725 笑い声がします
もちろん、私達ビスカムアルバム内の人間も黙って見てるわけじゃない。最強4人への援護射撃。
相手が崩れてきた。
残った人も出撃だ。
「みんな出撃して。ここからは制圧したい――私の指示に従って動いて」
『『『ラジャ!』』』
「スウさん、さくら来ました!」
「さくらくん、フェアリーテイルとのドッキングを外すからビスカムアルバムの操舵をお願い」
「はいっ!」
「アリス、私達も出よう!」
「行きましょう!!」
私とアリスは手を繋いで、一緒に艦橋を出ていく。
すると操舵輪の前に立ったさくらくんが応援してくれる。
「スウさん、アリスさん! 頑張ってください!」
「うんっ!」
「ありがとうございます!」
私はフェアリーテイルに走りながら、マップで点を操作して、みんなの配置を指示し続ける。
みんなが順番にカタパルトで出撃して行く。
私はドッキングを外すだけだから出撃は速い。
「にしても、普通100対1000なんか、こっちが囲まれて終わりなんだけど」
すると、オルカンさんが、
『ビスカムアルバムのメンバーが強すぎるんだ。瞬く間に敵の左が崩壊していった』
そこでギャラクティカのオペレーターさんのウィンドウが開いた。
あ、タタセさんだ。精鋭部隊に選ばれるようになったのか。
『敵戦艦から・・・・なにか出てきます―――!』
確かに、中性子星の光に浮かぶ・・・なんか――湖!?
『解析完了――あれは・・・ベクター側のMoBです!』
「ベクター側のMoB!? ――え、つまりベクターのマザーMoBが産んだ、大型MoBですか?」
『はい!』
前にアリスがちらっといってたっけ。ベクターのマザーMoBは健在だって。
向こうのMoB・・・・どんな感じなんだろう。こっちの大型MoBは、弾幕を放ってくる感じだけど。
警戒しながら見ていると、どこからともなく楽しげな笑い声が聴こえてきた。
しばらく笑い声が聴こえたかと思うと、静寂。
その後、ラッパの音が鳴り響いて――湖の中から沢山の巨大なバイキングが!
『あの笑い声、間違いありません。ベクターのMoBです。ベクターのMoBはああいった楽しげな笑い声の後、顕れるのです』
「・・・・なるほど――にしても・・・・数が多い」
するとオルカンさんが通信を入れてくる。
『ベクターのMoBの恐ろしさはその物量だ。大敗北の時も〈アトラス〉が大量に現れ、圧倒してきた』
「そうなんですか!? せっかく軍を押し返せそうだったのに・・・・。これじゃ、戦いが終わらないですよ」
ベクターたちは引きあげていく。まあ、自分たちがMoBに襲われるからか。
バイキングたちが突撃陣形で突っ込んでくる。
そうして100人隊と交戦を始めた。
バイキング達がめちゃくちゃ強い。
100人隊の人がどんどん撃墜されていく。
「これ・・・不味――ん?」
私はバイキング達の動きを見ていて気づく。
「いやまって、これ」
『スウさん、どうしましたか?』
通信ウィンドウのアリスが首を傾げた。
「弱くね?」
『えっ――こちらのバーサスフレームが、どんどん撃墜されているんですよ?』
「確かに一騎一騎は凄く強い。――でも」
私は敵を観察する。やっぱりだ!
「集団戦がなってない! ――オルカンさん!」
私がオルカンさんに通信を入れると、ウィンドウが開いた。
「100人隊を立体鶴翼陣形にしてください!」
『むっ、分かった――各位に告ぐ、立体鶴翼の陣を取れ!』
「私達は中央に向かいます!」
100人隊が浅いV字の陣形を取る。
私たち精鋭部隊は中央で、武者を受け止める。
このバイキングたち、確かに一騎一騎はめちゃくちゃ強い。
だけど――
「オルカンさん! 中央を下げて、囲んで包囲殲滅です!」
『承知した!』
私たちは相手の攻撃に合わせて、真ん中の兵を下げていく。
MoBたちは正面を食い破ろうとするけど、そこにいるのは私やマイルズ、マリさんやユー、そしてスケさん。やられはしない。
そうしてあっさり包囲されるバイキングたち。
こういう作戦を使った武将たちも多かった。
ユーから通信が入ってくる。
『まて、姿を消すやつがいる!!』
「えっ、姿を消すってどういう事!?」
『透明になる!』
「リッカみたいに!?」
『違う、完全に透明だ』
100人隊からも辛そうな声。
『うわっ、なんだこいつ!』
『こんなのアリかよ!』
「透明になるって、なにそのチートMoB! ガスとかで位置わからないですか!?」
『駄目だ、そういう弱点はない!』
どうしよう、透明になる相手なんてどうすれば・・・・。




