786 リアトリスと戦います
「なにあれ・・・」
「さあ、ミガ、プレイヤー共を皆殺しにするのよ」
『*タス、ケテ。ダレカ、タス・・・ケテ*』
「助けを求めてる?」
「あははっ! 助ける方法なんて無いわ。まあ、助けたいなら破壊してあげることね」
「じゃ、じゃあ破壊してあげる・・・!」
「おっと、そうはいかないわ――起動しなさい、タイタン!!」
リアトリスの本拠地らしきものが――えっ。
顔が地面から這い出てくる。
リッカの驚きの声が、通信から聞こえる。
『あれは、バーサスフレームだったのか!?』
巨大な巨大な、メカ。
あまりにも深く埋まっていたのか、タイタンが出てきた場所からマグマが吹き出している。
タイタンが手を伸ばす。スーパー・ギャラクティカの方だ。
「避けて!!」
スーパー・ギャラクティカはギリギリ回避。
そして通信から、オルカンさんの声が聴こえてくる。
『マス・・・』
マス?
『ダーマス』
え・・・・。
『その声は、ダーマス――貴様か!!』
ダーマスって、アイリスをマザーMoBにした元凶!?
私はタイタンの注意を引こうと、撃ちまくる。
するとタイタンの手を躱したところで、スーパー・ギャラクティカが、ミガに向かって一斉艦砲射撃。
『お前だけは、この手で仕留める!!』
するとリアトリスが鼻で笑った。
「電気信号の心が、何を怒ったフリしてるの」
『俺の心は、たとえ電気信号でも、ここにある!!』
ミガにまとわりついていたハエが、ミガ本体から離れ、スーパー・ギャラクティカに殺到する。
『どけ!!』
スーパー・ギャラクティカが艦砲射撃するけど、相手が小さくて上手く当たらない。
すると、オルカンさんが外に出てきた。
『〖気合〗ぃ!!』
そうして襲い来るハエを、右フック、左フック、一撃毎に、一匹、吹き飛ばしていく。
右膝、
左蹴り上げ、
かかと落としで一回転。
体当たり、
相手の背中に転がり乗って、蹴り飛ばしジャンプ、
アサルトライフルで撃墜、
撃墜、
撃墜、
剛腕でバックナックルを放ちながら、ハエの放った液体を躱し、周囲のハエを吹き飛ばした。
オルカンさん、戦艦より生身の方が強いってどういうこと。
オルカンさんが、ミガの本体にどんどん迫っていく。
「とにかく、援護に―――!」
だけどオルカンさんは言った。
『スウ、お前はリアトリスを頼む!!』
「あっ、はい!」
私の方へ、リアトリスが突っ込んでくる。
「行かせないよ、スウ。貴女の相手は私――」
目を見開き――まさかビーム!?
回避、間に合わな、
私は〖テレパシー〗で思いっきり叫んだ。
(きゃあああああああああああああああ!!)
リアトリスが頭を抱えて、空中で蹲った。
〖念動力〗とか〖味変化〗、〖サイコメトリー〗は届かないけど、私の〖テレパシー〗有効射程はめちゃくちゃ長い。映像さえ有れば、過去にだって届く、配信を巻き戻して過去に〖テレパシー〗とかできる。――改変できるか分かんないけど。下手にしたら気絶するし、最後の手段だけど。
「なに、この・・・・面倒なスキル・・・」
青い妖精がくれた、とっておきの切り札だからね! リアトリスがこちらを、憎々しげに睨む。
「スキルを使うプレイヤーって言うのは・・・・本当に面倒――こちらは使えないのに・・・・でも、」
リアトリスがニヤリとした。
「こっちには貴女達の知らない武器が、沢山あるのよ」
リアトリスが腕を振るうと、何かが光った。
嫌な予感がして、人型に変形。アイステイルが、バレリーナのように回転しながら、急上昇する。
「ちっ」
なにあれ、凄くキラキラ光ってるけど・・・。
拡大すると――、
「網!?」
私の声に、イルさんの解説が入る。
『カーボンナノチューブの網です。チューブを膨らませたり収縮させたりすることで、振動し、さらに高熱を発することで、網にかかった対象を切り裂きます』
「なんて物騒なものを! どこから取り出した――あっ、〈時空倉庫の鍵〉持ってる! そりゃそうか!」
私が毒づくと、リアトリスの姿が消えた。
「えっ、なんで消えたの!?」
私が尋ねると、イルさんの解説。
『光学迷彩です。飛来する光を全て吸収し、反対側から出力する迷彩です』
「えっと、じゃあ!? ――と、透明人間からビームが飛んでくるのは、流石に不味い!!」
予備動作も、どこから攻撃が来るかもわからないじゃん。
えっとえっとえっと、
「そうだ! 〖マッピング〗! 〖サイコメトリー〗!!」
よし、赤点と記憶の位置が見えた。
だけど、相手にこっちを見られてるか分かんない!
私はとにかく逃げまくる、変則的な飛び方でとにかく。
「どうやって勝つ、あんなのに! ――攻撃はなかなかあたらないし、透明になってビームとか撃ってくる相手に!」
私が考えていると、プレイヤー達とタイタンの戦いが始まっている。
タイタンはが剛腕を振り回すと、バーサスフレームの集団が爆発していく。
『コイツ、バリアもシールドも機体も一気に破壊してくる! 回避と攻撃に集中しろ!!』
マイルズの警告が通信から流れてきた。
あっちも大変そうだけど、私の役目はリアトリスだ!
「当たれぇ!!」
私は〈汎用バルカン〉でリアトリスがいるはずの場所を撃って、
「これならどう!?」
リアトリスの回避先を〈臨界黒体放射〉で撃った。
流石に躱せまい!
よし、当た・・・・え。
「当たってない?」
『マイマスター、位相歪曲フィールドです』
「位相歪曲? つまり空間を歪めてビームを逸らしたってこと?」
『イエス、マイマスター』
「勝てるかんなもん!」




