787 リアトリスが厄介すぎます
位相歪曲フィールド――アルクビエレドライブの応用って感じ?
「なら、近接攻撃が有効そうだけど・・・・」
ふと、巨大な波紋がリアトリスがいるはずの場所に生まれた。
「〈時空倉庫の鍵・大〉も、持ってるのぉ!?」
そりゃ、トップの人だから持ってるよねぇ!?
『ミサイル・ショットガン』
「それクラスター爆弾じゃん!」
いや違う! 全部、誘導ミサイルだ!
30発ほどの誘導ミサイルが、アイステイルに向かってくる。
「クラスター爆弾よりめんどくさい!」
私はアイステイルを人型にして、〈臨界黒体放射〉――だめだ、あのミサイル、黒体塗ってる!
〈汎用バルカン〉で撃ちまくるけど、全部は迎撃しきれない。半分残った。
急いで飛行形態に変形。リミッターを外して、全力逃亡。
相手はミサイルだから早すぎる!
『ミサイル・ショットガン』
『ミサイル・ショットガン』
ちょっと、幾つあるんだよ!
合計、75発のミサイルに追われる、私。
「不味いよ、75発もどうしろっていうの!? ミサイルのほうが全然速いし!!」
『スウ!』
私が必死で逃げていると、リッカの援護射撃が入った。
『逃げろスウ!』
『俺に任せろ、スウ!! スナーク、ミサイルを撃ち落とせ』
『任せろ!!』
ユーとスナークさんだ!
『〖必中〗』
『ミ、ミサイルは、ルジェルナと、相性最悪』
ルジェルナとシャーリー!
他の人達からもだ。
マイルズやユー、スナークさん、ルジェルナ、シャーリー、マリさん達がミサイルを撃墜してくれる。
そうだ、仲間がいるんだ。
タイタンは・・・・すごい、もう倒し終わったんだ?
さすがマイルズとかルジェルナがいると、強いな。
ミガもオルカンさんとプレイヤー達の総攻撃を受けて破壊寸前だ。
ミガ自身は『*死にたくない! 死にたくない!*』と叫んでいる・・・。
あれが、アイリスをマザーMoBにして世界を滅ぼした人の末路か。
『*私は・・・ベクターを滅ぼした、英雄なのに*』
オルカンさんが、腕を組んで、冷たい目で言う。
『黙れ、世界を滅ぼした無能』
『*わ、私はぁ・・・・・――め、眼の前が暗くなっていく、誰か助け・・・・もう何も見えない、聞こえない。――まて・・・・なんだ? あ、あれは、あれはなんなんだぁぁぁ!? 悲鳴を挙げる人々が――ひぃぃぃ!!*』
それが、ダーマスの最後の言葉だった。
『プレイヤー――本当に面倒な奴等ね。しかし・・・・準備はしているわ――』
急にコックピットのモニターに妙な模様が現れた。
『――戦意を失え』
あっ、これ鷹森くんを襲った軍人が使っていた催眠!?
『・・・・ん? なぜボクは、銀河連合の人となんで戦ってるんだ?』
『――同士討ちさせられていたのか?』
『・・・・あれ・・・なぜ、わたくしは亡命先と戦っているのかしら』
『・・・ル、ルジェルナ、銀河連合はもう味方、いけない』
『ひゃー、不味いー。柏木1佐に怒られるかも!』
マイルズも、ユーも、マリさんも、シャーリーも、ルジェルナですら、みんな戦意喪失してる。
他のみんなも駄目だ、銃を下ろしてる。
・・・・でも私は、そもそも、戦ってるつもりがないんだよ。前も効かなかったし。
「私はアイリスを救うだけだから!」
『こ、この娘、止まらないの!? 一体!? ――こうなったら、思考誘導ドローン!!』
リアトリスの周りに、数機のドローンが飛んでくる。
8機か、小さくて面倒だな! しかも弾丸はかなり大型。
私はアイステイルを人型にして、ドローンを切り裂いていく。
ドローンは、四方八方を囲んでは弾丸を放って直ぐ様離脱していく。
まるで遠距離攻撃してくる、狼だ。
「群狼戦術って訳!? なら――タンクが有効! アリス!!」
『えっ、何してるんですかスウさん、なんで銀河連合相手に戦ってるんですか!?』
「アリス、これは戦ってるんじゃないよ! ゲームだよ!!」
『えっ』
催眠なんて、すでに考えが歪められた状態なんだから、さらにちょっと歪めてやれば良い。
「FLはゲームでしょ! ちょっと手伝って!」
『あっ、はい!』
「相手の攻撃を、ガードしてほしいんだ」
『分かりました!』
戦えないリッカと分離したサンライト・ショーグン・ゼロが私に近づいてきて、バリアを展開してくれる。
しかも、〈凶暴なる技巧〉でバリアを2枚だして広範囲をガードしてくれた。
「ありがとう、背後は任せて!」
リアトリスが目を見開く。
『こいつ、ゲーム脳を利用してるのか!? ゲーム脳で催眠を打ち破ったのか!? なんなんだ、この不条理な存在は!!』
群狼戦術に対抗する方法の1つは、各個撃破!
私は後ろに来たドローンに〈汎用スナイパー〉で狙撃。
逃げていこうとするドローンだって逃さない!
『くっ、このスウとか言う娘、催眠も効かないし、作戦を直ぐに破ってくるし、操縦の練度も高すぎる! なんだこの理不尽な存在は!? ・・・・お前は、なんなんだよ!!』
「操縦の腕も知識も、VR訓練場が育んでくれたんだ!」
『クナウティア、あんなものをプレイヤーに解放して―――こうなったら全力を出すしかないわ』
幾何学模様が、リアトリスの上空に、花火のように広がった。




