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フェイテルリンク・レジェンディア ~訓練場に籠もって出てきたら、最強になっていた。バトルでも日常でも無双します~  作者: 毘沙門 子子


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722 陣形を決定します


 しかしこちらは空母2隻。


 私は、シュネちゃん伝授の〖サイコメトリー〗による盤面読みを開始。

 オルカンさんが腕を振った。


『こちら空母ギャラクティカ、これよりバーサスフレームを出撃させる!』

「お願いします。――あ、ちょっと作戦があります」


 私はマップを示し、説明する。


「――この様に展開してください」

『ほう――なるほど。了解した』


「よし、ビスカムアルバムは右に舵を切って、このまま敵の左サイドに向かいます――!」

『『『了解!』』』


 さあ、戦争だ。


『スウさん、なんだか戦艦ギャラクティカから出た部隊が敵に近づかず、斜めに陣を張ってるんですが。あれは何ですか?』

「斜陣にして貰ったんだ」

『斜陣ってなんですか?』


 通信ウィンドウの向こうのアリスが首を傾げた。

 他のプレイヤーも騒ぎ出す。


『え、まじかよスウたん斜陣使うのかよ』

『斜陣って何のためにあるの? 俺、使い方が分からんのだが』


『みんなが、こんな事言ってますよ? 意味不明な陣形って』

「斜陣は強いよ。例えば右で相手の左を牽制しつつ、左で相手の右を一気に崩す。よく使われる横に人が並んだ陣形って両サイドが最大の弱点なんだよね。だから両サイドを攻めるために使われるのが鶴翼の陣、緩やかなV字のやつね。斜陣はこの鶴翼の陣を半分に切り取った陣だと思ったら良い」


『半分に・・・・? ――あっ! なるほどです!』


『そ、そうか! 斜陣の正体は半分に切り取った鶴翼の陣だったのか・・・』


「はい。すると斜陣は、鶴翼では両端に分散する戦力を片方に集中できるんで、二倍の戦力で敵にぶつかれるんです。陣の両端といえば、最強戦力を置くのがお決まりです。それを片方に集中できるのは大きい。今回は人数が少ないので一点突破したいので特に斜陣が良いです」

『そう考えると斜陣って凄いのか』


 リッカが関心した。

 私は彼女に説明する。


「剣術に例えると、正面に刀を構える日本風の構えが、鶴翼の陣。片手に剣を、片手に盾を持って斜めに構えるのが、斜陣かな」

『わかりやすい』

『どこがですか?』


 アリスが呆れちゃった。


「ただ、優勢になっても相手を包囲しにくいっていうのが弱点ですね。そこが難しいのであまり使われないです。あと、左右どちらかにしか最強戦力をぶつけられない弱味もあります。でも、かのハンニバル・バルカが得意とした陣形ですから強いのは間違いないですよ」

『ハンニバル・バルカって誰ですか?』


 アリスが首を傾げた。


「ヨーロッパ最強とも名高い将軍さん。14年間も本国に帰らず、ローマ内で連勝し続けた、理不尽な強さの将軍」

『14年本国に帰らずって・・・・本当に何なんですか、その強さ・・・・しかも相手は、あの最強国家ローマなんですよね?』

「最後は相手に自分の真似されて負けたから、本当の意味で彼を超える将軍はいなかったと思う」

『ま、真似ってズルイ』

「まあどうしようもない強敵は相手を真似るのは、基本だから」

『基本ってなんのですか・・・?』

「ま、漫画とか小説の・・・」

『・・・なるほど』

「さて、敵の端が見えてきた」

『見事に話をそらしましたね。――なんだか敵は、戦艦と100人部隊の方を見てますね』

「こっちを2隻と思って、舐めてるんだろうね。面白い――蹂躙するよ! みんな、機銃の席について!」


 ビスカムアルバムに付いてる武器を、みんなに操作してもらう。


 みんなで一斉に射撃。


 敵は私たちから見て、前後に並んでる。すると同士討ちになるから射撃できないアクティブアクターが多数。


 さらにギャラクティカから出撃した100人部隊とプレイヤーも敵に攻撃しているから、敵は十字砲火に晒された。


 敵はビスカムアルバムに横陣を向けようとするけど、100人部隊が牽制しているので、簡単にはいかない。


 でも、こちらの丁字有利が崩れ掛かってるな。

 私は100人隊と一緒に戦ってるプレイヤーを呼ぶ。


「プレイヤーさん、10人ほどこっちに来て下さい!」

『どうしたスウ』

「スピードが欲しいので、ビスカムアルバムを押して欲しいんです」


「速度は隊列を壊す」だ。丁字有利を維持するには速度が必要。


『なるほど、宇宙ならではの加速だな。――だがプレイヤーではなく俺の部下を向かわせよう。ここにいるプレイヤーは精鋭中の精鋭だ。機体を押すなどという任務に付かせるのは少々もったいない』

「了解しました」


 こうしてオルカンさんの部下がビスカムアルバムを押してくれたことで、速度が上がって私たちは丁字有利を維持し続けられた。


 マイルズとマリさんの通信が聴こえてくる。


『流石マリ曹長、大した射撃の腕だ』

『マイルズ中尉だって、どんどん当ててるじゃないか』


 納得の二人。


『ミサイル行け!』


 メープルちゃんのロックオンが早い、いやはや以前よりもさらに磨きがかかって。


『〈臨界黒体放射〉!』


 リッカも、当てる当てる。

 そして、アリス!


『あ、当たらないですー!』


 うん、知ってた。


『・・・ふっ』


 ユー、機銃の操縦桿を握るくらいしたらどう?


 とにかく、ここには射撃の上手い人が一杯。


 アリスとユー以外。


 スナークさんだってFPSのプロだし、アレックスさんやエレノアさんは本職。

 ハクセンだって、武芸百般を修めてる。

 スケさんも当然強い。


 どんどん撃墜されていくアクティブアクター。

 おっと、敵の戦艦の主砲がこっちを向いた。飛んでくる巨大な弾丸。

 でも、5秒近くかかって飛んでくる。


「敵の艦砲射撃、着弾コースだから躱すよ」


『『『ラジャ!』』』

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