銀龍と神龍
誤字修正しました<(_ _)>
とことことこ
てけてけてけ
銀龍が、還ってきた!
竜帝城の隠れたアイドル・当代神龍と、そのペット兼双子の弟は、
仲良く手をつなぎながら、銀龍の寝所へと忍び込んだ。
「・・・何をしている」
部屋の主が、不機嫌そうにむくりと体を起こす。
「銀龍だ」
「故郷いってきたの?」
「・・・あぁ・・・」
神龍たちの言葉に、部屋の主・・・銀龍は応えた。
「銀龍、よかったの?ずっと神龍の領域には来なかったのに」
「・・・神龍は、嫌っていると思っていた」
「嫌ってないよ」
「だが・・・あまりにも違いすぎた。
銀龍はひとびとから忌み嫌われ、
ひとびとはそれから逃れるために神龍を崇めた」
「それはそうだけど・・・でもね、あのね、
ルゼお兄ちゃんは大好きなの」
「大好き」
と、神龍とその双子の弟が答える。
「それに銀龍も好きだよ。
白銀のお姫さまと並んだ銀龍、幸せそう!」
「あぁ・・・幸せだった・・・だから、もう一度求めた・・・
ディルが言うことが、わからないわけでもなかった・・・
あの日、銀龍の血が、血毒を見て、
腐食されて死んだ母を見て、
穢された黒い鱗への怒りがこみあげて、我を忘れた」
「竜ってそう言うとこあるから。獣の性みたいなもの」
「でも、それをシャクヤは止めてくれた。
あれは・・・白銀の姫と同じ力を持っていた」
「無属性魔法だね」
「無効化もできるよね」
「あぁ・・・だから、それが運命だと思った。
ずっと探し求めた半身だと思った。
・・・けど、シャクヤは私の半身にはなってくれなかった」
「確かに、半身ではあると思うよ?
すごく波動が合ってるもの。父子で。
ディルお兄ちゃんも、伯父さまの娘の、
メイリィお姉ちゃんととっても合ってるもの」
「銀龍は、半身がなければ生きられない。そう言う、竜だ」
「ぼくもだよ」
「神龍にも、半身があるのか?唯一無二の・・・
神に限りなく近い、竜だろうに」
「それでも、半身はいるよ。いまは、たま」
「うん、お兄ちゃん、好き♡」
「妙な縁故だ・・・私が愛せなかった竜の子と、
そして同じ母を持つ竜の子」
「・・・銀龍のせいじゃないよ」
「だが・・・事実だ・・・私はお前が死んだとき、
あぁ・・・神龍が死んだのか・・・としか思わなかった・・・」
「銀龍には、たったひとりしか、いなかったもの。
人間も、他の竜たちも、決して銀龍を理解しようとしなかったし、
近寄ろうとしなかった。呪われた腐敗竜として、忌み嫌ったもの。
あの、白銀のお姫さま以外はね」
「だから・・・私にはわからない・・・
半身を求め続けるが故、それ以外を、愛せない。
半身の子孫であれば、半身であると感じた男と同じ顔であれば、
妃として愛せるのか、親として愛せるのか。
でも、この中にあるのは、竜も、人間も、
全てが憎くて・・・憎くて、しょうがない。
今の私には、キファの心が・・・よくわかる」
「あの、角の無い竜のお兄ちゃんの、お母さん?」
「あぁ・・・そうだ・・・神龍」
「でも、帰れたんだね。あのお兄ちゃんは、
そのお母さんが、帰りたかった場所。
帰してあげたのは、銀龍でしょ?」
「・・・そうだよ・・・
本当は、憎しみで心が埋まっているはずなのに・・・
私は、あれが幸せになることを・・・願っていた。
いつしか、半身の代わりのように思っていた。
竜の性は・・・本当に辛いことばかりだ。
いつも求めても、2度とあの姫は、得られない」
「本当に、そうかな?」
「どう言う、ことだ?」
「本当は気が付いているんじゃない?」
「どうして」
「にゃんこグッズ増えたね」
「そうか?」
銀龍が首を傾げると、神龍たち双子は、
竜帝のベッドに飛び乗り、
ベッドに並んだねこちゃんぬいぐるみを両手に抱えた。
「あのね、たまはね、にゃんこなの」
「にゃぁ~っ♡」
「竜だろう」
「でもね、たまといえばにゃんこなの」
「それはどこの国の定義だ」
「昔ね、金色の髪のお兄ちゃんに教えてもらったんだぁ~、
いぬは、“ポチ”、ねこは・・・“たま”!
あのね、多分ね、ぼくはもう魔物になってしまったけど・・・
それでも、好きなものは、同じなの。
同じ血を、銀龍の血を、一度は受け取ったから、だから、わかるの」
「・・・だが、同じ竜だ」
「・・・うん、そうだね、銀龍」
「同じ」
そういって、たまは神龍にそっと身を寄せ、
仲のいい双子は、きゃっきゃとじゃれ合っていた。




