782 艦隊戦を始めます
その後、プリティ・ギルティちゃんとリッカが楽しそうに武術談義してました。
で、いきなりスパーリングというか乱取りみたいなのをブリッジで始めて、リッカがプリティ・ギルティちゃんを押さえ込んで、アリスに2人ともゲンコツを食らってました。
さっき、無敵みたいに強かったプリティ・ギルティちゃんが、あんなにあっさり押さえ込まれるのかぁ・・・・リッカ、マジリッカ。
で、私はワープ港を出たところで、マザーグースを一気に加速。
「イルさん、全速前進。取舵!」
いきなり私が全速力を出させたんで、アリスがビックリ。
マザーグースに接続したイルさんに命令。
ワープ港の前で、グルグルと回転させる。
「な、なにをしてるんですか・・・・スウさん」
「速度を、溜めておこうと思って」
これから艦隊戦なるだろう。なら、『速度は隊列を壊す』だ。速度を溜めておいて損はない――マイルズの〖無敵〗みたいなことをされなければ。
そうして時速6万キロになったところで出発進行。
先行していたスーパー・ギャラクティカと、デュランダルMarkⅫに追いつく。
そうしてエコーチャンクに着くと、私はプレイヤーにお願いする。
「空母、出て下さい」
『えっ、もう出るの?』
『なぜに? まだ敵も見えてないのに』
みんなが疑問を口にしてる間に、イルさんが艦内に放送する。
『エコーチャンクから戦艦が上がってきます。プレイヤーの皆様、戦闘準備を整えてください』
「やっぱりね」
予想通り。
『うわっ、そういう予測!? 空母ワキンヤン急いで出ます!』
『空母イクトミ急ぎます!』
『空母コヨーテも!』
アリスがマイクを握る。
『繰り返します。プレイヤーの皆様、戦闘準備を整えてください』
私もみなさんに注意を促す。
「皆さん、マザーグースから発艦した場合、加速がついているので注意して下さい。現在マザーグースは時速6万キロで航行しています!」
『そうか、メチャクチャ速い戦艦の中から出るんだもんな。ヤバイな』
エコーチャンクから、リアトリスの戦艦が4隻、宇宙に登ってきた。スーパー・ギャラクティカの同型艦だ。
さらに戦艦1隻から空母8隻っずつ出てが横陣を組んだ。敵は38隻の大艦隊になった。
宇宙に来たリアトリスの戦艦は、すぐさま陣形を組む。縦に並んで、こちらに側面を向けた。
敵の陣形は、パラボナアンテナみたいな形だ。
無数の大砲がこちらを向いている。
こちらも空母を出撃中。ティンクルスターも出た。乗り手はさくらくん。
ちなみにさくらくんは最近、スワローテイルからフェアリーテイルに乗り換えたらしい。「やっと1000万ポイント貯まりました!」って喜んでた。昔はスワローテイルの修理費のせいで、いつもポイント不足に悩んでたのになぁ。
こっちの戦力は戦艦3隻+空母10隻、計23隻。
すぐさま縦や横に並んで横陣を組む。
「みなさん、このように陣形を組んでください! ――」
私は陣形を皆さんのウィンドウに送る。
「――イルさん、配置を振り分けて、みんなのウィンドウに表示して」
『イエス、マイマスター』
私は、できるだけ相手に砲門を向けられるように、五角形に並んでもらい平面を相手に向ける陣形を取って貰った。
「皆さん、私達はこのように移動します」
私はウィンドウを撫でて、私達の移動ルートを示す。
「これよりマザーグースから発艦した〝空母〟を、マザー隊と呼称します。ではマザー隊、全艦、マザーグースに付いてきてください。さくらくんもお願いね、付いてきて」
『はい!』
「イルさん、これよりリアトリスの戦艦を上から、リアトリス戦艦A、B、C、Dと呼称。同じ要領で空母も」
するとイルさんが反応した。
『敵艦の上に、名前を表示します』
「ありがと」
こちらの23隻の戦艦と、リアトリス側の38隻の戦艦が並走しながら側面を向け合い、艦砲を撃ち合う。
バリアの削り合い・・・・――なんてする気は、さらさら無い。
惑星から上がってきた相手は、おおよそ第二宇宙速度――おおよそ時速4万キロで飛んでいる。
地球よりちょっと小さな惑星から上がってきたから、もうちょっと遅いかもしれないけど。
こちらは時速6万キロ。
私は速度を活かし、とっととリアトリス艦隊の側面に回る。よし、完璧な丁字有利だ。これ以上無い程だ。
こうなるとこちらは全砲門を敵に向けられるけど、向こうは殆ど向けられない。あっちは同士討ちにもなりかねないし。
そうして、
「マザー隊全艦、全砲門、開け! 目標リアトリス戦艦A!」
『イエス、マイマスター』
『はい!』
『了解!!』
『墜ちろー!』
マザー隊の砲が一斉に放たれ、瞬く間にリアトリス戦艦Aが轟沈。
『次、目標、リアトリス戦艦B! てーーーーーー!』
リアトリス戦艦Bも轟沈。さらに私が命令を出す度に、空母も轟沈していく。
『マイマスター、敵空母たちからバーサスフレームが出撃しました』
バーサスフレームは、空母に搭載してるのか。
じゃあ空母を先に落としたほうが良さそう。出てこられたら厄介だ。発艦される前に母艦を撃沈させよう。
ここで、報告が入る。
『デュランダルMarkⅫ轟沈!! 繰り返すデュランダルMarkⅫ轟沈!!』
「・・・・」
「・・・・」
私とアリスは絶句。
「知ってた」
リッカは、頷いてた。




