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フェイテルリンク・レジェンディア ~訓練場に籠もって出てきたら、最強になっていた。バトルでも日常でも無双します~  作者: 毘沙門 子子


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746 下策をします

   ◆◇◆◇◆


『へぇ、流石、良い引き際だ。相手はまだまだ戦えるのに、すぐに自分の敗北を見極めたか』

「そうなんですか?」

『ああ。普通の指揮官なら、こんなに早くこの戦況は見極められない。まだ敗北に気づかず戦闘を続行するだろう。例えば、突出してきた旗艦を、囲んで墜とせば勝てる。なんて考えてね』

「そうじゃないんですか?」

『いいや、もう敵は負け確だ。君が撃退したのは敵の最強戦力だったはずだ。それを失って、さらに君たちだけで敵の一個大隊を殲滅せしめた。相手はこれ以上やりあっても損耗が増えるばかり。ならばまだ退けば立て直せる内に、撤退して牙を研ぐ』

「確かに、私が敵の指揮官だったら、まだまだ勝てるって思います。凄い判断の速さです」

『ね。この撤退は、悪くない考えだ』

「ですね」

『でも、そんな悪くない事を、ボクがさせると思うかい?』

「えっ」

『追撃開始! ――敵には悪いことをしてもらわないと』

「え、でも! ――それは、深追いじゃないんですか!?」

『そう、相手はこちらが深追いなんてバカな事をしてくるなんてありえない。――なんて思うだろう。――だから追う!』

「ま、まじですかー! 深追いってヤバくないんですか!?」

『オーレリアはとにかく自軍の消耗を嫌がった。素早い撤退がそれを如実に示している』

「えっと」

『アイツはとびきり優秀だ、まず、間違わない。だからアイツのやりたいことは全部正解だ。だから、潰す!! アイツのやることは、全て全力で潰す!! ――当然罠を警戒しながらね。 ――スウ君、アイツがあの撤退で守ろうとしたもの。何だと思う?』

「え?」

『未来だよ――艦隊も、兵も、エースも、補給も・・・・オーレリアは今、この戦争の続きを守るために退いた。アイツは未来を必要とした。なら、その未来を与えちゃいけない。未来ごと叩き潰す!! アイツの必要とするものは、銃弾一発、汗一滴たりとも――与えちゃいけない。永遠の勝者を相手にするなら!!』

 シュネちゃんがそんなに警戒するなんて・・・。


『スウ君、急いで追うんだ!! 待ち伏せなどの少々のリスクより、相手の最重要な意図を挫くことこそ、永遠の勝者にはぶつけるべきだ! ――ここで永遠の勝者には、再起不能になってもらう!!』

「は、はい!」

『良いかいスウ君、憶えておくと良い』

「え・・・?」

『間違わない敵は、正解を狩れ』

「正解を狩る・・・・ですか」


 この時は・・・・「正解を狩るなんて、できるんだろうか?」そんな感想だった。


 こうして追撃戦はすぐに終わる。


『へえ。一部の部隊を置き去りにしてワープしたか』

「はい。ほとんどの艦は捕まえました」

『最も少ない損耗で済む方法だけれど、残酷な指揮でもある。そんな指揮が出来て、それに従える者たち――敵は強いよ』

「はい・・・・。今回はあくまでシュネさんが居たから勝てたわけで、今度あの人がまた来たらと思うと――その時もしシュネさんが居なかったら」

『そうだね、スウちゃんが取った作戦は十分だった。普通ならあれで勝てる、だが相手はそれを子供だましの様に破った――けれどね、正直な話、ボクがいても次アイツに襲われたら勝ち目はないかもしれない』

「シュ、シュネさんがいてもですか!?」

『でも大丈夫。あの損耗では、数ヶ月は動けない。それだけあれば、ボクはこの戦争を終わらせられる。もちろんベクターに情報戦を仕掛け、補充なんてさせない』


 シュネちゃんができるというなら、できるんだろう。


「今回はルジェルナが出てこなかったし」

『あれは、永遠の勝者の部下ではないからね』

「そうなんですか?」

『ああ。ただ、ルジェルナ・ハイネもそうだが、シャーリー・キヅカ、コーレルリヒ・ワーグナー、スコル・ハティという3人にも注意するといい』

「えっ、強い人が他にもいるんですか!?」

『そうだ。この4人が、ベクターの最強の四人だ』

「4人――『火のルビカンテ』、『水のカイナッツォ』――」

『スウ君、それ以上いけない』

「『水のカイナッツォ』の前の『ベイガン』は、主人公はレベル1に戻るわ、味方も弱すぎるわ、『カイナッツォ』みたいな雷が弱点とかなくて、ほんまトラウマやで・・・」

『そ、それ以上いけない』


 あまりのトラウマに関西人になってしまった。

 あっ! あと『カルコブリーナ』!

 ラスボスも頭おかしいくらい強いし。まじなんなん、あの魔境。


「さて、アイステイルのノーズアートはどうしよう――やっぱ罪木ちゃんかなぁ」

『痛ファイターは、ほどほどにね? *――この世界線のスウ君は、他の世界線のスウ君よりヤバイ気がするんだよなぁ*、*――やっぱりあの子に出会ってないから・・・? でもあの子と出会うと、アリスくんとの関係が薄くなるから、弱体化しちゃうし・・・・*』

「えっ、なんか言いました!?」

『い・・・・いや、なんでもないよ?』


 ベクター戦もあと一息。

 ルルアに降りて、敵基地を壊滅させるだけだ!

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