772 大暴れします
「――大変な情報だ、それは」
圧迫感のない様にと、人形が沢山置かれた部屋で3人に質問していたユタが目を剥いた。
「ワープ装置だ、それは・・・・そうして、そのワープ装置が惑星を沢山覆っていたと?」
「はい、お空にある白い惑星の周りにこんな機械がいっぱい浮かんでいました。惑星兵器ポルピリオン――向こうの人はそう呼んでました」
えりかが、詩音の描いた絵を指しながら言った。
詩音は絵の才能が有るのか、小学生とは思えない見事さで、自分の見た空を描き出した。
「これは、ファンタシアを転移させた、惑星転移装置と同じものだ。目標は一体どこだ、どこへ転移するつもりだ・・・」
ユタが隣のマイルズを見たが、マイルズは首を振るだけだった。
すると千歌が手を挙げた。
「千歌聴きました! 私達を運んでいた運転手が言ってたんです! 『もうじきホモサピエンスなんて幾らでも手に入る。ならコイツ等はサンプルにでも回されるのか? 地球に、あの惑星ごと転移するのになぁ』って」
言葉を聞いたユタが、苦虫を噛み潰したような顔になる。
「直接地球に行く気か? ――だが直接は向かえないぞ」
マイルズが詩音の描いた絵を睨む。マイルズの仕事は、アメリカ――いや、今や地球全土を守るのが仕事だ。
「銀河連合の宇宙に奴らが転移した時、そこを叩くしかない」
3日後、オリオン星雲に、天体が増えた。
◆◇◆◇◆
『大変です! 修理中のAUⅢが強奪されました!』
『なに!?』
コーレルリヒが〖サイコメトリー〗で色々見せてくれたからAUⅢゲットできちゃった。
(コーレルリヒ!)
(ああ、子どもたちなら無事だ。そっちは)
(ロケットエンジン、修理工場からもいできた!)
(たく、俺はなにをしているんだ)
(ありがと!)
(言っておくが、データベース破壊は俺は関係ないからな。手伝わん)
(うん!)
でも私、ついやっちゃうんだ!
今日の惑星は、全域的に嵐模様。
「フォックススリー!」
南のデータベース破壊完了!
ひーワラワラと、アクティブアクターが出てきたー!
でも、見つけられるかな?
超超高度から爆撃したからね!
分厚い雲の中だぜ!
私はとっとと東へ向かう。
そうして雲の中から破壊。
またいっぱいアクティブアクターが出てきたー!
でも、一部が先回りしようとしてるのか、西に向かってる。
南から追いかけてきたのも、一部が。
「でも、もう遅い」
私はスイッチをオン。
はい、西も破壊完了。
アクティブアクターで、爆撃に来ると思った?
爆弾は既に設置しておいたんでしたー。
さて、さっさと逃げるぜー。
海に潜って、コーレルリヒとの合流地点へ急げ!!
嵐の中で、積乱雲と一緒に移動だぜー。
あらあら、積乱雲の中で追いかけてくるから暴風雨に巻き込まれて墜落してらっしゃる。
「ばいばーい」
(お前・・・・滅茶苦茶やってくれるな)
(お怒り涼姫ちゃんなのでした)
(子どもたちはコンテナに入ってくれたぞ)
(分かった、急ぐ)
海の中に入って、潜水艦のように、進む。
汎用機って、潜水艦にまでなれちゃうんだから、やっぱスゲー。
そして潜水艦は、海での最強。
つまりゲ◯ター3こそ最強。
赤道付近の島が見えてきた。
あそこで、コーレルリヒが待ってる。
砂浜に辿り着いて、一息。
〖飛行〗で華麗に着地。
「追っ手は無いか?」
「うん、なんとか全部巻いた」
「ったく、お前一人捕らえられんとは、我軍の無能さに、ほとほと呆れるよ」
「まあ、コーレルリヒとかルジェルナみたいなのが一杯いたら、私は泣いちゃう」
「まあいい、とにかく急いでコンテナにロケットを接続するぞ」
「うん、これアタッチなんだよね?」
「そうだ、コンテナを宇宙に打ち上げるための物だ――自動操縦付きのな」
「複数回数、使用可能だよね?」
「間違いない」
というわけでコンテナにAUⅢでロケットを接続。作業に入るのでした。
「よし、向かうぞ」
「うん!」
◆◇◆◇◆
「来ました、ベクター惑星! 転移してきました!!」
「よし、これより当該惑星を、惑星パレイサクと呼称! 全艦発進。最大船速。衛星軌道上に艦隊を展開。惑星を囲む!」
通信士がユタを振り向く。
『ユタ中将! 敵のAUⅢらしき機体から通信が入っています。発信源パレイサクです』
「敵から? ――つないでみろ」
『*ザザ・・・*、*――こえますか*、*銀河連合の――きこえますか*』
「ん? この声は」
『*――こえますか、こちらスウです*』
ユタが椅子から思わず立ち上がる。
「なに―――!?」
『*どなたか、聴こえている方返事をしてください。あまり長く通信はできません。この通信は敵に傍受されています*』
「スウ君! ユタだ!」
『*あ、ユタ中将!! よかった! スウ、ただいま戻りました!*』
「君、腕輪を失ったはずだろう! どうやって!」
『*この惑星に乗って一緒に転移してきました!*、*助けた地球人の子供が100人もいたんで、腕輪を用意しきれなかったんです。そこでこの惑星が転移するって言う事を向こうの少佐に聞いて、みんなで転移してきました*』
「し、しかし100人もどうやって隠して」
『*いやもうそれは頑張るしかなかったです。機体を強奪して*』
「な、なるほど!」
『*それで、作戦があるんです*』
「作戦?」




