748 頭のおかしいのがいます
「皆さん。お集まりになってくださり、ありがとうございます」
てか私は追加武装とかないし、関係ないよね? さっさと出撃したほうが良さそう。
もう交戦は始まってるし。
「えっと、じゃあ私はこれで」
「お、お待ちくださいスウさん!」
アイビーさんが慌てたようにしてをウィンドウを操作して、照明を点ける。
なぜ引き止めるのじゃ?
スポットライトが放たれて、戦闘機1機、ロボット2機を映し出した。
マイルズのマイルズ専用ブルーテイル(小さなブルーテイルは、マイルズ専用に開発されたらしい)に、アリスの篇世機サンライト・ショーグン・ゼロと、リッカのルミライト・ダーンリン・インフィニティだ。
確かにブルーテイルにも変形用の切れ目とか増えてるし、サンライト・ショーグン・ゼロには右腕にジョイントが追加されたりしてる。
ルミライト・ダーンリン・インフィニティは、どこが変わったんだろう?
「えっと?」
私が疑問の表情を浮かべると、マイルズ、アリス、リッカも同じく疑問の表情になった。
「ふむ。で、追加武装とは?」
「なんでしょう」
「なんじゃろな」
アイビーさんが右手を私に向ける。
「皆さん、今回の追加武装は、スウさんです!」
「おい」
私は思わずジト目をアイビ-さんに向けた。
私が追加武装ってなんだよ。
やっぱ頭おかしかったか、この人。
マイルズが、困惑マイルズになった。
「どういう意味だ・・・」
「説明しましょう!」
アイビーさんが、脂肪のない胸を張る。勲章がやたら多い――で、その「スウ」って文字に視える勲章はなんだい?
「まず、マイルズさんのブルーテイルですが、アイステイルと合体します。名付けて、スーパー・ブルーテイルです! ちなみに合体は飛行形態のみです」
直ぐ様反応したのは、アリスだ。
「合体!? そんな! 男性と合体なんて、許しません!!」
❝最悪だ!! 百合に挟まる男を極めてきやがった!!❞
❝許ざんっ!! |一欠《あーるえっくすの決めポーズ》❞
マイルズが額を押さえた。
「一式 アリス・・・・お前は何を言っている」
・・・・女の子は鉛筆と消しゴムからでも、妄想できるから。
女の子のリッカは呆れてるけど。
「お母さん許しませんよ!」
「・・・・アリスママは、引っ込んどいて。アイビーさん、その合体の利点は?」
意味のない合体なら拒否だ。
「片方が機動に集中して、片方が火器管制を管理できます」
「それは――普通に複座でいいのでは?」
「それだと、重要な戦力が1機失われるじゃないですか。状況に合わせて合体できるのがいいのです」
「なるほど」
一応、筋は通ってる。
❝合体の必要ありだなぁ。目の覚めるような青色のブルーテイルと、空色のアイステイルだから色合い的にも良い❞
❝百合に挟まるんじゃねぇ!❞
「それでブルーテイルを小型にしたのか」
「合体時に大型化しないように気をつけました――アイステイルには合体時は上の翼を捨ててもらうことになります。そこにブルーテイルの翼が収まります。合体して失った翼は毎回連合が補填しますのでご心配なく」
えっと、それは複葉でX字翼みたいな感じになるの?
それは心躍る。
Xはアルファベットで一番、心躍る文字。異論は認める。
「にしても、大盤振る舞いだなぁ」
私が連合の太っ腹をプニプニするイメージをしていると、アイビーさんが続けてアリスの機体サンライト・ショーグン・ゼロの説明に入る。
「次に、サンライト・ショーグン・ゼロ・カスタムですが」
長い名前が、さらに長く。
「アイステイルを右腕にジョイントして、射出用パンチにしまs」「まてい!」
え? 私、右腕にされて射出されるの!?
❝草w❞
❝スウたんロケットパ◯チ扱いwww❞
「なんですかその扱い!」
「必中のパンチです」
アリスが手を合わせて目を輝かせる。
「素晴らしいですね!」
「アリス!?」
右足を、後ろに上げて、嬉しさをアッピルしてるし。
「アリスさんは遠距離が苦手ですので、そこをスウさんが補うのです」
「いや、筋は通ってるけど!」
まあ良いか、アリスなら拳になるのもやぶさかではない。他の人ならお断りだけど。
「最後にルミライト・ダーンリン・インフィニティ・カスタムですが」
「おっ、わたしの番か」
おそらく、〈時空倉庫の鍵〉から取り出したであろう「うます棒(煮込みコンポタージュ味)」を口に咥えていたリッカがサクッと反応した。
「アイステイルを――」
またか・・・。
「――サーフボードにします」
「とうとうボード扱い!!」
❝【悲報】スウたん、リッカたんの尻に敷かれるwww【朗報】❞
「スケートボードでも可」
「可じゃねぇ!!」
リッカが「うます棒」を食べ終えて、指を舐めながら首をこてんとした。
「それは、人型になれる機体はどれでもできるんじゃないか?」
確かに、やしがに。
別にマイルズが乗っても良い――絵面はどうかと思うけど。
「スウとリッカの特別感がほしいぞ」
「そこ?」
「うむ。せっかくだしな」
❝スウ×リッカ推しには重要だよ、スウたん❞
「ナマモノはやめてくれ。スウとリッカは生食禁止」
アイビーさんがなぜか凄く納得の表情になる。どこに納得した?




