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フェイテルリンク・レジェンディア ~訓練場に籠もって出てきたら、最強になっていた。バトルでも日常でも無双します~  作者: 毘沙門 子子


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757 お邪魔しますわ

『えっ、何をしてるんですの!?』

『ル、ルジェルナ・・・・ルジェルナ!!』


 シャーリーって人が必死に脱出ポットを受け取って、AUⅢの手で優しく包む。

 私は、急いで啖呵を切る。


「撤退しなさい!! ――貴方がたでは私には勝てない!!」


 というか退いてください。戦いたくないです。ルジェルナより強いとか、勝てるかわかんないもん。

 だけど、シャーリーって人が退いて行かない。

 まさか、恨まれた? まだやるって感じ? やだよ、ルジェルナだけでもあんなに強いのに、マイルズを墓地に送ってやっと勝てたのに、更に強い人と1対1なんて。

 すると、シャーリーって人から通信が入ってくる。


『あ・・・ありがとう・・・・コックピットを避けてくれて』

「あ、うん」

『て・・・敵だけど・・・。こ・・・この恩は・・・忘れない』

「ちょ・・・ちょっとまってね、今私、普通の状態じゃないから・・・」

『うん?』

「アリス」

『はい。大丈夫ですよ』


 視界が戻ってきた。


「アリス――ありがとう。シャーリーさん、できれば敵を止めてほしいなあ・・・とか」

『そ・・・それは無理かもだけど・・・・貴女は、殺さないであげる』

「え、じゃあ私の大事な人達も・・・」

『わ・・・分かった・・・。あ、貴女も私の大事なルジェルナを殺さなかったし。わ・・・私には大事な人はルジェルナしかいないけど、それは私の問題だし。あ、貴女の大事な人はみんな殺さない。――って・・・こんな事・・・話してたら・・・怒られる・・・じゃあ』

「うん、またね」

『た、隊長ルジェルナの命令により、シャ、シャーリー・キヅカこれより帰投する――スウ、また・・・ね』


 灰色のAUⅢが退いて行く。

 ホッと安堵。


 これで戦わずして勝った!

 戦わずして勝つ、これぞ最強!!

 盛り上がらない!? なんでだよ! 最強の勝ち方だよ!!




 その3日後だった。

 私がハイレーンのお店で、5種のマグロ・山盛り海鮮丼(5種って言うのは、赤身、中トロ、大トロ、ヅケ、中落ちのネギのナメロウ)を食していると、突然アイビーさんが現れた。

 店に、直接来た。

 クソデカウィンドウで接触してこないのは珍しい。

 でも私・・・・お食事中なんですけども。


 ちなみにこのマグロは、ユニレウスのオーマー港で穫れた物らしい。

 寒い地域のマグロらしく、トロの脂が旨すぎ。


「今日は、スウさんに紹介したい方がいます」

「紹介? (もぐもぐ)」

「はい。こちらのお二人です」


 言われてアイビーさんの後ろから現れたのは、一人は、

 金髪の豪奢な縦ロール、お嬢様然としたドレスの女性。

 もう一人は、

 どことなく私を思わせる、カーリーヘアに私よりさらに伏し目がちの女の子。


「ル、ルジェルナ!? シャーリー!? ――なんで!?」


 アイビーさんがにこやかに告げる。


「お二人は、亡命なさってコチラに来ました」

「ぼ、ぼぼ、亡命・・・!?」


 私が言うと、ルジェルナが顎に手を当てて私を足の先から頭の先まで値踏みするように眺める。

 そうしてしばらく視線を往復させて、一つ頷く。


「貴女がスウさん・・・? ふむ――どことなくシャーリーに似た雰囲気が有るわね・・・気に入ったわ」

「ル・・・ルジェルナ!? う・・・浮気は悪いこと!!」


 な、なるほど、そういう関係の方たちなんですか。


「浮気なんてしませんわよ、シャーリー」


 言ってルジェルナはシャーリーを抱き寄せる。顔を真赤にするシャーリー。


「こ、こんな場所で、ルジェルナ――やめっ」

「本当にウブですわね。まあ、そういう訳で寝返りました。――シャーリーがどうしてもというので。というか、貴女にお礼を言っていた通信をシャーリーが咎められてしまいましたのよ。それでわたくしとシャーリーを疎ましく思っていた幹部に罪に問われそうになったので、こちらに亡命致しましたの」

「う・・・うん。命の・・・危機だった」

「それは・・・なるほどです」

「わたくしも、あっちの世界にはほとほと呆れていまして、あんな残酷な世界とっとと滅びてしまえばいいのですわ――という訳で力を貸しますわ、銀河連合」

「か・・・貸す。それに、貴女――スウが敵を止めて欲しいって言ったから」

「ということですわ」


 と、とんでもない人達が味方になっちゃった。

 アイビーさんがルジェルナの手を取る。


「凄い戦力が来てくれて本当にありがたいです!」

「アイビー少将。貴女、とても可愛らしい容姿を――」

「ル・・・ルジェルナ!?」

「じょ、冗談ですわよ、シャーリー」


 うーん、女なら誰でも食っちまう人かもしれないな、ルジェルナ・・・。

 アイビーさんが若干顔を引き攣らせながら、私に向き直る。


「お、お二人がこちらに来てくれたのは、スウさんのお陰ですね! お二人との友好の架け橋になって下さって、ありうございます!」

「いえ・・・・別にそんなつもりだった訳ではないんですが」


 正直、生かしておいたら危ないなあと思いながらも殺せなかっただけで。

 このシャーリーって人が本気になったらルジェルナよりヤベーんでしょ? 勘弁してよ。

 まあ、塞翁が馬、結果良ければいいか。


「これからも、どしどし敵を寝返らせてくださいな!」

「あ、スウさん? 気をつけてくださいましね・・・・コーレルリヒとスコル――あれ、個人ではわたくしやシャーリーに勝てませんが、二人がかりだと、シャーリーを超えますわよ」


 うげ。

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 まさかの亡命…!?ま、まぁ向こうの戦力は間違いなく低下したからラッキーですね。 しかし残る二人のヤバい情報が舞い込みましたね…コーレルリヒとスコルはなんとなく『亡命しない=スウち…
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