表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フェイテルリンク・レジェンディア ~訓練場に籠もって出てきたら、最強になっていた。バトルでも日常でも無双します~  作者: 毘沙門 子子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

754/759

789 さよなら

 アイビーさんの言っていたゾーンに入りやすくしてくれる機能か。

 確かに、いつもより〝深い〟。今なら、もっと深くまで行けそうな気もする。


「シャドウ・サークル!!」


 スナップピッチ(高速機首上げ)、スナップロール(高速横転)、背面飛行――


『あ、貴女――なぜカオスを使わないの!?』

「虚実を織り交ぜる。相手が虚を追うなら、実をぶつける! ――〖伝説〗!! イルさん! 〈超臨界・励起翼〉!」

『イエスマイマスター! 〈超臨界・励起翼〉!!』

「さあ、リアトリス受けてみろ、これが私の奥の手――」


 私はサイドのプラカバーを叩き割り、レバーを引き上げた。

 リミッターを解除、全力でスロットルを上げて飛ぶ。


「――真っ向勝負ッ!!」


 青いオーラを放つ、アイステイル。

 が宇宙を切り裂き・・・・


「こんな物、躱して!!」

「させるかぁぁぁあああぁ!!」


 リアトリスが上昇で逃げようとする。

 スナップピッチで機首上げ。


「シャドウ・サークル!!」


 アイステイルが弧を描くように飛ぶと、リアトリスの体を、灼熱の翼が縦に薙いだ――リアトリスが左右に分かれ、真っ二つになった。

 落下していく小さな体。


『*どうして? どうしてボクが負けた? ・・・・正義は――勝つはず。勝つから正義なのに・・・?*』


 その目は驚愕に見開かれ、赤い地面に消えていった。


「終わったね」

『終わりましたね』


 アリスが私に向かって飛んでくる。


『スウさん、リアトリスの本体に――基地に、とどめを刺しましょう――』

「うん」


 あとは、あの基地の中央をぶち抜いて、連理演算器を破壊するだけだ。

 私が、〈超臨界・黒体放射〉をリアトリスの基地に向けた時だった。音声にノイズが走った。

 

『*・・・・正義――は、負けてはいけない・・・*』

「えっ?」


 リアトリスの(ひず)んだ声がした。すると、周りのプレイヤー達の機体が、私とアリスに向かって機銃を向けていた。


(これ、リアトリスが周りの機体をハッキングした!? ――不味い!!)


「アリ――」

『なんですか、これ――機体が動かない!』


 何百という機銃が、私とアリスを撃ってくる。


「Ai’s、ハッキングを解除して!」


 アイステイルのシールドが割れた! 早く!!


『解除完了しました』


 よし、動く!


「Ai’s、アリスの機体のハッキングも!!」

『少々お待ちください』


 私はわざと弾丸をサンライト・ショーグン・ゼロ・カスタムをギリ掠めるように撃って、オートでバリアを張らせる。――けど、またたく間に周りの機体にバリアを破壊され、サンライト・ショーグン・ゼロ・カスタムが削られていく。――破壊されていく!


「アルハナ、出てきて!!」


 ヒールドローンにサンライト・ショーグン・ゼロ・カスタムのバリアを回復してもらうけど、間に合わない!!


(こ・・・このままじゃ、アリスが死ぬ!?)


〈臨界黒体放射〉がサンライト・ショーグン・ゼロ・カスタムの胴体を貫いた。

 私の脳裏によぎる、コーレルリヒの死。

 私はアリスを助けようと、思わず叫んでいた。


「は、入れ! ――」


 Ai'sがあれば行けるはずだ―――。


「――サード・ゾーン!!」


   ◆◇◆◇◆


 気づくと、私は楽園のような浜辺にいた。


「あれ? 私、何してたんだっけ? ――あっ、そうだ、ゲームをしてたんだった。ヒロインを守らなきゃ!」


 私が思い出すと、眼の前に「ポン」と、コントローラーが現れた。

 なのでコントローラーを握ると、今度は「ポン」と、モニターが現れた。

 私はモニターを覗き込んでゲームをプレイする。


「よーし、〈励起翼〉だ――1機撃破、続けて2機――ヒロインを守るぞー!」


   ◆◇sight:???◇◆


 サードゾーンに入った涼姫。

 彼女の目は真っ黒だった。

 ブラックホールのように、光を一切放たない瞳だった。

 ――それはもはや人の目ではなかった。

 いや、生き物の目とも思えない。

 その黒は、そう――まるでMoB。

 真っ二つに破壊されたリアトリスが荒涼とした寂しい大地で、嗤う。


「*ボクの勝ちね。スウは、貰っていく*」


   ◆◇◆◇◆


『涼姫!! 戻ってきて下さい、涼姫!!』


 戦いは終わった。プレイヤー全員の催眠も解け、機体のハッキングも解け、リアトリスの連理演算器も完全に破壊し、沈黙した。

 だが、涼姫だけが戻らない。

 アリスがいくら呼びかけても、涼姫からの返事はない。


『涼姫ぃぃい・・・』


 アリスの声は届かない――どころか、アイステイルが人型になり、〈励起剣〉を構えてサンライト・ショーグン・ゼロに迫ってくる。

 アリスは必死に呼びかけるばかりで、〈励起剣〉を躱さなかった。


 ――ギャギギギギギギィィィィィィ。


〈励起剣〉が、サンライト・ショーグン・ゼロの胴体を貫いた。


 目の光を失った涼姫は、淡々とサンライト・ショーグン・ゼロに〈励起剣〉を押し込んでいく。


『大丈夫か、アリス!!』

『一式 アリス!!』


 リッカやマイルズは、アリスを心配するが、〈励起剣〉はコックピットを外れている。

 だが、アリスは返事どころではなかった。


『涼姫、涼姫、涼姫ぃ―――!!』


 アリスの必死の呼びかけ。やがて涼姫の頬を伝う、涙。


「・・・・ア、リ・・・ス―――?」


 涼姫が、彼女の名を口にした。

 だが、そこまでだった。涼姫は、糸が切れるように、意識を失った。


 アイステイルが弛緩する。

 崩れ去るアイステイルを、サンライト・ショーグン・ゼロが支える。


『涼姫、涼姫、涼姫!!』


 アリスは、呼びかけ続けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 まさかこれが真の狙いだったとは…リアトリスめ! 徹頭徹尾、トッ○並みに最後まで嫌がらせ成分たっぷりなことばかりしおってからに…!?果たしてスウちゃんは『帰って』来られるのか? …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ