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フェイテルリンク・レジェンディア ~訓練場に籠もって出てきたら、最強になっていた。バトルでも日常でも無双します~  作者: 毘沙門 子子


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734 ベクター最強の4人

   ◆◇◆◇◆


「ル・・・ルジェルナ、お・・・おかえり」


 ルジェルナが戦艦に帰還して、AUⅢから低重力の格納庫の床に降りると、カーリーヘアをボブカットにした少女がルジェルナに「おかえり」を告げた。

 ルジェルナが汗に濡れた金髪を払いながら、カーリーヘアの女の子に微笑み挨拶を返す。


「ただいま、シャーイー」

「シャ・・・シャーイーじゃない。私の名前は・・・シャーリー。憶えて」

「だって恥ずかしがり屋の貴女に、ピッタリなのですもの。シャーイーって」

「と・・・友達の名前くらい、言い間違えては、い・・・いけない」

「そうね、わたくしが悪かったわ、シャイ」

「さ・・・さっきより、悪化した」


 ルジェルナが、震える小動物のような少女を抱きしめる。そうして無重力の中、宙に浮かんでダンスするように廻る。


「貴女が悪いのよ、そんなに愛らしいから。つい虐めてしまいたくなるの」

「そ・・・そうやって被害者に罪の意識を抱かせるのは、ガ・・・ガスライティングという、悪いこと」


 そこへ二人の様子を見ていた、銀髪をポニーテールにした男性がやってきて大きな声を出す。


「貴様らァ!! 作戦行動中だぞ!! 何をじゃれ合っているッ!!」


 ルジェルナが、叫んだ男性を嫌そうに見た。


「出た・・・コーレルリヒ。・・・・ほんと煩いのが来た。女の子にはね、こういうスキンシップが大事なのよ。パフォーマンスに関わるの」


 するとコーレと呼ばれた男がたじろいだ。


「そ、そうなのか・・・? す、済まなかった」


 そんなコーレルリヒの隣に微重力を飛んできた、小柄な少年が苦笑する。


「いや、素直ですか。作戦行動中とはいえ待機ですからね。じゃれるのも良いじゃないですか? それよりルジェルナ、シャワー浴びないんですか? いつも汗もかかないのに直行するじゃないですか」


 ルジェルナが金髪をかきあげる。


「そうね、少し汗をかいたし、入ってこようかしら」

「へぇ・・・・目標の危険パイロットは、ルジェルナに汗をかかせるような相手だったんですか?」

「ええ、少しやる相手だったわ」

「銀河連合のメカでルジェルナに汗をかかせる相手なんて、何年ぶりですか?」

「憶えてないわ」

「もちろん仕留めてきたんですよね?」

「当然よ。しっかりと死の恐怖を焼き付けてきてあげたわ――コピーは作られるでしょうけれど、あれなら二度と戦場に出られないでしょうね。気弱そうでしたし」

「なるほど・・・・だと、良いですが」

「じゃあシャイ、一緒にシャワーを浴びましょう」

「こ・・・断る。お前とシャワーを浴びると、大変なことになる」

「全身を隅々まで奇麗にしてあげますわ」

「こ・・・断る――や・・・やめ、はなせ、離せ!!」


 ルジェルナが、シャーリーを肩に担いでシャワールームに向かう。


「大丈夫かな、あれ。余計疲れたりしないですか」

「ん? いやスコルよ、風呂はくつろぐ場所だろう」

「――えっ、まあ・・・うん、そうですね」




 シャワーを浴び終わった上がった二人、ドアイアーで、ルジェルナがシャーリーの後ろから、シャーリーの髪を乾かす。

 されるがままにされながら、シャーリーが静かに尋ねる。


「あ・・・相手、つ・・・強かった?」


 しばしの沈黙。シャーリーがどうしたのだろうと思っていると、ルジェルナがポツリと呟いた。


「強かったですわ――」


 ルジェルナは静かに続ける。


「――正直、化け物じみていました。・・・・戦闘機の胴体で弾丸をパリィしたんですのよ・・・」

「な・・・なにそれ、・・・反則。――で・・・でも、ル・・・ルジェルナの方が強い」

「当然ですわ。わたくしが負けたりする物ですか――わたくし以上の天才などいませんわ」

「と・・・当然だった。当たり前の(しか)りだった」

「1=1くらい当然ですわ」

「こ・・・恒真命題」

「数学の証明に使っても、宜しくてよ?」


 シャーリーがニヤリとする。


「わ・・・私達、宇宙連合が最強の証明に使える」

「けれど、気を付けてくださいまし。・・・もしあのスウというパイロットが死の恐怖に呑まれず、わたくしたちの前に再び立ちふさがったなら・・・・シャーリーは戦ってはいけませんわ」

「ファースト勇者のルジェルナ程じゃないけど・・・。わ・・・私もセカンド勇者」

「それでも・・・ですわ。あれと戦って生き残れるのは・・・恐らく、わたくしだけですわ」


 シャーリーが、ルジェルナを振り返る。


「でも、ルジェルナが危ない時は、わ・・・わたしも」

「そんなことには、なりませんわ。させませんわ。わたくしを信じてくださいまし」


 しばし、シャーリーとルジェルナの瞳が交差する。


「わ・・・分かった。信じる」

「いいこいいこ、ですわ」


 ルジェルナが、シャーリーの髪を撫でていると、コーレルリヒがシャワー室の扉の前で大声を出す。


「おい、ルジェルナ、シャリガキ、いつまで髪を整えている!! 〝ひよっこ〟共を鍛えるため模擬戦をするぞ!!」

「うわ・・・また来た」

「わ・・・私はシャリガキじゃない・・・シャーリー。――私はそんなお寿司のご飯みたいな名前じゃない」

「乙女が髪を乾かすのは、時間が掛るんですわよ!」


 ルジェルナが文句を返すと、コーレルリヒが怒鳴り返す。


「黙れッ!! 長い髪をしているからいけないのだ! 短く切ってしまえ!!」


 プシュッ っという炭酸ジュースを開封した時のような音がして、扉が開いてシャーリーが出てくる。

 そして、コーレルリヒにジト目を向ける。


「さ・・・最低。こ・・・この男、女の命を切れって言った」

「な・・・・なに・・・髪は女の命なのか!? ――そ、それは・・・すまない。・・・失言だった」


 コーレルリヒがたじろぐと、後ろでスコルがツッコミの仕草をしていた。


「――いや、素直ですか」

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。しばらく感想途切れてた理由は活動報告にて。 ようやく追い付きました…!!しばらく見てないうちにめちゃくちゃ強敵が出現してますね。 ルジェルナ始め、今回名前が出てきた全員を倒さないと…
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