ル・ガリア公国
メイリィ「ヒロイン~、語り手復活!!」(キラッ)
さて、私たちが竜帝国による、
旧カロン王国の完全制圧の一報を聞いたのは、
竜帝陛下と第4妃・ソシエさま率いる竜帝国軍の出陣より、
僅か1週間後のことでした。
1週間で、属国の中でも一番大きかったその旧カロン王国を、
全面的に制圧してしまったという事実は、
属国の間にもかなりの衝撃がはしったそうです。
そりゃそうです。
強大な軍事力を持つとはいえ、こうも簡単に、
たった1週間で制圧してしまったのですから。
なんつー早業。
さすがはヒロインから活躍シーンを奪うだけのことはあります。
これではさすがにヒロイン出る幕ありません。
つか、そのせいで、むしろ出陣も制圧もしてない、
竜帝城組がてんやわんやです。
もちろん、祖国・ツェイロン王国からの使者も来ましたし、
他の属国からも来ています。
そう、続々と。
対応は全権を委譲されたディルが主にとっております。
更に、その3日後に、竜帝陛下とソシエさまが
騎士さんたちと帰還されました。
大部分がまだ旧カロン王国に配備されているそうですが。
おふたりが帰ってこられてすぐ、
こちらで捕えていたカロン王国王女やそのお付きの方々の処刑が行われたそうです。
そして、集められたお留守番組の私たち。
「・・・」
目の前には、竜帝陛下とソシエさまがいらっしゃいます。
「・・・今、帰った」
そう、竜帝陛下が短く仰ると、ディルがそれに応えます。
「無事お戻りになられて、何よりです」
「・・・あぁ」
戦いを終えた竜帝陛下は、いつもの胡散臭い笑みは、
さすがに浮かべていらっしゃいませんでした。
ですが、どこかすっきりしているような気もします。
長年にわたって抱えてきた心のつっかかりが、まるで取れたかのような。
そして、私たちは今後の解体された旧カロン王国領についての説明を受けました。
まず、旧カロン王国領の南3分の1は・・・
ツェイロン王国領になりました。
え・・・?ウチ、領地増えた!?
確かに、お隣の領地ではありますが・・・
その一部に、昔ツェイロン王国のお姫さまが、
嫁いだ公国があったのです。
残念ながら、私が産まれる前に滅んでしまい、
もうその国を治めていた公族はいないそうです。
だから、かつて嫁いだお姫さまの、
出身国であるツェイロン王国がその地を治めることとなりました。
新たに得た領地は、ウチの姉さま・・・と言う名の性別男な、
第2王子・アルシャ姉さまとその王子妃・リンファ義姉さまが派遣されました。
アルシャ姉さまは公爵の地位を特別に与えられ、
リンファ義姉さまと共に治めていくそうです。
そして、北側3分の2なのですが・・・
そこは、かつて旧カロン王国に統合され、
亡くなってしまった王国・・・
ル・ガリアの名をとって、
竜皇族が大公位を賜り、“ル・ガリア公国”として、
治めていくことになったそうです。
もちろん竜帝国からも
臣下や、騎士は付き添いますが、
旧王国の主だった関係者は処刑されたとのことで、
メインは、竜帝国から赴くそうです。
そしてその代表者と言うのが・・・
「な・・・何で・・・俺なんですか・・・」
あぁ・・・レオくんが、失神寸前でした。
「他に適任がいない」
と、竜帝陛下。
もちろんディルはダメですし・・・ルゼくんは・・・
絶対拒否しそうです。
カイくんもまだ幼いですし・・・
となれば・・・竜皇族でその任につけるのは、
レオくんしかいないのです。
まぁ、ピンク髪からの受難がなければ、
ごくごく、真面目で優秀なので。
「あと、現地に、補佐を用意した。お前の役に立つ。使うといい」
と、ひと言。
レオくん、冷や汗が止まらないのですが・・・
しかし、その後、ソシエさまから紹介があったのですが・・・
此度の騒動で・・・
カロン王国の北側は全て竜帝国と国境を構えています。
しかし、竜帝国を挟んだその向かいには、
ソシエさまの故国・ソレイシア王国があります。
此度の出陣について、非常に危機感を抱いているのが、
このソレイシア王国だったりします。
だって・・・すぐ向かい側で制圧が行われたわけですからね。
・・・一応、ウチの祖国・ツェイロン王国もお隣さんですが、
むしろ、旧カロン王国には昔、姉妹公国を滅ぼされた恨みがあるため、
竜帝陛下Oh、YEAR!って感じです。
ツェイロン王国からの使者もそう言っていました。
だから間違いありません。
てなわけで、ル・ガリア公国に大公として派遣されるレオくんには、
ソレイシア王国からの姫があてがわれ、
即、籍を入れられ、臣下と騎士を付けられ、早速派遣されることになりました。
・・・で、かなりの急展開ですが、
それが告げられた翌日の朝、ほぼ昨日出会ったレオくんと、
ソレイシア王国の王女殿下・・・いえ、もう大公妃殿下の見送りのため、
私たちは竜帝城の門の前にいました。
だけど、そんなに不安はありません。
何故なら・・・
レオくんのお嫁さんは、リリアさまといって、
流れるような赤い髪に、ソシエさま似の銀色の瞳、
そして、猫耳しっぽ萌えの獣人族のお姫さまだからです。
猫耳しっぽ萌えという点でも評価が高いのですが・・・
赤髪か・・・赤髪ね・・・
これは乙女の勘・・・いえ、同じくピンク髪に狙われる
兄を持つ私としては・・・
今後レオくんがピンク髪に苛まれることはない気はします。
みんなでいってらっしゃ~いと、送り出し、
公国へ向かう馬車が見えなくなるまで、手を振りました。
暫くはル・ガリア公国内のことでかかりっきりですから、
レオくんにも会えなくなりますね。
けれど、現地の補佐の方がとても優秀な方らしく、
レオくんとリリアさまもとてもよくお国を治めていらっしゃるとか。
でも、不思議なことに、補佐の方は、角の無い、竜族の方だとか。
旧ル・ガリア公国の王族の色を持っているとか、
竜帝陛下の古いご友人と言う噂もあるお方だそうです。
ですが、本人にそれを聞くのは・・・タブーと言うのが、
暗黙の了解なんだとか・・・言われております。




