫んでいると、お湯を飲んで戻ってきたアリスも参戦。
「挑戦者が現れました」
「やめろ変態共ーーー!」
その後、変態共を〖念動力〗で投げ飛ばして我が乳を守った。
私は、冷たい温泉に入って、クールタイム。リスポーンはさせなかった。
で、HPを回復させるために、マッサージを受けて、家に帰った。
んぎもぢ良かった。
「涼姫ちゃんのマッサージなら、わたしが幾らでもしますのに」
「黙れ変態」




