769 再会します
私は機首を上げて上空へ、そこから急降下してブルーテイルを撃ち据える。
「ダイブ&ズーム!!」
横転がまともにできないブルーテイルは、面積の広い上面をなかなか隠せない。今の内だ。
「フォックススリー!」
「これならまだ人型の方が飛びやすい!」
ロックオンしてコンパクトミサイルを撃てば、マイルズが堪らず人型形態にした。
(一発だけロックオンせずに放って――と)
マイルズは迫るミサイルを〈励起剣〉で斬り払う。
けど、背後から迫る伏兵に気付けなかった。
私はわざとロックオンせずに放って外したミサイルを、ブルーテイルの背後で自爆させる。
やっとシールドが割れた!
ここまでしないとシールドが割れないとか、どうなってんのあの人!?
『いつの間に!? ・・・・くそっ、化け物め!』
「それはアンタだ!!」
私は〈汎用バルカン〉で撃ちまくる。
マイルズが、弾丸を〈励起剣〉で弾く。
嘘だろあの人!? みずきじゃねーんだから!
「〈臨界シンクロトロン放射〉!」
放たれる閃光。
『おのれっ、目潰しか!!』
マイルズが叫んだ。
この状態なら、流石に斬り払えないでしょ!!
これで斬り払ったら、もう本当に世界のバグだよ!?
若干切り払ってるんですけどぉ!?
でも、さすがにバグではなかったようで、ブルーテイルが蜂の巣になっていく。
そうして爆散した。
『コングラッチュレーション。流石だスウ、ボクの負けだ。――お前と戦えて、少し満足しているボクがいる』
「そっか・・・ちょっと良かった」
『本物のボクに自慢してやりたいくらいだ。データベースの破壊の任務、頼んだぞ』
「うん。任せて」
◤CONGRATULATIONS!! ALL STAGE CLEAR!
クリア報酬 印石 ★★★★★5 SSレア〖協力〗を手に入れました!
効果:沢山の人に力を借りることで、スキルを強化できる。体力をわけて貰うこともできる。力を貸す方法は、貸したい相手の名前をよんで力を貸す宣言したり書いたりする、心で宣言するだけでも良い◢
なんとか〖協力〗が手に入った。
このスキルさえあれば、アイリスさんを〖再生〗できる!
ガッツポーズをした時、私はリアルで肩を揺さぶられた気がした。
これは、3人の女の子の誰かがベクターの接近を伝えてる!?
緊急事態に、私が急いでVRから目を覚ますと、えりかちゃんが私の顔を見ていた。
「お姉ちゃん! 誰か近づいてくる!!」
「えりかちゃん、起こしてくれてありがとう!」
「スウお姉ちゃん、どうしよう!」
私は〖マッピング〗を開いて確認する。確かに点がこちらに近づいてくる――でも。
「青点?」
どうも〖マッピング〗が近づいてくる人物を、敵認定していない。
「ごめん、この筐体の後ろに隠れてて!」
「は、はい!」
詩音ちゃんが返事して、千歌ちゃんが無言で何度も頷く。
「ス、スウお姉ちゃんは?」
えりかちゃんが、私を心配そうに見た。
「大丈夫。ちょっと近づいてくる人とお話してみようと思う。だから大丈夫だよ」
接触してみようと思う。私一人なら、どうとでも逃げ出せる。そしてみんなを助けに戻れる。
「わ、わかった!」
「うん!」
私の指示で3人共、素直に筐体の裏に回ってくれた。
「さて・・・・」
私は、ドアの横で待つことにした。
ニューゲーム1110を準備。
腰に付けたみずきの小太刀も確認。小太刀が、普通の鞘にはいっている。私でも不意打ちに使えるだろう。
逃げる時は、素早く逃げる。
「やはり、誰かいるな? ――子供か?」
外からそんな声が聞こえた。「プシュ」っと言う鋭い空気の音がして、ドアが開く。
現れたのは、小綺麗な白い制服を着た――この人は。
「コーレルリヒ・ワードナー?」
「ワーグナーだ。ワードナーとはなんだ」
・・・ラ、ラスボス?
◆◇◆◇◆
スウが〖協力〗を手に入れた頃、もう一つの銀河でも、とある双子がスキルを手に入れていた。
「あったわ」
「あったの」
オルテゼオ側の20層にある惑星。
2人の背後には、巨大なキノコ。
内部が、まるで竹の節のように空洞になった巨大キノコだ。
日光を必要としない菌類がなぜこの様に巨大になったのかは、銀河連合も知らない。
そんな巨大キノコが無数に広がる大地で、巨大MoBタイフォン――百を超える竜の首を持つ怪物が、地に伏していた。
「スウは、〖再生〗がある限り、殺せないわ」
「殺せないの」
「だから」
見目麗しい少女が、つまんだ透明な印石。
まるで、何色にも染まっていないように見える印石。
「〖スキル奪取〗」
「見つけたわ」
「見つけたの」




